令和6年4月5日

国土交通省航空局の提案により、ICAO（国際民間航空機関）のCORSIA※1における SAF※2原料として、新たに「規格外ココナッツ」が登録されました。 　航空局はSAF原料の多様化のため、今後もICAOでの新規原料登録に取り組み、SAF製 造事業者の原料確保、ひいては航空分野の脱炭素化に貢献していきます。

　※1 Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation：
　　　ICAOにおける国際航空分野の炭素排出削減制度
　※2 Sustainable Aviation Fuels：持続可能な航空燃料

〇概要
・航空分野の脱炭素化のためにはSAFの製造供給拡大が重要ですが、現在の主要なSAF原
　料である廃食油の供給量は限られており、多様な原料の確保が急務となっています。
・今般、日本の事業者からの要望を踏まえ、航空局からICAOに提案した「規格外ココナッ
　ツ」がCORSIAにおけるSAF原料として登録されました。
・「規格外ココナッツ」とは、ココナッツ栽培の際に一定の割合で発生する、割れやかび
　の発生などで食用には適さないココナッツのことで、現状は多くが廃棄されています。
　これらを活用しても、食料用途と競合せず、新たな耕作地も必要としないため、環境負
　荷が低い原料との評価を受けることができました。
・航空局は今後もICAOにおいて原料の多様化につながる新規原料登録に取り組み、日本及
　び世界のSAF製造者の原料確保、ひいては航空分野の脱炭素化に貢献していきます。

(参考)登録までの航空局活動の経緯
・「持続可能な航空燃料（SAF）の導入促進に向けた官民協議会」の下に設置した「SAF認
　証タスクグループ」の活動の一環として、日本の事業者の要望を踏まえ、2022年7月よ
　りICAOとの調整を開始しました。ICAO燃料専門家会合への提案と審査などに対応しな
　がら協議を重ねた結果、最終的に2024年3月の第231会期ICAO理事会において「規格
　外ココナッツ」のICAO 文書^※3への追加登録が承認されました。
・ICAOのCORSIAが2019年に開始されて以来、ICAOで新たなSAF原料を追加登録するのは
　今回が初めてとなります。
　※3 CORSIA METHODOLOGY FOR CALCULATING ACTUAL LIFE CYCLE EMISSIONS VALUES