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不動産鑑定士インタビュー

Interview02 大学院で観光学を学び、不動産鑑定の道へ
英語力を生かして国際案件に携わる
不動産鑑定会社 勤務
中澤なかざわ たかしさん

不動産鑑定士になろうと思ったきっかけは何ですか?

大学では教養学部に所属し、歴史学、経営学、社会科学等を幅広く学びました。
大学卒業後、観光学の先進地域であるイギリスの大学院へ進学し、観光学を学びました。
帰国後に、研究を続けるか就職するかの選択を迫られ、それまで研究してきた内容(観光地の開発計画、持続可能な観光地づくりなど)が仕事に直結する不動産鑑定士を目指したいと考えました。

試験勉強において印象に残っていることはありますか?

不動産鑑定士試験は、現在の会社で不動産鑑定士の補助者としてアルバイトをしながら勉強しました。
試験を振り返ってみると、試験の突破には文章力が必要であり、大学院の授業などで論文を書く機会が多かったことが、有利に働いたと思います。

試験前の不動産鑑定士のイメージは?実際はどうですか?

試験前にはインターネットの情報などから、堅くて古い業界というイメージがありました。
実際に飛び込んでみると意欲に溢れ、若々しく魅力的な人が多く、良い意味で予想を裏切られたと感じます。

現在はどのようなお仕事をされていますか?

現在は国際部に所属しており、インバウンド・アウトバウンド両面での業務を行っています。
依頼者の多くが外国人投資家であり、個人投資家から機関投資家まで幅広く、国内物件の評価がメインですが、海外物件の評価もあります。国籍は、シンガポール等のアジア諸国が中心です。

新興国の中には、鑑定評価に関する基準が全く存在しない国もあり、そのような国では国際的な評価基準を活用するのが原則ですが、場合によっては日本の基準をビルトインして対応しています。

インバウンド業務については、鑑定評価に関する日本国内のルールを説明することから始まるため、英語で専門用語を話せる力が必要となります。また、近年では、英文のみの鑑定評価書を発行するケースも増えてきています。

どんな人が不動産鑑定士に向いていると思いますか?

不動産鑑定士を志した頃は、英語を使って仕事をするとはまったく思っていませんでしたが、留学経験で磨かれた英語力は結果的に非常に役立っています。英語の得意な人はもちろん、鑑定評価には、様々な知識が必要であり、不動産鑑定士は教養のある学際的な人に向いていると思います。

また、不動産鑑定士に最も重要な能力は、マーケット感、市場を分析する力で、コミュニケーションから情報を獲得していく能力は、非常に重要と感じます。

国際業務は、海外に行く機会も多く、常に目新しいことに遭遇できる新鮮さもあり、フィールドワークが好きな人、好奇心旺盛の人には向いていると思います。

※掲載内容は2020年3月に取材した内容です。

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