報道・広報

シップリサイクル条約の批准に向けた検討会(第1回)の開催結果について

平成25年12月16日

 世界における船舶の解撤(以下、シップリサイクル)は、主にインド、バングラデシュ等の開発途上国を中心に実施されており、シップリサイクル施設における労働者の死傷事故や環境汚染等が問題視されてきました。2005年末の第24回IMO総会において新規条約の策定作業の開始が決議され、日本は世界有数の海運・造船国として、新規条約の起草作業を主導した結果、2009年5月15日に香港において「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」(通称、シップリサイクル条約)として採択されました。また、条約の施行に必要な各種ガイドラインは2012年10月に整備が完了し、条約の批准に向けた環境は整っております。
 このような状況の中、2013年11月15日にシップリサイクル条約に準拠するEU域内法改正が採択され、EU加盟国にシップリサイクル条約の批准を促すEU理事会決議の策定も進められております。また、関連業界等においては、条約の発効に先立ち、自主的に条約の一部を実施する動きも出始めております。
 これらの動向を踏まえ、我が国の条約批准に向けた検討を行うため、「シップリサイクル条約の批准に向けた検討会」(委員長:角洋一横浜国立大学大学院工学研究院教授)を設置しました。本検討会では、学識経験者、関係業界等から専門的・技術的見地に基づくご意見を伺い、条約及び関連ガイドラインに適合するための国内の法制度のあり方等を検討していくこととしております。第1回検討会を以下の通り開催しましたのでお知らせします。

1.開催日時

平成25年12月11日(水)13:30~15:00

2.開催場所

中央合同庁舎2号館15階海事局会議室

3.委員構成

添付資料のとおり

4.審議概要

(1)最近の国際動向
 最近の国際動向について、以下が確認された。
[1] インド・中国等においては、一部のシップリサイクル施設における環境・安全対策が進められるなど、条約の要件を満たすべく各種取組が開始されている。
[2] 条約に準拠するEU域内法案が今年11月15日にEU理事会にて採択され、12月10日にEU官報に掲載されている。12月30日に発効予定であり、今後EU諸国による条約の批准が加速化することが見込まれる。
[3] 同EU域内法には、シップリサイクル施設に関する要件が一部条約よりも厳しい内容があり、EU籍船を受け入れるシップリサイクル施設に適用される。今後それが国際的なデファクトとなっていく可能性があることから、関連の動向を注視する必要がある。

(2)国内関係者による取組
 条約に基づき船舶に搭載が義務づけられる有害物質一覧表(インベントリ)について、条約の発効前における国土交通省による有害物質一覧表の適合証交付、並びに(一財)日本船舶技術研究協会及び(一財)日本海事協会による有害物質一覧表の作成支援の紹介があった。また、新造船の有害物質一覧表の作成過程において、必要となる材料宣誓書に係る記載等の統一が図られていないこと等が報告されており、関係業界等における一層の周知啓蒙が必要である。

(3)今後の予定
 我が国の条約批准に向けた検討を進めるにあたり、条約の対象となりうるシップリサイクル事業者の実態を適切に把握するための調査を行うとともに、現状の関連国内法及びその運用状況を整理し、次回検討会にてその結果を基に更なる検討を進めていくこととなった。

お問い合わせ先

国土交通省海事局船舶産業課(全般) 日坂、寺師
TEL:03-5253-8111 (内線43-643、43-654) 直通 03-5253-8634 FAX:03-5253-1644
国土交通省海事局検査測度課(有害物質一覧表関係) 藤田
TEL:03-5253-8111 (内線44-157) 直通 03-5253-8639 FAX:03-5253-1644

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