大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年7月12日(金) 10:45 ~ 10:56
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

能登半島地震に係る「災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業」等の採択要件の緩和について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、能登半島地震に係る「災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業」等の採択要件の緩和についてです。
能登半島地震による「宅地擁壁」などの人工斜面の被害が、相当数になるものと見込まれています。
このような被害は、二次災害の発生に繋がるおそれもあるため、県や市町村が緊急的に実施する、急傾斜地の崩壊防止のための事業について、熊本地震や東日本大震災の際と同様に、自然斜面に加え、宅地擁壁等の人工斜面でも採択を可能とする要件の緩和を行います。
国土交通省としては、今後、被災自治体からの申請に合わせ、必要な予算措置を行い、早期の復旧・復興を支援してまいります。
後ほど資料を配付いたします。
詳細は事務方にお問い合わせください。

青い羽根募金 強調運動期間について

(大臣)

2点目は、青い羽根募金強調運動期間についてです。
本日の閣僚懇談会において、「青い羽根募金」に対する協力の一環として、本日から7月18日までの間、各大臣に「青い羽根」を着用していただくよう、お願いしました。
「青い羽根募金」は、「公益社団法人 日本水難救済会」が主体となり、海で遭難した人々の救助を行う全国約5万人の「ボランティア救助員」の活動を支援するものです。
「ボランティア救助員」の方々は、こうした支援を受けながら、明治22年(1889年)の活動開始以来、約20万人の方々、4万隻以上の船舶を救助してこられました。
日本水難救済会は、特に、夏季のマリンレジャーが盛んとなる7月と8月の2か月間を「青い羽根募金強調運動期間」と定めており、海上保安庁なども協力して重点的に募金活動を展開しています。
数々の尊い人命を救助されている、この活動に対する国民の皆さまの御理解と御協力をよろしくお願いします。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

航空燃料不足対策について

(記者)

2問質問をお伺いします。
まず1問目が国内の航空燃料不足を受けて、国土交通省等は緊急対策をまとめたとの一部報道があります。
内容として、燃料を運ぶタンカーの追加の確保であるとか、海外から燃料輸入等が含まれているとされていますが、現状事実関係の確認と今後の国土交通省としての対応を教えてください。

(大臣)

航空燃料の供給不足については、先月、経済産業省と合同で「官民タスクフォース」を設置しました。
官民の関係者が一丸となって、対策を今検討しているところです。
来週16日(火)には、第3回目の会合を開催し、国や関係業界の行動計画のとりまとめに向けた議論を行う予定になっています。
具体的には、各空港における新規就航・増便などに係る燃料の需要量を前広に把握する仕組み、早めに情報をいただくという仕組みや、燃料供給力の確保、燃料輸送体制の強化などに関する方策について、議論を行うこととしています。
国土交通省としては、引き続き、「官民タスクフォース」をはじめ、経済産業省や関係業界と連携して、対策の検討を進め、航空燃料の円滑な供給に支障が生じないよう、スピード感を持って対応していきたいと思っています。

愛媛県松山市で発生した土砂崩れについて

(記者)

もう1問が、今朝早くに愛媛県松山市(まつやまし)で土砂崩れがありまして、土砂が流入した住宅の方3人と情報が取れていないというような情報があります。
現状国土交通省として把握している情報と、今後の対応を教えてください。

(大臣)

大きな町の真ん中で起きた土砂災害で、私もびっくりしたところです。
愛媛県松山市で発生した土砂崩れにつきましては、愛媛県からは本日12日午前3時、愛媛県松山市緑町(みどりまち)一丁目において、土砂崩れが発生し、1戸の人家が全壊、3名が行方不明と聞いています。
国土交通省としては、県、市から要請があれば必要な協力を行っていきたいと思っています。
今、緊密に連携を取っているところです。

水道の耐震化について

(記者)

先日、総理が全国の重要施設につながる水道の耐震点検を指示しましたが、現状として水道の耐震適合率は40%台にとどまっています。
現状に対する国土交通省の評価と今後の対応をお聞かせください。

(大臣)

水道施設の耐震化の状況については、令和4年度末時点で、浄水施設・基幹管路ともに40%強にとどまっており、非常に遅れているという認識です。
国土交通省としては、この問題意識のもと、特に、「浄水場」や「下水処理場」、それから「浄水場から配水池までの管路」など、上下水道システムの「急所」、すなわち、その施設が機能を失えば、システム全体が機能を失う、最重要施設や、避難所など「重要施設に接続する管路」などについて、耐震化状況の緊急点検を早急に進め、10月までに、点検結果をとりまとめ、公表したいと思っています。
また、この緊急点検の結果を踏まえ、全国の水道事業者及び下水道管理者において、今年度中に上下水道耐震化計画の策定・更新を進めていただけるよう、地域における計画策定の取組をしっかりと支援していきたいと思います。
国土交通省として、これらの取組を着実に進め、強靭な上下水道システムの構築に向けて、地震対策・耐震対策をしっかり進めていきたいと思っています。

上下水道事業のDX化について

(記者)

水道の耐震化を進めるにあたっては、水道事業の効率化が重要だと考えますが、総理は上下水道のDX技術のカタログを本年度中に策定して、今後5年程度で標準装備を進める旨を言及されました。
これを受けた国土交通省の対応と、あわせて、様々なDX技術を持つ民間企業への期待をお聞かせください。

(大臣)

上下水道施設の老朽化や、管理に精通した熟練職員の減少などが進む中、デジタル技術を活用し、メンテナンスの効率を向上させる「上下水道DX」の推進が重要であると考えています。
今年度のDigi(デジ)(でん)甲子園の技術表彰でも、この水道水の漏れをDX技術を使ってすばやく把握する技術が総理大臣賞をとったと記憶しています。
この上下水道のDX化は緊急の課題だと思います。
国土交通省としては、先日の総理の御発言を踏まえ、上下水道DXを進める取組の一環として、上下水道に関する、既に実用化され実績のある様々なデジタル技術、例えば、一つ目に人工衛星やビッグデータ、AIを活用した管路の劣化予測システム、二つ目に検針業務や漏水発見の効率化のためのスマートメータなどについて、分かりやすいカタログを今年度中にとりまとめ、各地域での導入を促進してまいります。
このような取組を通じて、今後5年程度での上下水道DX技術の標準装備化を推進し、持続可能な上下水道システムの構築を進めていきたいと思っています。
また、この分野の技術は日進月歩であり、民間企業の皆さまには、上下水道の事業運営の効率化につながる技術の開発を一層進めていただきたいと期待しています。

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