大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年7月2日(火) 10:47 ~ 10:59
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

建設総合統計の遡及改定によるGDPへの影響について

(記者)

「建設総合統計」の改定の影響を受けて、内閣府が昨日、6月に発表した、2024年1-3月期のGDP2次改定値を下方修正し、年率換算で2.9%減となりました。
統計ミスによる修正について国土交通省の受け止めと今後の再発防止策をどのように考えているか教えてください。

(大臣)

昨日、内閣府から2024年1-3月期におけるGDP2次速報値の改定値が公表されました。
この改定値は、6月25日に国土交通省が公表した「建設総合統計」の遡及改定を受けたものであり、この遡及改定には、6月11日に公表した「建設工事受注動態統計」における、調査対象者の回答誤りによる数値の訂正が含まれています。
「建設工事受注動態統計」は、政府の重要な統計の算出にも関連するものであり、極力正確な報告がなされるように調査や集計作業等の不断の改善に取り組むことが必要です。
このことを重く受け止め、次のような対策を直ちに実施します。
具体的には、1番目に、調査対象者から正確な報告をしていただけるよう、調査票の記入方法について、より分かりやすい説明資料を作成し、周知を徹底します。
2番目に、来年度から運用開始予定のオンライン回答システムにおいて、誤報告の疑いのある数値を検知して確認できる仕組みの導入に着手します。
3番目に、本件について、有識者からなる統計品質改善会議にお諮りして、標本抽出や算出方法のあり方、誤報告の疑いのある数値の、具体的な検知方法などについて検討し、年内に中間整理を行いたいと思っています。
これらの対策を確実かつ速やかに実施し、統計の品質向上にしっかりと取り組んでいく所存です。

熱海土石流災害から3年について

(記者)

静岡県熱海市あたみしで土石流による災害が発生してから、明日で、3年となります。
国土交通省の受け止めと盛土もりど規制法きせいほうに基づいた取組の進捗状況について教えてください。

(大臣)

静岡県熱海市で発生した土石流による災害から、明日3日で3年を迎えます。改めて、この災害により、お亡くなりになられた方と、その御家族に、心からお悔やみを申し上げます。
また、全ての被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
今年も出水期となりましたが、二度とこのような悲劇を繰り返してはならないとの思いを今強くしております。
この災害を機に整備した盛土規制法に基づく取組については、昨年9月の広島県を皮切りに、本日時点で15の都道府県等、この都道府県等というのは、都道府県、政令市、中核市の計129の自治体ですが、129の自治体のうち、本日時点で15の都道府県等が、人家等に被害を及ぼし得る危険な区域を「規制区域」として指定しています。
また、既にすべての都道府県等で、「規制区域」の指定に必要な基礎調査に着手しており、法施行から2年となる来年の5月までには、全体の約9割の都道府県等で、指定を完了する意向があると伺っています。
国土交通省としても、早期の「規制区域」の指定に向け、基礎調査の実施に対する財政支援などによる取組を進め、関係府省や地方公共団体との連携により盛土規制法の適切な運用を図ることで、災害発生の未然防止に努めていきたいと決意しています。

水道施設の耐震化、水道事業の効率化について

(記者)

半年が経った能登半島地震に関連して、水道について伺います。
被災地で耐震化されていない水道施設の損傷によって断水が長期化しました。
全国的に耐震化率は低い一方で、財政難の事業者が多くてなかなか更新が進んでいません。
国は、広域化や官民連携を進めていますが、まだ取組も途上かと思います。
事業者に取材していると、財政難支援の強化を求める声もありますが、今後の対応について教えてください。

(大臣)

まず、水道施設の耐震化の状況については、令和4年度末時点で、浄水施設・基幹管路ともに40%強と、まだ50%には届いていない40%強にとどまっています。
非常に遅れているという認識です。
また、今般の能登半島地震においても水道施設に甚大な被害が発生し、耐震化の重要性が認識されたところであり、有識者で構成する「上下水道地震対策検討委員会」を設置して、5月末に今後の地震対策のあり方などに関する中間とりまとめを行ったところです。
この中間とりまとめでは、一つに浄水場や、浄水場から配水池までの管路など、水道システムの「急所」、すなわち、その施設が機能を失えば、システム全体が機能を失う、最重要の施設、この「急所」の耐震化、避難所など重要施設における水道管・下水道管の一体的な耐震化などに取り組んでいくべきとされました。
この夏の最終とりまとめに向けて、引き続き議論が進められているところです。
国土交通省としては、こうした検討会での議論も踏まえながら、強靱な水道システムの構築に向けて、地震対策を加速化していかなければならないと決意しています。
広域化による効率化の点ですが、人口減少が進む中でも、水道事業を持続可能なものとするためには、事業の効率化に向けたコスト削減や人材確保につながる、広域連携や官民連携を更に推進していくことが重要だと考えています。
このため、広域連携については、広域化に関する手引きの策定、また優良事例の横展開などによる技術的支援とともに、社会資本整備総合交付金等による財政的支援により、その取組を推進していきたいと思っています。官民連携については、今年度、上下水道一体効率化・基盤強化推進事業を創設しました。
これなどにより、財政的支援を強化しているほか、地方公共団体と民間企業のマッチングの場を設けるなどして、その取組を促進していきたいと思っています。
国土交通省におけるインフラ整備の知見や層の厚い地方支分部局を活用しながら、上下水道一体として、地域におけるこれらの取組を着実に実施していきたいと考えているところです。

羽田空港航空機衝突事故から半年について

(記者)

1月2日に発生した羽田空港での航空機衝突事故から、本日で半年になります。
これまで、先月24日に中間取りまとめを出すなど、安全・安心に対して再発防止等をされてきました。
改めてこの半年ということに対して大臣の受け止めをお聞かせください。

(大臣)

本年1月2日に発生した羽田空港での航空機事故から、本日(2日)で半年が経過しました。改めて、亡くなられた海上保安庁職員及びその御家族の皆さま方に対し、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
また、今回の事故に遭遇された方、その御家族に心からお見舞いを申し上げる次第です。
今回のような痛ましい事故が二度と発生しないよう、国土交通省としても、まず第一弾、事故直後に講じた緊急対策を行いました。
また、これに続き、第2ステップとして先月24日、ハード・ソフト両面にわたる更なる安全・安心対策について、検討委員会における中間取りまとめがなされたところです。
この中間取りまとめでは、一つに滑走路誤進入の多くの原因であるヒューマンエラーの防止、それからヒューマンエラーが事故につながらないようにするための注意喚起システムの強化、そして最後の安全の砦である管制官の体制の強化、などの5つの柱の対策が提言されています。
この提言をすぐ岸田(きしだ)総理に御報告したところ、岸田総理から管制官の増員についての指示があり、今その体制を整えているところです。
その他の5つの件についてもしっかり進めてまいります。
最終的には運輸安全委員会が今、原因究明を行っています。
それを受けて、最終的な抜本対策という形にしたいと思っていますが、これから国土交通省の総力を挙げて、関係者と一丸となって取り組んでいく所存であり、最終的には運輸安全委員会の事故調査報告も踏まえ、抜本的な安全・安心対策を講じていきたいと決意しています。

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