平成25年8月8日
国土交通省は、去る8月2日、シンガポールにおいて、一般社団法人日本非破壊検査工業会の協力を得て、「非破壊検査セミナー」を開催した。
本セミナーは、我が国民間企業が保有するインフラ関連システム等を、対象国のニーズに適うモデルプロジェクトとして構築し、輸出していくことを
目的に、トンネル、道路橋、鉄道等の社会インフラの維持管理・更新の需要が今後多く見込まれるシンガポールにおいて、効率的かつ低コストの
維持管理技術である我が国の優れた非破壊検査システムについて同国政府や民間企業における認識を深め、同国へのインフラ関連システムの
普及の促進を図るため、開催したものである。
本セミナーでは、我が国の非破壊検査企業から非破壊検査技術・ノウハウをテーマとした発表や質疑応答が行われ、シンガポール政府や民間
企業等から約70名の参加があった。
本セミナーは、シンガポール建築建設庁主催による「シンガポール建設生産性向上週間2013」(2013年7月31日~8月2日)にあわせて開催され
たものであり、我が国の非破壊検査企業もブース出展し、数多くの来場者があった。
日時 : 平成25年8月2日(金) 9:20~12:00
場所 : シンガポール共和国 シンガポール・エキスポ
マックスアトリア オパールルーム103・104
主催 : 国土交通省
協力 : 一般社団法人 日本非破壊検査工業会及び同会員企業
(1)日本側
本東 信 国土交通省 大臣官房審議官
米津 雅史 国土交通省総合政策局国際政策課国際建設産業企画官
松村 康人(一社)日本非破壊検査工業会理事長
日本国建設企業、非破壊検査企業、造船メーカー 等
(2)シンガポール側
シンガポール政府関係者
シンガポール民間企業 等
(1)本東大臣官房審議官による開会挨拶(要約)
東日本大震災に対するシンガポール政府及び国民からの多大なるご支援に感謝申し上げる。シンガポールにおいてもインフラの維持管理・更新をいかに効率的に、
低コストで実現できるかが今後の持続的な経済成長にとって重要な課題となることから、我が国におけるソフト・インフラの一つである非破壊検査技術を日本モデルとし
て、貴国における効率的かつ低コストのインフラの維持管理・更新にぜひ活用していただきたい。
(2)松村日本非破壊検査工業会理事長による開会挨拶(要約)
非破壊検査技術は、健康診断や人間ドックのように、X線や超音波といったセンサーを活用した検査、診断の技術であり、インフラ関連の点検、診断技術としても大変
有効である。
今回はインフラの維持管理に役立つ非破壊検査技術に対象をしぼり、4つのテーマについて、我が国の非破壊検査企業が発表を行うところ、我が国の非破壊検査技
術とノウハウが、貴国のインフラの点検、診断に大いに役立つことを希望している。
(3)発表
セミナーでは、まず計測検査株式会社から、「交通規制のないトンネル点検システムMIMM」と題して、車載の高速カメラやレーザーを用いた走行しながらの点検、測
定が可能といった特徴等の説明があり、交通規制を必要とせず道路トンネル内を効率的に点検できる利点や、地下鉄トンネルの保全にも有効である旨、発表がなされた。
次に、株式会社KJTDからは、「超音波を用いた鉄道車軸の自動超音波探傷システム」と題して、新幹線等の高速鉄道の車両の重要部である車軸の検査性能の向上
に大きな成果をあげてきた実績等の紹介があり、シンガポールの地下鉄車両の保全にも有効である旨、発表がなされた。
さらに、日本無線株式会社からは、「次世代コンクリートレーダについて」と題して、コンクリート構造物内部の配筋状況を確認できるコンクリートレーダNJJシリーズにつ
いて、モデル概要及びその利点等について発表がなされ、またスマートホンによる操作が可能な最新モデルの紹介もなされた。
最後に、三井造船株式会社からは、「レーダを利用した土木構造物の非破壊検査」と題して、トンネル内表面でのレーダを利用した視認性の良い3D画像として出力可
能な「トンネル覆工検査レーダシステム」を中心に、レーダを用いた開発技術の紹介がなされ、路面下の水道管の破裂破損の確認にも有効である等の発表がなされた。
・ 発表企業及び発表タイトル:
計測検査株式会社「交通規制のないトンネル点検システムMIMM」
株式会社KJTD「鉄道車軸の自動超音波探傷システム」
日本無線株式会社「次世代コンクリートレーダについて」
三井造船株式会社「レーダを利用した土木構造物の非破壊検査」
結果概要(PDF形式:299KB)
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。