大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年6月21日(金) 9:45 ~ 9:56
衆議院本館 議員食堂
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)「住まいのエンディングノート」について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
「住まいのエンディングノート」についてです。
現在、全国の空き家は900万戸に上り、大きな問題となっています。
空き家の半数以上が相続によって取得されており、この課題に的確に対応していくため、この度、国民の皆さまに住まいの将来を考えるきっかけとしていただくことを狙いとして、「住まいのエンディングノート」を作成しました。
このノートは、現在お住まいの「我が家」が、相続などのタイミングで空き家となり、放置されてしまうといったことがないよう、あらかじめ所有者やその御家族で将来の「我が家」の「活かし方」・「しまい方」を話し合っていただくためのものです。
このため、現在どのような建物・土地を所有しているか、これらをどうしたいかなどの情報を記入できるものとなっています。
作成にあたっては、日本司法書士会連合会と、全国の自治体等からなる全国空き家対策推進協議会との共同で進めてまいりました。日頃から不動産登記や相続の相談を受ける司法書士の方々や、地域をよく知る市町村の方々と一緒に作成したことで、より使いやすい内容となっていると思います。
このノートを多くの方々に御活用いただき、空き家対策をさらに進められるよう、今後、国土交通省、日本司法書士会連合会、自治体でしっかりと連携し、3者で周知・啓発に努めていきたいと思います。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
「住まいのエンディングノート」ですが、13ページにわたっています。
このノートは誰々が何年何月に書きます。
また、住まいをお持ちの皆さまへ、今地域や家族に迷惑をかけてしまう放置空き家の存在が社会問題になっています。
放置空き家にしないため、「しまう」、「活かす」の行動を御家族一緒に今から考えてみませんかというものです。
中身はいろいろお役に立つものになっています。
詳細は説明しませんが、まず自分が持っている物がどんな物を持っているのか、いわゆる相続の関係のそれぞれの姻戚関係はどうなっているかということをもう一度認識する等いろいろな13ページですが、そういう内容なので、是非御活用いただければと思います。私からは以上です。

質疑応答

自動物流道路について

(記者)

自動物流道路について1点お伺いします。
本日国土交通省の有識者会議で、自動物流道路の検討の中間とりまとめ案が議論される予定です。
10年後の整備実現を目指して、総理から今夏の想定ルートの選定の指示も出ていますが、2024年問題の懸念も深まる中で、あらためて自動物流道路への期待についてお伺いさせてください。

(大臣)

自動物流道路については、本年2月に設置した検討会において、有識者の方々や関係事業者から、幅広く御意見を伺いながら議論を進めており、本年夏頃を目途に中間とりまとめを予定しています。
今後、人口減少が見込まれる我が国において、物流などの社会インフラを維持し、持続的な発展を実現するためには、デジタルを活用して、自動運転を社会実装し、道路ネットワークの多機能化を図る「自動物流道路」構想を実現することが、大変重要であると考えています。
この取組は、物流危機への対応のみならず、温室効果ガス削減や、旅客輸送を含む社会全体の利便性・生産性向上にもつながるものと考えています。
検討会での議論も踏まえ、スピード感を持って、検討を進めてまいります。
この自動物流道路というのは、ある意味で、物流の抜本的な大改革につながるものですので、しっかりとこれを進めていきたいと思います。

一般道での自動運転について

(記者)

本日、骨太の方針が閣議決定されましたが、この中で自動運転について、今年度に100箇所程度、実施や計画を策定しますと、2025年度には全ての都道府県で通年運行というものを、実施、策定していくという文言が入っていますが、国土交通省として自動運転、どのように取り組むのかお考えをお聞かせください。

(大臣)

今年度100箇所、そして来年度全都道府県での計画ということで、しっかりと進めていたいと思いますが、いわゆる骨太の方針については、現在、閣議決定に向けた最終調整が行われているところと認識しています。
お尋ねの自動運転移動サービスについては、交通事故の削減や、ドライバー不足の解消、高齢者をはじめとした地域住民や観光客の「移動の足」の確保策として効果が期待されています。
国土交通省では、一般道での自動運転について、2024年度に約100箇所で計画・運行、2025年度に全都道府県で通年運行の計画策定または実施、これを目指しています。
2022年度から支援事業を実施しまして、今年度は全都道府県で計99件の事業を採択することとしています。
また、2か月での審査完了を目指し、[1]ガイドライン策定による審査内容の明確化、[2]デジタル化の徹底、[3]伴走型できめ細やかな支援体制の構築の3点を進めることにより、地域限定型の自動運転移動サービスの全国展開を促進してまいります。
このほか、2026年と見込まれる自動運転タクシーの実装に向けては、ビジネスモデルに対応した規制緩和や、安全や事故時の補償といった観点から制度化を進めます。
これらの取組により、自動運転の社会実装・事業化を確実に着実に進めてまいります。

オーバーツーリズムについて

(記者)

観光関連でお伺いいたします。
いわゆるオーバーツーリズム、各地で今課題になっているかと思いますが、かなり地方都市の思わぬ場所が大人気になって一方で弊害が起きているような、いわゆるゴールデンルートと言われるような、都市だけではなくて細分化されているなと感じております。
オーバーツーリズムに関する大臣の受け止めや、国土交通省全体として観光庁として、取り組んでいくことについてお聞かせください。

(大臣)

インバウンドでたくさんの外国の方に日本に来ていただく、コロナ禍前を上回る回復基調にあること、非常に喜ばしいことだと思っていますが、同時にオーバーツーリズムの問題が非常に大きな課題だと認識しています。
国内外の観光需要が急速に回復する中、一部の地域や時間帯においては、混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下といった懸念が生じています。
こうした課題に対処し、持続可能な観光地域づくりを実現するため、昨年10月の観光立国推進閣僚会議において、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」が決定されました。
このパッケージを踏まえ、さらに、各地域における具体的な取組を総合的に支援すべく、今年3月にオーバーツーリズム対策の「先駆モデル地域」として全国の20地域を採択したところです。
これらの地域では、地域の関係者による協議を踏まえ、各地域の実情に応じた取組が進められる予定です。
例えば、京都市では、一般の路線バスに加えて、通常よりも高い運賃で、京都駅と主要観光スポットをダイレクトに結ぶ「観光特急バス」が、今月より運行されています。
また、富士山の吉田口登山道では、来月より、1日4000人を上限とする通行規制や、1人2000円の通行料を追加で徴収する取組が行われます。
国土交通省としては、「先駆モデル地域」における取組で得られた知見を全国に展開させることなどにより、地域の実情に応じたオーバーツーリズムに対する具体的な取組を促進し、観光客の受け入れと地域住民の日常生活、生活の質の確保が両立するように、しっかりきめ細やかに、各地域の事情に応じて対応していきたいと思います。

航空機燃料不足について

(記者)

航空についてです。
ジェット燃料の給油が受けられずに、新規就航や増便が一部出来ない事態が出てきているということですが、この原因も含めた現状の認識と、国土交通省としての対応をお聞かせください。

(大臣)

今お尋ねのように、インバウンド需要が急速に回復している中で、国内空港において、国際線の運航にあたって必要となるジェット燃料の供給が困難となり、外国エアラインの新規就航や増便を断念する事例が生じていることは承知しています。
この問題に対して、官民の関係者が一丸となって緊急対策を検討するため、経済産業省と合同で「官民タスクフォース」を新たに設置しました。
今月18日、第1回目の会合を開催したところです。
会合では、この問題が生じた主な背景として、1番目にガソリン等の需要減により、製油所の統廃合が進んでいること、2番目に製油所の統廃合により輸送距離が増加するなど、内航船やタンクローリーの輸送体制に課題が生じていること、3番目に需要急回復の局面にあり、外国航空会社から石油元売会社への供給依頼が直前となった際には、手配できない場合が生じること、などが明らかとなったところです。
国土交通省としては、引き続き、「官民タスクフォース」をはじめ、経済産業省や関係事業者と連携して、対策の検討を進め、ジェット燃料の円滑な供給に支障が生じないよう、スピード感を持って対応していきたいと思っています。
非常に大きな問題だと思っていますので、しっかり外国の航空会社が入るのを断念することがないようしっかり対策を打っていきたいと思います。

ページの先頭に戻る