大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年9月24日(金) 11:02 ~ 11:12
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について報告はありませんが、そのほかに2点報告させていただきます。
1点目は、小田急(おだきゅう)(せん)車内傷害事件の発生を受けた今後の対策についてです。
8月6日に発生した小田急線における車内傷害事件を受け、国土交通省において、JR、大手民鉄等の鉄道事業者と意見交換を行い、今後の対策について取りまとめましたので、御報告させていただきます。
対策は、大きく2つの柱からなっております。
1点目は、警備の強化です。
具体的には、これまでも実施してきた駅係員や警備員による駅構内の巡回や車内の警戒添乗の一層の徹底、車内・駅構内の防犯カメラの増備等を直ちに行ってまいります。
2点目は、AIを含む最新技術を活用した不審者・不審物の検知機能の高度化や、非常通報装置等のより分かりやすい表示、防護装備品等の整備などです。
具体的な方策の検討・実施に当たっては、各鉄道事業者における安全の責任者である安全統括管理者の会議を活用してまいります。
さらに、こちらに掲示しているとおり、今般、鉄道事業者における警備の強化等を広く周知するポスターを作成しました。
このポスターでは、鉄道各社における警戒警備の具体的な内容のほか、駅や車内で不審者や不審物を見かけた場合に係員や警察官に御一報いただくなど、利用者に対して御協力をお願いする内容についてもお示ししております。
今後全国の鉄道事業者で順次掲示を行うこととしております。
鉄道のセキュリティの強化については、国土交通省としても、適切に梱包されていない刃物の持込みの禁止、手荷物検査の実施についての根拠の明確化などについて取り組んできたところですが、引き続き、鉄道事業者、警察など関係機関との連携の下、利用者の皆さまに安心して御利用いただけるようしっかりと取り組んでまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
2点目は、「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット2023」の開催地として、主催者より、北海道が選定されたことについて御報告します。
「アドベンチャーツーリズム」は、外国人からも人気が高く、長期滞在が見込まれ、観光消費額も大きいという特徴があります。
自然・文化などの地域資源を活かせる重要な観光コンテンツの1つとして注目されています。
アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット、ATWSは、世界中のアドベンチャートラベル関係者が一堂に会する、年に1度の世界的な商談会・イベントであり、通常4日間にわたり、旅行体験、商談会、セミナー等が行われます。
2021年大会については、私自身が、2019年に北海道倶知安町(くっちゃんちょう)で開催されたG20観光大臣会合の機会に、主催者のアドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション、ATTAのストーウェルCEOに対して直接、誘致を働きかけ、北海道での開催が決定しました。
残念ながら、その後の新型コロナウイルス感染症の影響により、今回はオンラインでの開催となりましたが、今週の20日から本日にかけて、58の国と地域から600人以上の方が参加し、連日、北海道をはじめ、我が国のアドベンチャーツーリズムの魅力を積極的に発信したところです。
ただ、その魅力を余すことなく伝えるためには、やはり、世界中の関係者に北海道を訪れていただき、直接体験していただかなければならない、との地元の方々の熱き思いを踏まえ、改めて誘致活動を行っていたところ、2021年大会の最終日である本日、2023年大会について、主催者より、再び開催地として北海道が選定されたことが発表されました。
私としても、このことを大変嬉しく思いますし、この大事な大会をしっかり成功させなくてはならないと思っております。
本大会を通じて、豊富な地域資源を有する日本の魅力を世界に発信することは、来たるべきインバウンドやMICE(マイス)の本格的再開に向けて、アドベンチャーツーリズムの認知度が更に向上することも期待しています。
引き続き、国土交通省・観光庁としても、本大会の成功に向けて全力で支援してまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上です。

質疑応答

(問)鉄道セキュリティの関係で1問お尋ねします。
JR東日本が駅に設置している防犯カメラの顔認証機能で、刑務所からの出所者らを検知対象から外したことが明らかになりました。
国土交通省として把握している事実関係や、大臣の受け止めについて改めてお願いいたします。
(答)JR東日本が導入した顔認証機能を有する防犯カメラの運用方針について、21日火曜日の報道を受け、同社に改めて確認をしました。
出所者や仮出所者については、これまでもデータベースに登録したことはなく、当面、登録は行わない方針を決定したとの報告を受けております。
防犯カメラ画像の解析による不審者・不審物の検知に関しては、鉄道のセキュリティ向上に向けた重要な手法であると認識しており、技術開発の進展を踏まえつつ、機能の高度化を検討していく必要があると考えております。
他方、防犯カメラの顔認証システムの活用に当たっては、個人情報保護などにも十分配慮し適切に実施する必要があります。
今後、鉄道事業者において検討を進めていくに当たっては、こうした点にも十分留意していただくよう、国土交通省としても、必要に応じ、指導・助言を行ってまいりたいと考えています。
 
(問)今、冒頭の説明の方で、ATWSの北海道開催が決まったということでお言葉ありましたけれども、改めて、今年コロナでオンライン開催になったことの受け止めと、23年に期待することをもう1度お話伺えないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
(答)ATWS2021年大会が、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催となったことは大変残念に思いますが、現実には、58の国と地域から600人以上の方に御参加いただいていると承知しております。
私もこの間、北海道だけではなく、60近い所に足を運びながら観光関連の皆さまと議論をする中で、アドベンチャーツーリズムに対する、特にコロナということで、アウトドアということも関係しているのかと個人的には思いましたが、アドベンチャーツーリズムをしっかり育ていこうという機運が全国各地にあるということを大変嬉しく思いました。
日本は、1泊2日の旅館・ホテルから外に出ない短期の旅行が主力でしたが、少し長期に滞在しながら、その地域の素晴らしさと自然の醍醐味を体験していただくということは大変素晴らしいことだと思っております。
そうしたことをしっかりと日本の観光政策の中でも加速させてまいります。
アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット2023年という大きな大会が実際に開かれれば、おそらく報道やニュース等で伝えていただけると思いますし、日本国内外の皆さまに対する認知度も高まると思いますので、ぜひ2023年は、コロナに負けずリアルな形でしっかりいいものに大成功させたいと考えています。

ページの先頭に戻る