大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年5月10日(金) 8:37 ~ 8:46
衆議院分館 4階エレベーターホール前
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)ベトナム・シンガポールへの出張について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
先月28日(日)から今月2日(木)にかけて行った、ベトナム及びシンガポールへの海外出張についてです。
まず、ベトナムでは、タン交通運輸大臣と会談を行い、我が国企業が参画を目指す事業に関するトップセールスとともに、鉄道、道路など我が国企業が参画している既存事業の未払いや手続き遅延に関するトップクレーム等の政策協議を行いました。
また、国土交通省とベトナム社会主義共和国交通運輸省との間で「交通分野における包括的な協力覚書」の署名式を行い、両国の国土交通分野における一層の協力を確認しました。
次に、シンガポールでは、チー運輸大臣及びコー持続可能性・環境省上級大臣と会談し、海事・港湾分野におけるグリーン・デジタル海運回廊の設立に向けた議論をはじめ、国土交通分野における両国間の協力について意見交換を行いました。
さらに、次回のICAO理事会議長選挙において、アジア太平洋地域からの初の議長を目指す、国土交通省航空局大沼(おおぬま)次長の議長当選に向けた働きかけを行いました。
この他、両国において、日本企業が受注し、施工中の事業現場も視察させていただき、改めて我が国企業の質の高いインフラ展開の状況をこの目で確認させていただきました。
今回の出張により、グローバルサウス各国との協力関係を一層深めることができたことに加え、両国の政府要人に対して、我が国インフラの海外展開の働きかけなどを行うことができ、非常に有意義なものになったと考えています。
後ほど資料を配付します。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

自家用車活用事業について

(記者)

自家用車活用事業の開始から1か月が経ちまして、改めてこの事業の意義と見えてきた課題と、国土交通省としての今後の対応をお聞かせ願えればと思います。

(大臣)

自家用車活用事業は、地域交通における「担い手」や「移動の足」の不足という課題に対応するため、タクシーサービスを補完するものとして制度化したものです。
東京、京都では、4月8日に運行が開始され、その後、横浜、名古屋、軽井沢でも運行が開始されています。
これまでの実績としては、5月5日までに、先ほど申し上げた五つの地域において、許可事業者は128者、のべ稼働台数は2283台、のべ運行回数は1万2628回という状況です。
また、各地域のマッチング率については、タクシードライバーの増加の効果もあり、昨年10月から12月のデータと比較して、概ね改善されているところです。
このように、自家用車活用事業は、「担い手」や「移動の足」不足の対策として、一定の効果が発揮されつつあるのではないかと認識しています。
一方、この事業が開始されてから間もないこと、また、多くの地域はまだ準備段階にあることから、その効果を現時点で評価することは適切ではないと考えています。
引き続き、この事業のモニタリングを行い、データを検証しながら、地域の「移動の足」の不足を解消するため、制度の改善を行っていきたいと思っています。

北海道新幹線札幌開業の延期について

(記者)

北海道新幹線の2030年度の札幌開業が困難であると、鉄道・運輸機構が一昨日、大臣に報告しました。
2015年1月の政府・与党申合せで、開業の5年前倒しが決まりましたが、当時の判断は妥当だったか見解をお聞かせください。
また、新たな開業時期について、早期に示してほしいとの声が地元自治体や経済界から上がっています。
国土交通省としてどう対応していかれますか。

(大臣)

北海道新幹線(新函館(しんはこだて)北斗(ほくと)ー札幌間)については、平成24年の認可以降、工事を進めてきていますが、一昨日、建設主体である鉄道・運輸機構としては、2030年度末の完成・開業は極めて困難であると判断した旨の報告がなされたところです。
この要因としては、トンネル工事において、掘削開始前における発生土受入れ地の確保の難航、掘削開始後における予期せぬ巨大な岩塊の出現や想定を上回る地質不良などによるものとの報告を受けていますが、これらについては完成開業時期の5年前倒しを内容とする政府・与党申合せがなされた平成27年当時には想定されていなかったところです。
一方で、本事業について地元関係者等の大きな期待があるところであり、それを踏まえて、この報告内容が合理的であるのか、講じることができる方策がないか、今後、有識者会議を開催しながら精査を進めていくこととしています。
このため、開業目標に関する今後の見通しについては、現時点でいつ頃になるか示すことは困難な状況ですが、できるだけ早期にお示しできるよう努めていきたいと思います。
国土交通省としては、地元自治体等の関係者にも丁寧に説明を行い、引き続き、関係者の皆さまと協力をしながら、北海道新幹線の着実な整備に努めていきたいと思います。

JR北海道への財政支援について

(記者)

もう1点関連して、国土交通省はJR北海道への財政支援を30年度まで実施する方針ですが、この延伸延期を受けた31年度以降の対応についてお聞かせください。

(大臣)

JR北海道においては、2030年度末の北海道新幹線延伸開業を機に経営自立することを目標に掲げていますが、国土交通省としては、まずは、先般の監督命令を踏まえて今年3月に策定された中期経営計画に基づき、令和8年度(2026年度)までの間に経営改善に向けた取組を一層深度化及び加速化していただくことが、何より重要と考えています。
御指摘のとおり、国鉄債務等処理法において、JR北海道などへ支援を行い得る期限は令和12年度(2030年度)と規定されており、国土交通省としては、現在、JR北海道の中期経営計画期間内の取組に対する支援を行っているところです。
北海道新幹線については先ほどお答えしたとおり、全体工程を精査し、開業目標に関する今後の見通しについて検討することとしています。
お尋ねのJR北海道に対する2031年度以降の対応については、JR北海道の経営改善の状況や北海道新幹線の状況等を踏まえつつ、今後検討していくことになるものと考えています。

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