平成20年8月14日
ボンバルディア式DHC-8-400型機に係るカナダ航空局、ボンバルディア社等との会議の概要は以下のとおり。
なお、本会議は同型式機の我が国における信頼性の向上について、日加の関係者間で議論することを目的としたもので、平成18年4月のカナダ・トロント、昨年6月の東京における会議に次いで3回目のものです。
1.日時:平成20年8月13日(水)9:00~17:00
2.場所:国土交通省(中央合同庁舎3号館)11階 特別会議室
3.出席者
(航空局) 島村 淳 航空機安全課長 他 計10名
(カナダ航空局) デレック・ファーガソン耐空性担当課長
(ボンバルディア社)トッド・ヤング副社長 他 計8名
(航空運送事業者) JAL/ANAグループ会社 整備担当部長 他 計15名
4.議事概要
(1)我が国のDHC-8-400型機の事故・トラブルに対する取組み状況
我が国で発生した航空事故、重大インシデント及びイレギュラー運航について、ボンバルディア社が我が国運航者等と連携して実施した信頼性向上に向けた取組みの内容及び進捗状況の報告があり、出席者間で質疑応答が行われた。主な内容は以下のとおり。
○ ボンバルディア社から、設計の改善及び製造品質の向上を含むDHC-8-400型機の更なる信頼性向上に向けて取組んでおり、その結果、同様な不具合が減少しているとの報告があった。主な取組みの内容は以下のとおり。
・平成16年に高知空港で発生した滑走路逸脱(重大インシデント)を受け、ステアリング制御機器の設計改善を完了し、その換装のための技術通報を発行
・前脚の電気配線に係る設計改善を完了し、航空会社において順次改修中
・気象レーダーに係る設計改善を完了し、航空会社においても改良型レーダーへの換装を完了
・抽気系統の過熱検知スイッチについては、設計変更されたスイッチへの換装を行ったが、部品製造者での製造品質上の問題により不具合が再発。現在、改良品への換装を実施中。
・プロペラ制御装置を来年第一四半期までに改良し、改良品を供給予定
○ カナダ航空局及びボンバルディア社から、昨年3月に高知空港で発生した航空事故を受け、製造品質向上のため、着陸装置部分に限定せず、航空機全体の製造プロセス・不具合是正プロセスについて、図面、プロセス、工具、作業者教育等の面から改善を進めており、全般的には製造上の品質向上はなされてきているとの報告があった。
(2)航空局及び我が国航空会社から、カナダ航空局及びボンバルディア社に対し、依然としてトラブルが発生していることから、引き続きボンバルディア機の信頼性及び製造品質の更なる向上のための対策の徹底を強く要請した。また、ボンバルディア機の安全性を確保することが最大の責務であり、今後も引き続き緊密な関係を継続しつつ、同型機の信頼性向上に向けた取組みを進めていくことが確認された。
(3)12日に伊丹空港の滑走路上で発生した重大インシデント(エンジン損傷)については、航空局より原因究明と必要に応じ早急な対策を求めたところ、カナダ航空局及びボンバルディア社から、今後、エンジン製造会社であるプラット・アンド・ホイットニー社とともに、本件に関する航空・鉄道事故調査委員会の調査に協力したいとの表明がなされた。