大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年6月1日(火) 9:12 ~ 9:23
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 (大臣)本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはありません。
このほか、私の方から1点報告があります。八王子市内で階段崩落事故が発生しました共同住宅の施工者等が関与した物件に係る調査結果についてです。
国土交通省としては、同様の事故の発生を防止すべく、株式会社則武(のりたけ)地所(じしょ)が施工した東京都及び神奈川県内の全ての物件について現地調査を進めるよう、各都県の地方公共団体に対して要請してまいりました。
当初対象とした166物件に加え、「則武地所」名ではなく同社の代表者等の個人名で建築確認の手続きを行っていた関係者物件を洗い出し、調査対象に追加した結果、対象物件は両都県内で241となりました。
これらについては全て、地方公共団体が現地調査及び外観による劣化等の判定を終えています。
外観上、劣化等による危険性がみられた物件は当初の6件から変更はありません。
この6件については、地方公共団体からの要請に基づき、所有者等により鉄製階段を支える仮設の柱の設置など安全対策が進められています。
それ以外の物件についても、所有者等に対し建築士等による屋外階段の詳細調査及び必要な改修工事を求めるよう、地方公共団体に要請してまいります。
また、改修工事が完了するまでの間についても、所有者等に定期的な安全点検の実施を求めるよう要請してまいります。
国土交通省としては、これ以上の事故の発生を防止すべく、関係の地方公共団体と連携しつつ、今後もしっかりと対応してまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
なお、本来であれば、施工業者である株式会社則武地所が、問題があったとされる施工についての所有者等への説明や、必要な補修等への対応を行うべきところ、そうしたことを行わないまま自己破産したことは、大変遺憾であります。
引き続き、株式会社則武地所の関係者には誠実な対応を求めてまいります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)昨日、ソラシドエアとエア・ドゥが共同持株会社設立を発表されました。
そのことに対する大臣の受け止めと、コロナで厳しい現状にある地方の航空会社への現状と支援のあり方についてお願いします。
(答)昨日、エア・ドゥとソラシドエアは、共同持株会社設立に関する「基本合意書」を締結したところです。
両社をはじめとして、地域航空会社は、まさに「地域の翼」として地域密着型で、地域の方々の日常生活や社会経済活動に必要不可欠な移動サービスを提供していただいておりますが、昨年来のコロナ禍において、都道府県をまたぐ移動の自粛等により、大変厳しい経営環境に置かれていると認識しております。
特に、地域航空会社は、大手と比べ、自己資本が薄いなどの事情もあることから、財務体質の改善など、懸命な取組等に大変な御努力を積み重ねられていると承知をしておりますが、今回の合意もそうした厳しい取組の中での1つの選択であると、私達は重く受け止めております。
今後、両者間で具体的な検討が進められていくと思いますが、両社ともに、経営の独立性を確保しながら業務共通化によるコスト削減や、両社のネットワークを活かしたサービスの提供等による収益拡大を目指すお考えと承知をしておりまして、国土交通省としても、具体的な検討を見守りながら、必要な対応をしていきたいと考えております。
 
(問)九州新幹線についてお尋ねします。
九州新幹線西九州ルートの新鳥栖(しんとす)武雄(たけお)温泉(おんせん)間は整備方式が定まっておらず、国土交通省と佐賀県との間で、昨年6月より協議が行われております。
昨日、第4回目の協議が行われたところですけれども、この4回目も含めて、この1年間の協議で得られた成果とは何だとお考えでしょうか。
(答)昨日、鉄道局の幹線鉄道課長が、ウェブ形式で、佐賀県との間で4回目の協議を行いました。
具体的な内容としては、今後の議論や検討に資するよう、5つの整備方式それぞれについて、佐賀県から具体的な問題意識を伺い、意見交換を行ったとの報告を受けております。
中でも特筆すべきことは、佐賀県からフル規格の3つのルートについて検証したいという御提案があったと聞いております。
フル規格で整備する場合についての具体的な指摘は初めてと承知しておりますので、これについてしっかりと精力的に検討を進めていきたいと考えているところです。
御承知のように、来年秋には、武雄温泉‐長崎間が開業予定であることを意識しながら、次回以降の協議においても、ひとつひとつの課題について、佐賀県との間でしっかり議論を行い、九州地域、西日本地域のこれからの未来にとってどのような整備のあり方が望ましいか、良い知恵を出しながら御意見を伺っていきたいと考えております。
 
(問)港区のマンションのエレベーターに高校生が挟まれ亡くなった事故から6月3日で15年となります。
この事故を防ぐために必要と言われている二重ブレーキの設置率は、国土交通省の全国調査だと2割ちょっとというところで低調なままですけれども、大臣の受け止めと、今後二重ブレーキを設置するためにどのような対策を進めていくかお聞かせください。
(答)平成18年6月3日に発生した港区竹芝のエレベーター事故で、当時高校生だった方が被害に遭われ、犠牲となられたことは、今でも鮮明に記憶している大変痛ましい事故でありまして、本人の御無念、また、15年にわたる御遺族の皆さまの悲しみを思うと言葉もありません。
謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
国土交通省では、この事故を教訓に、平成21年より新設のエレベーターに二重ブレーキの設置を義務付けするとともに、既存エレベーターへの二重ブレーキの設置を促進するため、交付金による支援及び地方公共団体への活用要請、二重ブレーキが設置されたエレベーターへの安全マークの表示の推進等の対策を講じ、設置を促進しているところです。
今御指摘のとおり、エレベーターへの二重ブレーキの設置率は、令和元年度時点で26.3%、1年で約2.6万台、3.3%の増加となっています。
新設には義務化していますので、既存の建物にもしっかりと設置を進めなければならない状況だと認識していますが、様々な事情があり、現実には捗々しくないところであり、その原因をしっかりと究明しなければならないと考えています。
また、二重ブレーキの設置の促進に加え、保守点検業者等によるエレベーターの適切な維持管理を推進する観点から、定期検査・報告におけるエレベーターのブレーキの検査方法や判定基準の具体化、建築確認申請時における保守点検マニュアルの提出義務付け、適切な維持管理を確保するための昇降機維持管理指針等の公表等の取組を行ってきております。
今後も、エレベーターの安全確保に向けて、地方公共団体等とも連携しながら、二重ブレーキの設置及びエレベーターの適切な維持管理が進捗するように取り組んでいきたいと考えています。

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