大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年6月7日(火) 9:20 ~ 9:34
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)冒頭1件、御報告させていただきます。
外国人観光客の受入れ対応に関するガイドラインについてです。
6月10日からの、添乗員付きパッケージツアーの受入れ開始に向けて、本日、外国人観光客の受入れ対応に関し、旅行業者や宿泊事業者等が留意すべき点をまとめたガイドラインをとりまとめましたので、公表し、関係者に周知していきたいと思っています。
このガイドラインでは、観光庁が実施した「訪日観光実証事業」で得られた知見も反映して、一つに感染拡大防止のために留意すべき事項、二つ目に陽性者発生時を含む緊急時の対応に関し、ツアーの造成から終了に至るまでの各段階で、旅行業者等の観光関係者が取るべき対応について整理しました。
訪日観光の再開にあたっては、受入れ地域の皆さまの理解や安心感の醸成を図ることが必要である旨、申し上げてまいりました。
特に旅行業者等を中心に、今回策定したガイドラインの内容を十分理解し、遵守していただくことが、円滑な訪日観光の再開や、その後の受入れ拡大にもつながるものと考えています。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)ガイドラインについて、外国人観光客の受入れ再開に向けて経済活性化を目指す中では感染抑止も必要となってきますが、このガイドラインを活用して観光需要の回復にどう取り組んでいくのかお考えをお願いします。
(答)訪日観光については、コロナ前の2019年における訪日外国人旅行者数は3,000万人を超えていました。
旅行消費額は4.8兆円にのぼっていました。
我が国の経済活動や地域活性化にとって極めて重要な分野だと思っています。
訪日観光の再開に当たっては、先ほどの繰り返しになりますが、受入れ地域の皆さまの理解や安心感の醸成を図ることが必要です。国土交通省としては、今回策定したガイドラインを観光関係者へ広く周知していくとともに、旅行会社をはじめとする観光関係者におかれては、ガイドラインの内容を十分理解し、遵守していただくよう、重ねてお願いをしたいと思います。
観光関係者による着実な取組が、円滑な訪日観光の再開や、その後の受入れ拡大につながるものと考えています。
今後も感染拡大の防止と社会経済活動のバランスをとりながら、訪日観光を含め、観光需要の回復にしっかり取り組んでいきたいと決意しています。
 
(問)国内の旅行需要喚起策についてお伺いします。
6月末から7月にも、現在中断されている「Go To トラベル」が再開されるのではないかという観測や、あるいは、現在対象を限定している「県民割」についてですね、全国に広げた上でGo Toの代替とする複数の案が検討されていると伺っております。
改めて大臣から、現在の検討状況と、何らかの施策を再開するにあたってのタイミングであるとか、お考えについて改めてお願いします。
(答)現在、県民割支援の対象に隣接県や地域ブロックを追加し、需要喚起の取組への支援を講じているところです。
今後の更なる観光振興策については、感染状況等を見極めつつ、関係省庁や専門家の意見も伺って、引き続き、注意深く検討していきたいと思っています。
また、新たなGo To トラベル事業の実施については、旅行者と地域の双方の安全・安心をしっかり確保する必要があり、感染状況がその時点で落ち着いていることが大前提です。
現在の感染状況については、6月1日の厚生労働省の専門家会議において、「新規感染者数が減少傾向にあり、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、一部の地域では、80歳以上で増加傾向が見られるなど、今後の感染状況について、引き続き注視が必要」と評価されています。
新たなGo To トラベル事業の実施についても、全国における感染状況等を見極めつつ、関係省庁や専門家の意見も伺って、引き続き、注意深く検討してまいります。
 
(問)賭博に関して1点お伺いしたいのですけれども、経済産業省の方でスポーツ賭博の解禁という案が浮上しております。
国土交通大臣として競艇など、賭博の所管もあると思うのですが、賭博の拡大・解禁についてどのように考えていらっしゃるか、一言お聞かせください。
(答)その様な報道があることは今朝、見ました。
すいません、私、所管外でございますので、国土交通大臣としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 
(問)川崎(かわさき)市のコンクリートメーカーが、古いものと新しいものを混ぜたコンクリートを出荷した問題で、今のところ国土交通省が把握されている現状と大臣の所感をお願いいたします。
また、建物で直ちに安全に影響がある建物があるのかどうか、お願いいたします。
(答)川崎市内の生コン会社において、JIS規格に適合しないコンクリートが出荷されたことについては、誠に遺憾だと思っています。
生コンクリートの品質の多くの主要な部分を、いわゆる時間管理が占めています。
そういう意味では、本当にありえない話だと思っています。
生コンの時間管理だけでこれまで博士論文が何本も出て、博士号が何本も出されているくらい、生コンの時間管理は品質の本当に重要なところを占めますので、本当に遺憾なことだと思っています。
当該生コン会社からは、東京都・神奈川県の30の現場において、不適切な生コンを出荷した可能性があると報告を受けています。JISの生コンについては、通常、90分以内に打設する必要があることから、不適切な生コンが打設された現場は川崎市周辺に限られるものと考えています。
建築基準法上、基礎などの部分に使用されるコンクリートは、所要の強度を有することのほか、耐久性等の一定の品質を担保するため、JISの基準に適合又は国土交通大臣の認定を取得した生コンクリートを使用することを求めています。
現在、出荷先の現場を所管する特定行政庁において、生コンの使用部位や当面の安全性についての調査を進めているところです。
国土交通省としては、特定行政庁と協力して調査を進め、建築基準に適合するよう改修等の措置がなされるよう対応していきたいと思っています。
 
(問)先程、大臣が冒頭で仰られたガイドラインについて、訪日実証事業の中でも実際に感染された方が出られて、対応もされたと思うのですけれども、ガイドラインの中で訪日実証事業の結果が活かされた部分ですとか、あと特に大臣がここは特に気をつけていただきたいとか、そういった点がありましたら注意喚起も含めてお願いいたします。
(答)今回の実証事業の中で陽性者が出てこられ、そのツアーは中止となりました。
この体験も実証事業として行った訳ですので、その事象も非常に参考にさせていただきながらガイドラインを作ったところです。
お医者さんへのアクセス、また、その場での多言語対応。今回の場合は添乗員の方に大変御努力いただいた訳ですが、そういう時にどういう注意が必要かということも今回の事例の中で明らかになりましたので、それを反映しています。
それから、特に国会の議論でもありましたけれども、マスク着用について、例えば今回、マスクについては必要であるということは十分理解されていた反面、外してもよい場面が分かりづらかったという点が指摘されています。
そいういう意味では、マスク着用が不要な場面についても例示を記載する。
例えば、入浴する時もマスクをつけて入られようとした方がいらっしゃったという話を聞き、これはもう少し分かりやすく例示していかなくてはいけないのではないかということで、添乗員からこまめに注意を行うことが効果的であった点も報告されていますので、添乗員からの場面に応じたこまめな注意が効果的である旨を記載させていただくことになっています。
それから、ツアー開始時の新たな旅のエチケットというものを多言語対応で作りました。
絵をたくさん使って、これらが非常に有効であったということですので、絵・ピクトグラム等を有効に使う形でガイドラインを作ることも考えています。
その他にもいろいろありますけれども、濃厚接触者となられた方々の宿泊。
今回の場合はそのままそこに滞在したかったけれども、今回はそれが叶わないということで、別のホテルに滞在をしていただいた訳ですけれども、その時、どのように丁寧な対応をしていくかもポイントで、旅行代理店はあらかじめ業務上の取引関係がある宿泊施設等に対して協力を依頼しておくことが望ましい旨、その様なことも記載していきたいと思います。
これはほんの一例ですけれども、こういう形で今回の実証事業がガイドライン作成に大変役に立ったと考えています。

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