平成22年1月22日
1.2009年の1年間に日本関係船舶(日本籍船及び我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船)が海賊等(海賊及び海上武装強盗)から受けた被害の状況について、我が国の外航海運事業者等からの報告を基に、以下のとおりまとめました。
[概要]
(1)発生件数
日本関係船舶で、2009年に海賊等の被害(単に船舶に乗り込まれたものを含む。)を受けた船舶は5件(前年:12件)ありました。
(2)発生場所
東南アジア周辺2件(前年:5件)アフリカ周辺3件(前年:5件)で発生しており、うち1件はソマリア沖において発生しました。
(3)被害状況
ソマリア沖では、ソマリア東方約900kmの海域(公海上)において、航行中の船舶が小型船から銃火器らしきものによって発砲を受け、操舵室やレーダーマストに数発被弾し、追跡を受けるという事案が1件発生しました。また、東南アジアでは、タイの沿岸付近(領海内)において、航行中の船舶が小型船から銃火器らしきものによって発砲を受け、居住区画に数発被弾し、追跡を受けるという事案が1件発生していますが、いずれも回避操船によって海賊の追跡を振り切っています。その他、シンガポール沖を航行していた船舶に対する襲撃では、武装した賊に日本人船長等が一時拘束され、金品等が奪われる事案が発生しましたが、それ以外は錨泊中に発生した軽微な事案となっています。なお、被害船に乗船していた全ての乗組員に怪我等はありませんでした。
船籍別の内訳としては、パナマ籍3隻、ドイツ籍1隻、ケイマン諸島籍1隻であり、日本籍船はありませんでした。
2.国際海事局(IMB)から、2009年の世界における海賊等に関する年次報告書(速報)が2010年1月14日に発表されました。同報告書の概要については、添付報道発表資料の別添4及び別添5をご覧下さい。