大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年3月17日(金) 9:18 ~ 9:30
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)道路除雪費の追加支援について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告することはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、道路の除雪費用に関する地方公共団体への追加支援についてです。
この冬は年末の大雪や、年明け後の「10年に1度クラス」と言われた寒波の流入などにより、地方公共団体では多くの除雪費が必要となっています。
このため、先月(2月)21日に、例年3月に行っている除雪費の追加支援を前倒しして、約120億円の追加配分を行いましたが、その後の調査結果も踏まえ、本日、更なる追加支援として、地方公共団体に対し、349億円を配分することとしました。

(大臣から)台風14号(令和4年9月)で被災した球磨大橋の対応について

(大臣)

2点目は、熊本県の一般県道(かく)()(いち)()球磨(くま)大橋の権限代行の実施についてです。
昨年9月の台風第14号に伴う大雨により、熊本県管理の「球磨(くま)大橋」が被災し、現在も通行止めを余儀なくされています。
現在、熊本県により今月26日の通行再開を目指し、仮橋等による応急復旧を進めていますが、本復旧には高度な技術力が必要であり、今週13日(月)に、(かば)(しま)熊本県知事から、国による権限代行の御要望があったことから、本復旧を国において実施することとしました。
復旧にあたっては、引き続き、地域の皆さまの御協力を頂きながら、国土交通省の現場力を最大限発揮し、総力を挙げて取り組んでいきたいと思っています。
以上、2点報告させていただきました。

質疑応答

三菱スペースジェットの開発中止について

(記者)

スペースジェットについてお伺いします。
新たな基幹産業としても期待されたスペースジェットが計画中止となりました。
一因として国際的な型式証明が受けられなかったことが上げられ、その背景には国土交通省の経験不足があったとも考えられていますが、大臣のお考えをお聞かせください。

(大臣)

三菱スペースジェットの開発プロジェクトについては、先月7日に、三菱重工業から、プロジェクトの事業性、持続可能性の見通しが立たなくなったことから、開発の中止に至った、との発表がありました。
お尋ねの型式証明の審査については、国土交通省は、このプロジェクト開始前から、輸入される大型旅客機(りょかくき)や国産の回転翼航空機などの型式証明を通じて、経験・ノウハウを蓄積してきたところです。
また、このプロジェクト開始後も、安全性に関する審査が円滑に進むよう、審査組織を開発拠点である名古屋に設置し、審査要員も約70名に順次拡大するとともに、米国の航空当局と技術審査に関する協議を継続し、認識や知見の共有を図ってまいりました。
その結果、旅客機の製造国として型式証明を継続的に実施している米国の航空当局からも、我が国の審査能力に対して高い評価を受けています。
今回、三菱スペースジェットの開発が中止となったことは残念ですが、このように型式証明の審査について十分な能力を有していると考えています。

鉄道駅バリアフリー料金制度の実施について

(記者)

明日、複数の首都圏の鉄道会社が、国の鉄道駅バリアフリー料金制度を使って 運賃に10円の上乗せをスタートさせます。
この制度の導入状況ですとか導入によってバリアフリーが進むことへの大臣の期待をお願いします。

(大臣)

明日(18日)から、首都圏の鉄道事業者7社において、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用した新たな運賃となります。
この料金制度については、この7社のほか、鉄道事業者9社が事前届出を済ませており、今後、この制度を活用して、鉄道駅のバリアフリー化がより一層加速していくことを期待しています。
国土交通省としては、都市部においては、この制度を活用いただくとともに、地方部においては、引き続き、予算の確保に努め、バリアフリー推進のための支援措置を重点化することにより、全国の鉄道駅のバリアフリー化を加速していきたいと思っています。

相鉄・東急直通線の開業について

(記者)

明日(18日)、相鉄・東急横浜線が開業します。
東京・神奈川・埼玉を結ぶ広大なネットワークが出来上がると思いますが、これによる効果について、大臣のお考えをお聞かせください。

(大臣)

明日、3月18日に、相鉄・東急直通線が開業します。
私も、先日これに先だって行われた開通式に参加をさせていただきました。
この相鉄・東急直通線の開業により、神奈川県から都心を経由して埼玉県に至るまで広大な鉄道ネットワークが形成されます。
特に、東京・大阪間の大動脈である東海道新幹線の新横浜駅に乗り換えなしでアクセスすることが可能となり、沿線の利便性は飛躍的に向上します。
また、まちづくりの観点からも、新駅である新綱島(しんつなしま)駅周辺で再開発事業が進められているように、この開業が沿線の更なる「まち」の発展にも寄与するものと考えています。
今回の相鉄・東急直通線の開業により、新たに多くの人々の交流が生まれ、沿線地域の活性化に繋がると、期待しているところです。

福岡県大任町における公共工事の入札結果の扱いについて

(記者)

福岡県大任町(おおとうまち)の入札公示結果のことについてお伺いしたいのですが、町民の安全のためということで、公共工事の入札結果の非公表を福岡県大任町はしていましたが、先日一転して、4月以降から公表することを決めました。
これに対する受け止めと、今年3月以前の入札結果も幅広く情報公開するべきと思うのですが、国土交通省としてどのように対応されるのでしょうか。

(大臣)

福岡県大任町が公共工事の入札結果を非公表としていることについては、昨年の会見でも申し上げましたが、国土交通省では、警察庁とも連携しながら、改善の働きかけを行ってきました。
町が4月以降に公表を再開する旨を発表したことは承知しており、お尋ねの3月分までの情報についても、公表すべきものと考えています。
詳細については、事務方にお尋ねください。

大成建設の施工不良事案への対応について

(記者)

大成建設が札幌中心部で建設していたビルで施工不良と虚偽申告が発覚しました。
このまま建物が完成した場合、建築基準法に違反する恐れがあるとして事業主が建て直すことを決めたのですが、この件について大臣の御見解と国土交通省の対応をお願いします。

(大臣)

大成建設が札幌市で施工中の民間建築工事において、施工不良が発覚したこと等を受け、既施工部分を撤去する等して再構築することとなったことは聞いています。
同社に対しては、発注者としっかりと協議・調整を行い、適正な施工を確保するよう、伝えているところです。

三菱スペースジェットの開発中止について

(記者)

先ほどのフォローアップクエスチョンなのですが、先ほど国土交通省の経験不足があったのではないかとの質問に対して、審査については十分な能力を有していると考えているとのお答えだったと思いますが、もう一度重ねてお伺いしますが、審査能力は十分あったと、なので経験不足ではないということでしょうか。

(大臣)

審査能力は十分にあったと先ほど御説明したとおりです。
そして、経験については、これまで生産国ではありませんでしたので、そういう意味での経験は他の例えばアメリカ等に比べて少ないことは事実ですが、しかし、現地で開発者と密に情報交換連携しながら行っていました。
いわゆるそういう意味で経験国であるアメリカともよく連携していまして、そのアメリカからもそのプロセスの進め方についても評価をいただいたと、評価しています。
そういう意味で経験不足ではないと思っています。

ページの先頭に戻る