大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年4月12日(火) 9:16 ~ 9:27
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
 

質疑応答

(問)アメリカ軍の普天間基地の移設計画をめぐって、沖縄県が防衛省の設計変更に対して不承認を出したことを改めて国土交通省がその不承認を取り消しました。
そのことに至った理由や大臣の受け止めを教えてください。

(答)本件審査請求については、行政不服審査法上の審査庁として、法の規定に基づき沖縄防衛局及び沖縄県の双方からの主張や鑑定書を踏まえ検討した結果、地盤改良工事や護岸等の安定性が適切に検討されていること、適切な環境保全措置が行われていること、などから変更承認申請の要件を充足しないなどとした沖縄県の判断は違法かつ不当であると判断し、不承認処分を取り消すとの裁決を行いました。
また、沖縄県の不承認の判断に理由がなく、本件申請は承認されるべきものと認められることから地方自治法の規定により承認するよう勧告を行うこととしました。
今後、今回の裁決および勧告の趣旨を踏まえて、沖縄県において適切に対応いただきたいと考えています。

 

(問)昨日発表のあった、JR西日本のローカル線の収支発表についてお伺いします。
今後の議論の進展次第では、バスなどの他のモード転換への議論に発展することも考えられます。
こういった先行きに対して自治体、住民の方からは一部、不満をもって受け止められるような動きもあるのですが、今回の発表について大臣の受け止めと今後国土交通省としてこういった議論にどう関わっていくのか、お考えをお聞かせください。

(答)昨日、JR西日本が輸送密度2000人未満の線区について、線区別の収支率などを公表したことは承知しています。
JR西日本からは、地域の方と各線区の実態や課題を共有し、持続可能な地域交通体系の実現について議論を行っていく必要があるため、線区の経営状況に関する情報開示を行うこととしたものであり、事業の休廃止など路線の見直しを行うためのものではないと聞いています。
ローカル線の問題については、地域の関係者が一体となって、利用者にとって利便性と持続性の高い地域モビリティの再構築に取り組むことが必要であり、その際、鉄道事業者がローカル鉄道の利用状況や経営状況を明らかにしていくことは、有意義なことと考えています。
他方、各ローカル鉄道の置かれた状況や利用形態は地域により様々であり、輸送密度2000人未満であることをもって一律に取り扱うことは適当ではないと考えています。
このため、JR西日本には引き続き、通勤・通学、観光など各線区の利用客の実態、路線全体や大都市部の輸送動向などを含む、いわゆる内部補助に係る事情の変化などについても、情報を共有することにより、地域との対話を円滑に進めることを期待しています。
国土交通省としても、2月に始めました「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」において、このような輸送の具体的な実態を踏まえた議論を行い、夏頃のとりまとめに向けて検討を進めていきたいと思っています。

(問)今の回答の中に含まれていたようにも感じるのですが、昨日、JR西日本が発表したのは、利用が少ない一部のローカル線についての収支状況でした。
鉄道事業の収支構造、黒字路線で赤字路線を補うという内部補助の考えからすると、自治体の議論の前提として示すデータとしてはやや後ろ向きだったのかなと、データの出し方として思われるところもあるのですけれども、それに対して大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

(答)今回、JR西日本が、地域の方と各線区の実態や課題を共有するため、まずは輸送密度2000人未満の線区について情報開示を行ったことは一定の評価を行うべきものと考えます。
一方で、鉄道事業者がどの範囲で路線別収支を公表すべきかについては、各社の事情に応じて地域との対話の過程で鉄道事業者が適切に判断していくべき事柄と考えています。

 

(問)関連して、JR西日本の収支の公表で、地元の広島-岡山県境の芸備(げいび)線の収支率が全国でもワーストだったり、赤字額でも山陰(さんいん)線の出雲(いずも)市-益田(ますだ)間が最大になっていたりしている状況なのですけれども、数値自体の受け止めとしてはいかがでしょうか。

(答)数値自体の受け止めといいますか、今回そういう実態を地域の方に知っていただくこと、そしてそれを元にこれからその地域のいわゆる公共交通のあり方がどういう姿が最も地域住民の方にとって必要なのか、これを地域の方、それから自治体が一緒になって話し合うことが重要なのではないかと思います。
私も、廃止になった(さん)(こう)線沿線で育った人間ですから、鉄道がなくなることがどんなに寂しいことか、地域にとって大変なことか、実感しています。
しかし、その地域にとって、地域公共交通を残していくことが非常に重要な事です。
そういう意味で話し合う。
鉄道事業者だけに任せるのではなくて、自治体や地域の住民の方と一緒に話し合う。
そこに今回の意義があるのではないかと感じています。

 

(問)県民割についてお尋ねします。
1ヶ月延長するとの報道もありますが、現在の検討状況と、またゴールデンウィークの取扱いについてどう考えられるか。
またハワイ便などが復活する予定で、こちらも満席と聞いておりまして、旅行需要も増えています。
改めて観光需要と感染対策、どうバランスをとっていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

(答)まず第1点目の県民割の状況ですけれども、大型連休を含めた今後の取り扱いについては、感染状況や需要の回復状況等を踏まえつつ検討をしているところであり、現時点で具体的にコメントできる段階にはありません。
他方、観光に関連する方々からは、支援期間の延長を求める声をいただいており、期間の延長ができるように調整を進めているところです。
そして2点目とも関連しますが、いずれにせよ、各都道府県において、感染状況にもしっかり配慮していただきつつ、経済の回復との両立を図る観点から、観光需要喚起に向けた取組みを進めていただきたいと考えています。
国土交通省としては、地域の取組みを後押しできるよう、必要な準備を進めてまいりたいと考えています。

 

(問)JR西日本の収支公表の関連でなのですけれども、先ほど大臣、自治体と鉄道事業者の話し合い、今後、必要になってくるのではないかと認識を示されたかと思いますけども、沿線自治体、廃線への抵抗感、強い地域もあるかと思います。
今後、議論を進めていくため、国としての関わりというか、今のところどのようにお考えでしょうか。

(答)まずは、各地域、自治体、地域住民の方、そして事業者がその今ある鉄道をどのように認識し、そして今の状況について、共有して議論を始めるところからスタートすべきだと思っています。
そういう意味で、先ほどもお答えしましたが、自治体と地域住民の方と事業者が一緒になって、建設的な議論をするということが大事だと思います。国
としては、それを後押しすべく、先ほど申し上げたような地域モビリティに関する検討会をスタートさせていただきました。
しっかり、ここを地域の議論も見ながら、国としてもそういう議論を重ねながら、我々としてもできることはしっかりやっていきたいと思います。

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