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イギリス

建設業に関する外資規制等

建設業関連情報(外資規制、建設業制度等)

外資に関する規制

〔規制業種・禁止業種〕

外資のみを対象とした禁止業種、出資比率の規制はない。

事業許認可や登録を要する業種は以下のとおり。

金融サービス、医薬品、酒類販売・飲食業、鉱業、油田開発、電力、ガス、水道、通信、テレビ放送、廃棄物処理、医療・福祉サービス、賭博、食品販売、養鶏場、酪農場など。

〔工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け〕

イギリス国内で建設工事を行う請負業者、下請業者は、HM Revenue & CustomsのConstruction Industry Schemeへの登録が必要とされている。

Non-residentの企業、パートナーシップ、自営業者が建設工事の請負業者、下請業者となる場合にも、同様のルールが適用される。

出典

規制業種・禁止業種

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 英国 外資に関する規制


工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け

HM Revenue & Customs「Construction Industry Scheme: Booklet CIS 340

建設業許可制度、条件・手続きの流れ

建設業に限らずビジネス活動に関する許認可の有無については、「Licence finder」で検索できる。

出典

GOV.UK「Licence finder

入札契約制度、条件・手続き

公共調達では以下の手続きが用いられている。

open procedure(公開手続き)
restricted procedure(制限手続き)
competitive dialogue procedure(競争的対話)
negotiated procedure(交渉手続き)

サプライチェーンマネジメントのサービスサイト Constructionline(建設業者の事前資格審査に関する全英統一システム)を、多くの公共機関が利用している。

英国におけるの入札の電子化をすすめるために、2015年にThe Public Contract Regulationsが改正された。段階的に原則として電子化(E-communication)へ移行することを規定しており、2015年2月、2017年4月、2018年10月に順次適用される。

出典

GOV.UK「Tendering for public sector contracts

Constructionline

GOV.UK「Guidance on Electric Procurement & Electronic Communication

履行保証制度、条件・手続き

公共調達では、conditional bonds、on-demand bonds等の履行保証が用いられている。

出典

GOV.UK「Procurement policy note 02/13: supplier financial risk issues

技術者・技能者の資格制度

Engineering Councilが、Engineering Technician (EngTech)、Incorporated Engineer (IEng)、Chartered Engineer (CEng)、Information and Communications Technology Technician (ICTTech)等の資格認定を行っている。

また、Construction Skills Certification Schemeにより、建設技能者のデータベースサービスが運用されている。

出典

Engineering Council「Professional registration

Construction Skills Certification Scheme

就労許可制度

〔外国人就業規制〕

6カ月以上滞在予定の者は英国に渡航する前にエントリークリアランス(入国許可証)の入手が必要。

〔在留許可〕

英国政府は、ビザ発給の為の審査にポイント制を導入している。
ビザの種類は、高度技能者・英国企業家・投資家を対象とする第1階層(Tier1)や、人材不足等の一定の事由によって英国外から確保する人材を対象とする第2階層(Tier2)など、申請内容に応じてカテゴリ分けされている。

〔現地人の雇用義務〕

特にないが、雇用主が人種、皮膚の色、国籍、民族的または国民的出自を理由として被用者を差別することは違法とされている。

出典

外国人就業規則、在留許可、現地人の雇用義務

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 英国 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

2018年の英国雇用法の改正

建築基準

〔建築規制〕

イングランドにおいては、国が定めた建築法Building Actに基づき、各地方政府が個別の許認可等を運用している。

〔建築基準〕
  • 建築物の安全性等に係る建築基準は、建築法に基づき国務大臣が定めた建築規則Building Regulationsに性能的な記述をもって規定されており、これが義務基準としてイングランド全体に適用されている。この義務基準を満足するものとして、規制分野ごとに具体的に記述された基準文書があり、これらを国務大臣が承認している。Approved Documentsと呼ばれる文書であり、多くの建築物はこの文書に従って建築されている。ただし、この文書に従わず直接的に義務基準に適合することを証明することも許容されているAlternative way。
  • 建築基準に関連する規格は、多くの場合、欧州規格ENが採用されている。
出典

建築規制・建築基準

一般社団法人 建築・住宅国際機構「海外の建築規制

建設業関連データ

建設投資額(億米ドル)

1,378(2012年)、1,423(2013年)、1,655(2014年)、1,562(2015年)、1,413(2016年)、1,439(2017年)

(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)

出典

国連統計局National Accounts Main Aggregates Database

国内の建設企業数

273,775社(2015年)

出典

Office of National Statistics「Construction Statistics Private contractors

建設労働者

121万9千人(2015年)

出典

Office of National Statistics「Construction Statistics Total Employment

インフラ整備水準

道路
  • 延長:395,703km(2015年)
鉄道
  • 延長:16,423km(2013年)、14,787km(2014年)
電力
  • 一人当り電力消費量:5,452kwh(2012年)、5,407.3kwh(2013年)
上下水道
  • 上水道普及率:100%(2015年)
  • 下水道普及率:99.2%(2015年)
出典

道路

GOV.UK「Road lengths (kilometres)


鉄道

The World Bank「World Development Indicators」Rail lines


電力

The World Bank「World Development Indicators」Electric power consumption


上下水道

The World Bank「World Development Indicators 2015

我が国の建設投資の今後の動向

英国における「ノーザンパワーハウス」構想の最重要施策であるHS2高速鉄道計画について、取組を強力に推進。

出典

経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(平成28年度改訂版)

我が国建設業の受注実績

  • 2014年度:53.6億円
  • 2015年度:18.3億円
出典

海外建設協会

建設業関連企業、団体、大学

主な国内建設企業

主な外国建設企業

〔我が国建設企業(2016年6月現在)〕
  • 大林組
  • 鹿島建設
  • 清水建設
  • 竹中工務店
  • 日立製作所インフラシステム社
  • 日立造船  等
〔その他〕
  • ACS(スペイン)
  • HOCHTIEF(独)
  • BECHTEL(米)
  • Vinci(仏)
出典

我が国建設企業

海外建設協会「海外進出状況

主な公共発注者

ビジネス環境

ビジネス慣行

〔ビジネス環境の現状〕
事業設立
必要な手続き数
4
平均的な手続き日数
4.5日
建設許可取得
必要な手続き数
9
平均的な手続き日数
86日
不動産登記
必要な手続き数
6
平均的な手続き日数
21.5日
納税
毎年支払う税の種類
8
収益に占める税率
30%
貿易 (輸出)
輸出に係る手続き
時間:24時間  費用:280USD
必要書類の手続き
時間:4時間   費用:25USD
(輸入)
輸入に係る手続き
時間:3時間   費用:0USD
必要書類の手続き
時間:2時間   費用:0USD
出典

IFC「Doing Business

問題等の解決

在英国インフラプロジェクト専門官

「インフラプロジェクト専門官」は,各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に,関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等,インフラ海外展開の支援を担当している。

在英国日本国大使館 日本企業支援窓口

国土交通省海外建設ホットライン

国土交通省における、海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口

出典

在英国インフラプロジェクト専門官

在英国日本国大使館 日本企業支援窓口

国土交通省海外建設ホットライン

各国・地域特有の課題

〔ガバナンス指標のパーセンタイルランク〕

イギリスよりランクが低い国の割合(2015年)

  • 政治的安定と暴力・テロ等安全度 62%
  • 政府機関の効率性・独立性 94%
  • 規則の策定や遵守度 99%
  • 法の支配度 94%
  • 汚職の抑制 94%
出典

World Bank「Worldwide governance Indicators

マスタープラン

National Infrastructure Plan 2014

〔策定主体〕

HM Treasury

〔計画概要〕

2020年代に向けたインフラ整備方針において、道路(150億ポンド)、水害対策(23億ポンド)、鉄道(380億ポンド)等の投資が予定されている。

出典

HM Treasury「National Infrastructure Plan 2014

開発案件

クロスレール

ロンドンを含むイングランド南東部の鉄道整備。2018年開業予定。

Thames Tideway Tunnel

テムズ川大規模下水道 2023年完成予定。

出典

InfrastructureUK「National Infrastructure Pipeline factsheet July 2015

Crossrail Ltd

Bazalgette Tunnel Limited

今後注視すべき主要プロジェクト一覧

HS2(High Speed 2)高速鉄道計画

ロンドン~バーミンガム~マンチェスター、リーズ間(約 560km)を結ぶ高速鉄道計画。

出典

国土交通省「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画 2021

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