大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年1月21日(金) 9:25 ~ 9:37
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私の方から2点報告があります。
1点目は、建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る再発防止策及び統計の遡及改定に向けた検討体制の設置についてです。
先週14日に「建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る検証委員会」から、調査報告書をいただきました。
これを受けて、国土交通省として、国土交通行政、政府統計の信頼を確保するため、再発防止策や過去の統計の遡及改定に向けた検討を行う体制を早急に立ち上げるよう、事務方に指示しました。
さらに、一昨日の19日には、岸田総理より、統計委員会において国土交通省の検証委員会報告を精査の上、統計作成上の課題や問題を抽出し、各府省の基幹統計について集計プロセスを点検するとともに、再発防止策やデジタル化、人材育成などの公的統計の改善施策を取りまとめることとし、こうした統計委員会の活動に協力し、統計の信頼回復に向けて全力で取り組むよう指示をいただきました。
これを受け、早速、昨日付けで二つの会議体を設置しました。
一つは、「建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る再発防止策検討・国土交通省所管統計検証タスクフォース」です。
事務次官をトップとする省内のタスクフォースとして、有識者からの御意見を踏まえつつ、再発防止策を検討するとともに、国土交通省所管の統計を点検します。
このタスクフォースでは、統計委員会において行われる統計の集計プロセスの点検とも連携しながら、国土交通省としての再発防止策を打ち出してまいります。
もう一つは、「建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る遡及改定に関する検討会議」です。
統計の有識者に参画いただき、不適切な処理が行われた本統計調査を適正な姿に遡及改定する手法等を検討します。
この検討会議については、統計の有識者の御意見を伺いながら、本年5月に予定している、令和3年度分の建設工事受注動態統計調査の公表までに、統計の信頼回復に向けた一定の結論を出すべく、早急に検討を進めてまいります。
このタスクフォース、検討会議につきましては、詳細は後ほど資料を配付いたします。
2点目は、同じく、建設工事受注動態統計調査の不適切な処理に関する、政務三役などの給与等の自主返納と、関係した職員の処分についてです。
先週14日に検証委員会から提出された調査報告書を踏まえ、先ほど、当時の局長級職員など関係した職員に対して処分を行いました。
これに併せ、組織のトップとして、国の統計の信頼性を損なった責任を痛感しており、私をはじめ政務三役全員について、一定のけじめをつけるべく、給与等を自主返納することとしました。
統計は政策立案や経営判断等の基盤として、常に正確性が求められるものであり、このような統計分野において不適切な処理が行われていたことは極めて遺憾であり、改めて国民の皆さまに深くお詫び申し上げます。
今後は、再発防止や本統計調査の遡及改定等の検討・検証を行い、国土交通省一丸となって、また、関係省庁とも連携しながら、国土交通行政、政府統計の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
政務三役などの給与等の自主返納及び関係職員の処分の詳細については、後ほど資料を配布するとともに、事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今お伺いした、政務三役の給与の自主返納と関係者の処分についてなのですけれども、昨年の報道で今回の統計不正が発覚してから検証委の調査を経て、長年にわたる不正が発覚し、今回、大臣を含めた処分に至るということになったのですけれども、改めて、全体見渡しての処分についての受け止め、所感をお願いいたします。
(答)建設工事受注動態統計調査において、長年にわたり不適切な統計処理が行われていたことは極めて遺憾であり、問題発覚後の対応についても大変厳しい指摘をいただいており、こうした対応は言語道断であると考えています。
本日、関係した職員に対して厳正に処分を行うとともに、政務三役として給与等を自主返納することとしました。
改めて国民の皆さまに深くお詫び申し上げます。
今後は、先ほど申し上げた再発防止等タスクフォースや遡及改定検討会議の中で、必要な検討を早急に進めてまいります。
国土交通省責任者として、全力を挙げて統計の信頼回復に努めていきたいと決意しています。
 
(問)もう1点、先ほど二つの会議体を立ち上げるということで、一つは遡及改定に係る検討会議については5月までに一定のめどを付けるということだったと思うのですけれど、もう一つ、タスクフォースに関してのスケジュール感はどのようにお考えでしょうか。
(答)この機会を利用してスケジュール感とともに、もう少しお話しさせていただきますと、再発防止等タスクフォースにおいては、参画いただく有識者の御意見も伺いながら、主に三つの項目を検討する予定です。
1点目は、検証委員会の報告書の提言を踏まえた、再発防止策等の検討です。
この中には、公文書管理、体制整備等を含みます。
2点目は、国土交通省が所管する基幹統計及び一般統計の点検です。
統計委員会において行われる統計の集計プロセスの点検とも連携しつつ、検証委員会の報告書で指摘された事項も含めて、国土交通省としての点検を行ってまいります。
3点目は、報告書において指摘された、今後国土交通省として調査すべき項目についての調査です。
これは、回収率の計算方法に誤りが生じた理由や、発見後の対応の妥当性、完成予定年月の書き換えが行われていた理由や、当該書き換え発見後の対応の妥当性、その影響の程度等も含みます。
検証委員会の報告書で指摘されたこういう項目についても調査をしたいと思っています。
このタスクフォースでは、統計委員会における点検のスケジュールとも歩調を合わせつつ、再発防止策を打ち出してまいります。
このような形で進めていきたいと思っていますので、少し時間がかかるということです。
もう少し言わせていただきますと、遡及改定検討会議では、検証委員会報告書の御指摘を踏まえて、統計の有識者に参画いただき、統計の信頼回復に向けて、建設工事受注動態統計調査を適正な姿にすべく、遡及改定することを検討します。
具体的には、残存する調査票の精査方法や、二重計上の影響が生じている期間の数値の推計方法等について検討を行った上で、建設工事受注動態統計調査の遡及改定の手法等について、総務省や統計委員会にも相談しながら行ってまいります。
今後、統計の有識者の御意見を伺いながら、先ほど申し上げましたが、本年5月に予定している、令和3年度分の建設工事受注動態統計調査の公表までに、統計の信頼回復に向けた一定の結論を出すべく、早急に検討を進めて行きたいと思っています。
 
(問)弊社の調査で、「Go To トラベル」の不正利用疑惑で、既に報道されたHISの子会社2社のほかに「トラベル・スタンダード・ジャパン」という旅行会社も実態のない長期宿泊での多額の給付金を申請していた疑いがあることが分かり、昨日報道させていただきました。
国土交通省としてこの件について把握されていたのかということと、もしそうであるならば今後の対応についてどういうふうにお考えかお聞かせください。
(答)御指摘の報道があることは承知していますが、現在、調査途上であり、調査対象も含めて、具体的な中身を申し上げることは、差し控えさせていただきます。
現在、調査をしているところです。
 

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