1 住宅・建築物の所有者の方へ
- わが国では、これまでも、平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震などの大地震が発生しています。また、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震などの大規模地震は、近い将来の発生の切迫性が指摘されています。
- このような大地震から自らの生命・財産等を守るためには、住宅や建築物の耐震化を図ることが必要であり、住宅や建築物の所有者一人ひとりが、自らの問題として意識して取り組んでいただくことが重要です。
- 国土交通省では、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅、令和7年までに耐震性が不十分な耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消する」ことを目標として掲げ、所有者による耐震化を支援しています。
- 昭和56年以前に建築された建物は、建築基準法に定める耐震基準が強化される前の、いわゆる「旧耐震基準」によって建築され、耐震性が不十分なものが多く存在します。
- そのため、まずは、耐震診断を実施し、自らの建物の耐震性を把握しましょう。そして、耐震診断の結果、耐震性が不十分であった場合は、耐震改修や建替えを検討しましょう。
- 耐震診断や耐震改修には費用がかかりますが、国と地方公共団体では、協力して様々な支援制度を講じています。耐震改修等にあたっては、是非支援制度をご活用ください。
- 一方、近年、悪質なリフォーム工事詐欺による被害も問題となっており、「『国土交通省の依頼を受けて耐震診断を行っている。』、『住宅の耐震改修が耐震改修促進法によって義務付けられている。』等と言われたが、どうすればよいのか?」といったお問い合わせが寄せられています。国土交通省では、直接、個別の住宅・建築物に対する耐震診断や耐震改修を行っていません。地方公共団体の窓口に相談するなどし、十分にお気をつけください。
(2) 耐震診断が義務付けられている建物もあります。期限までに耐震診断をしましょう。
- 耐震改修促進法では、不特定多数の方が訪れる「要緊急安全確認大規模建築物」と、避難路の沿道等の「要安全確認計画記載建築物」を対象に耐震診断を義務付けています。所有者の方は、定められた期限までに、耐震診断を行い、その結果を所管行政庁に報告してください。
- 耐震診断の結果は、所管行政庁のホームページ等で公表されます。耐震性が不十分であった場合は、耐震改修や建替えを検討しましょう。
- 耐震診断や耐震改修には費用がかかりますが、国と地方公共団体では、協力して様々な支援制度を講じています。耐震改修等にあたっては、是非支援制度をご活用ください。
- 補助金をうけて耐震改修を実施した耐震診断義務付け対象建築物は、固定資産税の減免を受けられます。
2 地方公共団体の方へ
(1) 耐震化促進施策に係る計画を充実しましょう。
- 耐震改修促進法では、市町村は「耐震改修促進計画」の策定に努めるよう規定されており、令和5年4月時点で98.7%の市町村がすでに計画を策定しています。未策定の市町村にあっては、計画的な耐震化促進施策を講じるために、できる限り計画を策定しましょう。
- 計画を策定済みの地方公共団体も、地域における住宅・建築物の耐震化の状況などを勘案し、適時、計画の見直しを行いましょう。特に、今般(令和3年12月)の耐震改修促進法の基本方針の改訂も踏まえ、ブロック塀等の耐震診断義務付けの検討を含めた見直しを進めましょう。
- 耐震診断や耐震改修には相当の費用がかかるため、所有者の費用負担の軽減を図ることが重要です。国でも交付金制度等により地方公共団体の取組を支援しておりますので、住民に対する支援制度を構築・充実しましょう。
- 住民に対する相談体制や情報提供も重要です。所有者等の個別の事情に応じた助言や、関係部局等との連携などに留意しながら進めましょう。
- 令和6年能登半島地震を受け、住宅の耐震化をさらに進めるための方策とともに、やむを得ず本格的な耐震改修等を行うことができない場合でも、地震からのリスクを低減することが考えられる方策を含めて普及することを目的として、「木造住宅の安全確保方策マニュアル」を取りまとめましたので、ご活用ください。
3 関係データ等
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