大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年6月11日(金) 9:12 ~ 9:23
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはありません。
このほか、私の方から1点報告があります。
「防災道の駅」の選定についてです。
道の駅は、1993年の制度創設以降、主に道路利用者が安心して休憩できる場として各地で産声をあげた第1ステージに始まり、その後、地域の創意工夫もあり、2013年からは、道の駅自体が観光の目的地や地域の拠点となる第2ステージに移行するなど、その魅力を向上しながら進化してきているところです。
さらに、道の駅が地域の拠点へ発展したことにより、例えば、東日本大震災など大規模災害時においては、復旧・復興活動の拠点や避難場所としての役割を果たすこととなりました。
今後、災害が頻発化・激甚化する中、多くの道の駅において、同様の役割を果たすことが期待されており、2020年からの第3ステージにおいては、広域的な防災機能を担う防災道の駅を全国で展開することとしています。
道の駅が、災害時の防災拠点として確実に機能するためには、電気や水の供給、通信が途絶しないこと、食料などの備蓄が十分なされていることなどの機能を有していることが必要です。
このため、都道府県の防災計画等に位置づけられた道の駅のうち、災害時に求められる機能を完備するため、重点的な支援を行う対象として、この度、防災道の駅を初めて39駅選定することといたしました。
当面、各都道府県で1から2箇所程度、全国で約100箇所程度を防災道の駅として選定することを想定しており、今後とも防災減災に資する社会の実現ということでこの政策を進めてまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)ワクチンの職域接種についてです。
8日から企業からの申請の受付が開始しましたが、国土交通省所管業界における申請や準備状況はどのようになっているでしょうか。
また、先日、航空の優先接種に言及されましたが、国土交通省所管業界はいわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる方が多くいます。
国土交通省としての今後の対応についてお聞かせください。
(答)職域接種は、新型コロナワクチンの接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図るものであり、結果として、公共交通・物流をはじめ、社会機能の維持に必要なエッセンシャルワーカーへの比較的早期の接種が期待されます。
今月8日から申請の受付が始まり、例えば、国土交通省所管の大手事業者として、全日空、日本航空、JR東日本、大成建設、三井不動産などが申請を行っており、また、中小事業者も、地域のトラック協会や観光地の旅館の協同組合のように団体で申請を行うなど、当省所管の事業者等から幅広く申請が行われており、現在、接種の実施に向けた準備が進められているものと承知しております。
いずれにしましても、国民生活や社会経済活動に必要不可欠なサービスの維持に資することでありますので、国土交通省としては、引き続き、事業者と政府・自治体の間の調整等、しっかりとサポートしていきたいと考えております。
職域接種の働きかけについては、国土交通省から所管の業種にそれぞれ行いましたが、企業や団体が申請をする際には、国土交通省を経由しないので、正確な数字は把握していませんが、昨日17時の時点でおおむね160の事業者・団体、220会場程度の申請がされていると報告を受けているところです。
また、国際線の運航に必要不可欠な乗務員については、現在、感染防止のための対策をしっかり行っていただいているものの、職務の性質上、変異株が流行する国も含め、国境を越えて多頻度で往来することが避けられない面があることから、水際対策の観点からも、少しでも早いワクチン接種の実現に向けて努力を続けているところです。
現時点では具体的なことは発表できませんが、近々発表できると思います。

(問)今、防災道の駅100駅という話が出たのですが、それに関連して。
道の駅の数が伸びていません。
年2回くらい登録しているのですけれども、去年の7月で1180だったのが、今年の3月末で1187。
7駅。
増と減があるので、見かけの数字が7駅増えたということなのですが。
それから、最近の検討会でも、あるいは駅長間の対話でも、コロナで道の駅の経営が非常に苦しくなっていると。
こういう状況の中で、今後、道の駅をどのように成長させていくのか。
仰っているように、地域の拠点だ、防災時の避難所だというのはとてもすばらしいし、僕も道の駅が増えることは賛成なのですけれども、やはり若干、曲がり角に来ている感があるので、それについて。
特に、初期の頃、道の駅で商売がうまくいっていなくて、トイレまで汚くなってしまっているような非常に荒れた道の駅も中にはあるものですから、そこをどう整備していくのか教えてください。
(答)今回6駅を新規登録します。
評価は様々あるかと思いますが、振り返りますと、最初道の駅は、トイレを使用すること等を主な目的としたもので休憩できるような状況ではなかったと思いますが、その当時から比べると、率直に言って、大変創意工夫がなされて、おそらく、当初国土交通省が考えていた道の駅の想定をはるかに超えた展開がなされているものと、私は高く評価しております。
当初、防災道の駅というアイデアも道路局が持っていたか、今では確認できませんが、そこまで発展できるようなことではなかったと思います。
例えば、私の記憶の中で言うと、地産地消で、地元の農家の方たちが直売所を作るといったこと。
その頃は多分、採算ベースに乗っていたかどうか、それほど大きな生業ではなかったと思いますけれども、私はそうしたこと1つ1つについて相当レベルアップして、ここまで大きくなっている。
私も地方を回るときによく道の駅に寄らせていただきますけれども、様々な創意工夫がなされていて、おそらく採算ベースに乗っているところもあれば、そうでないところも多分、地方自治体も応援して、災害時には、例えば入浴施設の提供や、様々なことがあると思いますが、特に東日本大震災では、岩手県遠野市(とおのし)は、正に防災拠点として発揮していただきました。
ここは大変先進的で、EV充電器を増設したりなど、私も市長とこの道の駅でお会いしましたけれども、正に地方創生の最大の切り札的な形で取り組まれています。
そうしたところも少なくないと思います。
1000以上ありますが、数を増やすことも大事ですが、質を高めていく。
防災・減災の立場から言うと、これは道路局が所管していますが、防災・減災という立場からも、そうしたことは地方に、いざというときの拠点が整備され、電気やエネルギーの供給があったり、食物の備蓄があるなど、そうした拠点ができるということは非常に大事なので、国土交通省全体の中で、位置づけていかなければならないと思っております。
今お話しありましたように、大変状況が厳しい所や、なかなか理想的にいかないところがあるとの御指摘ですので、私もつまびらかではありませんけれども、そのようなことはしっかりと、1つの大きな節目ですから、我々が理想とする道の駅になっていただけるように改めて、総点検ではありませんけれどもチェックをしていきたいと思っております。

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