報道・広報

第5回「フェリー大傾斜事故防止対策検討委員会」の議事概要について

平成23年3月2日

1.日時:平成23年3月2日(水) 14:00~15:40

2.場所:中央合同庁舎7号館14階 共用会議室2

3.出席者
<委員>矢吹委員(座長)、梅田委員、川村委員、田村委員、竹井委員、稲垣委員、中田委員、小島(繁)委員、溝上委員
<海事局>坂下安全環境政策課長、蔵持企画調査室長、山本運航労務課長、小磯安全基準課課長補佐、秋田検査測度課長(事務局:安全環境政策課)

議事概要

(1) フェリー大傾斜事故の再発防止対策について
事務局から提示のあった「フェリー大傾斜事故の再発防止対策について」(最終取りまとめ)について検討がなされ、所要の修正を加えた上で最終取りまとめとすることについて了承がなされた。
最終取りまとめに提示された再発防止対策のポイントは以下の通り。(最終取りまとめの本文は別添参照)


 [1]大傾斜防止のための操船
 運輸安全委員会の事故調査報告書によると、今回の事故は斜め後方からの追い波が大傾斜の一要因。また、フェリー・RORO船等が追い波中を航行する場合は、波の影響により、今回の事故と同様の現象が発生する可能性がある。
このため、フェリー等の運航中に追い波を受けた場合には、国際海事機関(IMO)が策定した操船ガイダンスを踏まえ、減速や針路変更により、安全を確保することが重要。

 [2]貨物の移動防止のための固定方法
○直積みコンテナ
フェリー・RORO船の車輌甲板にコンテナを直接置いて輸送する際には、通常、ベルト・チェーン等により固定されているが、現在の方法では、大傾斜が発生した場合、強度が不足し、荷崩れが生じる可能性が高い。
このため、外洋を航行するフェリー・RORO船で車輌甲板にコンテナを直接置いて輸送する場合は、以下の具体的対応を踏まえたコンテナの固定方法の改善を図ることが必要。また、離島航路等では、コンテナを甲板の壁に固定するなど、荷崩れを防止できる方法に改善することが必要。
(具体的対応)
・ コンテナ船と同種の固定装置(スタッカー、ツイストロック等)の使用
・ 隙間のない積載、スペーサーの設置
・ その他、十分な強度を有することが確認された固定方法
○車輌・シャーシ
車輌・シャーシについても、固定の強度が不足している事例が見られたことから、運航事業者等において自社の積付け方法が適切であるか検証を行い、強度不足の場合は改善を図ることが必要。


(2)国土交通省における今後の対応について
事務局から、本取りまとめを受けて国土交通省において以下の対策を講じていく予定であることが報告された。

 - IMOが発行している「荒天時の運航ガイダンス」を活用した危険回避のための操船について、平成22年4月に国土交通省から事業者に周知徹底を行っているが、運輸安全委員会の結論を受けて、再度周知徹底を図る。

 - これまで、フェリー・RORO船の貨物固定措置の設置義務付けは車輌・シャーシの輸送のみに適用されており、車輌甲板にコンテナを直接置いて輸送する場合には適用されていなかったことから、コンテナについても車輌・シャーシと同様の強度を有する固定措置を講じるよう義務付ける。

 - 上記の義務付けに併せ、車輌甲板でコンテナを輸送しているフェリー・RORO船の運航事業者に対し、各社においてコンテナの固定措置の強度評価・検証を行い、固定措置の強度を確保するよう指導を行う。

 - 外洋を航行するフェリー・RORO船の運航事業者※に対し、各社において車輌・シャーシの固定措置の強度評価・検証を行い、強度不足の場合は固定マニュアルの改善を図るよう指導を行う。

※ 外航航路及び内航の長距離航路(300km以上)を運航しているフェリー・RORO船の運航事業者。


以上


お問い合わせ先

国土交通省海事局安全・環境政策課専門官 大西泰史
TEL:(03)5253-8111 (内線43-533) 直通 5253-8631
国土交通省海事局安全・環境政策課 先光吉宗
TEL:(03)5253-8111 (内線43-545) 直通 5253-8631

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