旅館業法について
旅館業法について
旅館業法は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もって公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的に定められた法律です。
この法律では、旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。この旅館業を経営する場合は、旅館業法に基づく営業許可を得なければならないこととなっています。
なお、旅館業がアパート等の貸室業と違う点は、(1)施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること、(2)施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこととなります。
住宅を利用する場合であっても、有償で繰り返し、宿泊所として提供する「民泊サービス」を行うことは基本的に旅館業にあたるため、旅館業法に基づく許可を得ることが必要となります。旅館業法に基づく許可にはいくつかの種別がありますが、住宅宿泊事業の届出をせずに民泊サービスを行う場合には、簡易宿所営業で許可を取得するのが一般的です。
(旅館業の種別)
- ホテル営業(※)
洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業 - 旅館営業(※)
和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業 - 簡易宿所営業
宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業(ペンション、ユースホステルなど) - 下宿営業
施設を設け、1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業
(※)平成30年6月15日より、ホテル営業及び旅館営業は「旅館・ホテル営業」として、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」と一本化されます。
許可の取得にあたっては、使用する施設の構造設備が基準を満たす必要があります。そして、許可を得るためには、民泊サービスを行う予定の施設(住宅)の所在する都道府県(保健所を設置する市、特別区を含む)の保健所に申請する必要があります。
なお、平成28年4月に簡易宿所の許可基準(最低床面積の基準)が緩和され、従来よりも容易に簡易宿所営業の許可を取得できるようになりました。
旅館業法の適用とならないケース
住宅を使って宿泊サービスの提供を行う場合でも、旅館業法の適用とならないケースもあります。以下、いくつかご紹介します。
- ■イベント開催時に自治体の要請に基づき自宅等を提供する場合
(H27.7国運用通知)
⇒ 多数の集客が見込まれるイベントの開催時に宿泊施設が不足する地域において、その不足を解消する手段として、本来は宿泊施設ではない施設での旅行者の宿泊を可能とするのがイベント民泊です。当該地域の人々と旅行者との交流の促進や、当該地域における観光消費の拡大等にもつながることから、イベント民泊は観光による地方創生の観点からも有効なものと期待されています。
イベント民泊ガイドライン - ■移住希望者に対し売買又は賃貸を目的とする空き家物件への短期居住
(平成28.3国運用通知)
移住希望者に対する売買又は賃貸を前提としている空き家物件への短期居住であって、以下の全ての措置が講じられている場合は旅館業法が適用されません。
(1) 空き家物件の利活用事業が空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)に基づく計画に位置付けられ、当該事業を行う地方公共団体が空き家物件を登録しているなど、地方公共団体において対象施設が特定されていること。
(2) 対象施設を購入又は賃借する者が真に当該施設を購入する意思又は長期賃借する意思を有していることを地方公共団体において確認できること。
(3) (1)及び(2)に掲げる措置が講じられていることにより、実態として反復継続して不特定多数の者が利用することのないことが担保されていることが確認できること。 - ■地方公共団体から依頼を受けた地域協議会等が宿泊者から宿泊料に相当する対価を受けず、当該体験学習に係る指導の対価のみを受ける場合
(平成28.3国運用通知)
地方公共団体から依頼を受けた地域協議会等が宿泊者から宿泊料に相当する対価を受けず、体験学習の指導の対価のみを受ける場合は、地域協議会等が体験学習を伴う教育旅行等における宿泊体験サービスを提供する農家等に支払う経費は宿泊料に該当しないため、旅館業法の適用外となります。
【事務連絡】イベント開催時の旅館業法上の取扱いについて(イベント開催時の取扱いQ&A)
旅館業法が適用されるか否かはお近くの保健所へお問い合わせください。
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