大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年1月13日(金) 10:01 ~ 10:13
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

ジェットスター緊急着陸事案について

(記者)

今月7日、ジェットスタージャパンの旅客機が爆破予告を受ける事件があった件について伺います。
旅客機は福岡に向かう途中で中部国際空港に緊急着陸し、これによってけが人が出たほか、三連休の最中で多くの人の移動に影響が出ました。
これについて大臣の所感をお伺いします。

(大臣)

1月7日早朝、成田発、福岡行きのジェットスター便に対し爆破予告の電話があり、中部国際空港に緊急着陸しました。
また、誘導路上において、当該機から非常用スライドを使用して乗員・乗客を避難させた際、数名の方が負傷しました。
非常脱出により負傷者が発生したことや、滑走路の一時閉鎖に伴い欠航等の影響が生じたことは大変残念ですが、実際に爆弾が仕掛けられているリスクを考慮し、早期脱出を優先した結果であると認識しています。
国土交通省としては、爆破予告を受けた後の空港会社や航空会社の対応について、関係者から国の指針等に沿って対応が取られていたとの報告を受けていますが、負傷者が発生したことを受け、現在、航空会社への安全監査を行っており、その結果等を踏まえ、当該社を含む本邦航空会社への指導等を行ってまいりたいと考えています。

(記者)

この件について、成田空港に爆破予告があったのが午前6時20分頃でした。
航空会社への連絡まで30分以上要し、連絡が実際に航空会社にあったのは既に離陸した後でした。
これについて連絡が遅いのではという指摘も一部で上がっていると聞いていますが、今回の一連の対応についてどのようにお考えでしょうか。

(大臣)

事案の詳細については、模倣を誘発するおそれがあることなどからお答えできませんが、関係する空港会社や航空会社においては、国の指針等に沿って対応が取られていたことを確認しています。
これらの対応について、特段問題はなかったと考えていますが、今回の事案を踏まえて、改善すべき点がないか、不断に見直しを行ってまいりたいと思っています。

港湾運送事業について

(記者)

福岡市が管理する博多港の港湾施設が、転貸しされていた問題について伺います。
福岡市は国が許可した港湾運送事業者に限って港湾施設を貸していますが、今回の「博光(はっこう)運輸(うんゆ)」については、九州運輸局が港湾運送事業の許可基準を満たしていないとして2019年度から行政指導を繰り返してきました。
にもかかわらず、荷役を別の業者に下請けさせている実態や従業員不足など許可基準違反の状態は依然として改善されませんでした。
こうした現状に対して、国土交通省としてどのように対応していくのでしょうか。
また、九州運輸局は現在、事業改善命令を博光運輸に出していますが、期限内に同社が許可基準を満たせない場合は許可取り消し等も考えているのでしょうか。

(大臣)

博光運輸に対しては、これまでも文書での警告や指導などを行ってきましたが、改善が見られないことから、昨年9月に臨時監査を実施し、その結果を踏まえ、事業改善命令を発出したところです。
国土交通省としては、今後、事業者から提出される予定の事業改善報告書の内容を踏まえ、厳正に対応してまいりたいと思います。

(記者)

関連してもう1点ですが、国は港湾運送事業の規制緩和を目的として、2000年に免許制から許可制に切り替えました。
ただ、新たに設定された従業員数などの許可基準を満たすことが難しいこと等から新規参入のハードルは非常に高く、博多港では新規参入がずっとゼロの状態が続いています。
こうした硬直した状態が長年続いたことが、今回の既存事業者の既得権益となり、九州運輸局の行政指導を受けても博光運輸の違反状態が長年改善されない要因になった可能性が高いものと思われます。
こういったことについて制度の見直しだったり、新たな改善策などがあれば教えてください。

(大臣)

港湾運送事業はかつての免許制から段階的に規制緩和が行われており、平成18年以降は施設や労働者数などの基準に適合すれば、原則として自由に参入できる制度となっています。
規制緩和後、全国で50者を超える事業者が新たに参入しています。
また、御指摘のあった博多港においても、既に撤退はしていますが、1者の事業者が参入した実績があるなど、一定の効果は出ていると考えています。
現在のところ、制度の見直し等を検討する予定はありません。
今後も、新規許可の申請があれば、適正に審査を行ってまいりたいと考えています。

リニア中央新幹線について

(記者)

JR東海が金子(かねこ)(しん)社長の後任に丹羽(にわ)俊介(しゅんすけ)副社長が4月1日付けで昇任する人事を発表しました。
JR東海が計画するリニア中央新幹線を巡っては、静岡県が県内工区の着工を認めていないなど、開業の見通しが立っていません。
改めてですが、リニア中央新幹線整備に向けたJR東海への関わり方であったり、期待感などを教えてください。

(大臣)

最初にJR東海の社長の交代について言及がありましたが、社長の交代につきましては、民間の人事であることから、コメントは差し控えます。
JR東海に対しての基本的な考え方ということですが、未着工である静岡工区については、国の有識者会議において、大井川の水資源への影響に関する中間報告をとりまとめた上で、現在、生態系などの環境の保全について、科学的・客観的な観点から、専門家による議論を進めているところです。
また、リニア中央新幹線の開業を見据え、リニア開業後の東海道新幹線の需要動向に基づく静岡県内の駅等の停車頻度の増加の程度や時間短縮効果の可能性等に関する調査については、本年夏をめどに一定のとりまとめを行いたいと考えていまして、既に調査を始めました。
国土交通省としては、引き続き、JR東海に対し、静岡県や地域の方々と向き合い、地域の御理解と御協力が得られるよう指導するとともに、静岡県そして東海地方の発展に資する交通利便性の向上や地域活性化についても、関係自治体やJR東海と連携して対応してまいりたいと考えています。
基本的姿勢は、まったく国土交通省として変わっていません。

自賠責について

(記者)

本日午後、金融庁で自動車損害賠償責任審議会が開催される予定です。
これについて、新たな賦課金制度の導入が決定しましたが、審議会での説明を経て国土交通省の検討会で具体的な金額が決まるのだと思います。
審議会で国土交通省はどのような御主張をされるつもりでしょうか。
また、具体的な金額をきちっと決めたうえで、審議会に臨むのが筋ではなかったかと思うのですが、この辺の手順についてどうお考えでしょうか。

(大臣)

本日、金融庁に設置されている審議会が開催され、自賠責保険料率に関する検証結果などについて議論が行われますが、今日、来年度の自賠責保険料率が決定されるものではないと承知しています。
また、国土交通省は、この審議会にオブザーバーとして参加しており、本日の会議では、現在、国土交通省の検討会で行っている賦課金の検討状況について、報告する予定です。
従いまして、今仰ったようにきちんと国土交通省の賦課金の金額を明示して、それを受けて検討いただいて、最終的に決まるという手順が生まれるものと私は考えています。

(大臣)

最初の質問にちょっと補足をさせていただきますと、なぜ、いわゆる爆破予告事案について、きちっと報告しないのかということですが、爆破予告のような不法妨害行為に関する情報については、これを防止するための手順や体制の詳細を類推させないこと、模倣を誘発させないこと等の理由から、詳細についてはお答えは差し控えさせていただいている、こういう大きな背景があるということも、是非御理解を賜りたいと思います。

ページの先頭に戻る