大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年12月21日(月) 11:37 ~ 11:53
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から1点報告があります。
本日の閣議で、令和3年度予算案の概算を決定しました。
国土交通省関係の国費総額は、5兆8981億円です。
このうち、公共事業関係費は、5兆2587億円です。
令和3年度予算につきましては、1つ目、 国民の安全・安心の確保。2つ目、持続的な経済成長の実現。
3つ目、豊かで活力ある地方の形成と多核連携型の国づくり。
この3つの柱に予算を重点化しており、「15か月予算」の考え方の下、令和2年度第3次補正予算と合わせて、切れ目なく取組を進めてまいります。
このほか、令和3年度の財政投融資につきましては、2兆87億円を計画しております。
また、令和3年度の定員は、防災・減災、国土強靱化の推進や戦略的海上保安体制の構築、公共交通の安全確保等の体制強化に必要な定員が認められ、本年度を上回る202人の純増となっています。
特に、地方整備局、北海道開発局につきましては、地方整備局101人、北海道開発局33人と、両機関合わせて134人の純増となりました。
詳細は事務方にお問い合わせください。
このほか、1点報告があります。
「海上保安体制強化に関する関係閣僚会議」についてです。
本日、第5回目の会議が開催されました。
政府では、平成28年12月、我が国周辺海域を巡る状況が一層厳しさを増していることを踏まえ、「海上保安体制強化に関する方針」を決定し、「海上法執行能力」、「海洋監視能力」、「海洋調査能力」の3点の強化に取り組んでいるところです。
今回の会議では、この方針に基づく取組の進捗状況を確認するとともに、私から、関係省庁の協力を得ながら海上保安体制強化の取組を着実に進めていくことの重要性を発言させていただき、引き続き、巡視船等の増強や人材の確保・育成などの体制強化に取り組んでいくことが確認されました。
菅総理大臣からは、国民の安全・安心を守り、世界につながる海洋の安全・秩序を次世代につなぐため、引き続き、海上保安庁をはじめとする関係省庁が力を集結し、海洋の安全保障の確保に全力を尽くすよう御指示がありました。
この御指示を踏まえまして、来年度予算では、大型巡視船、大型練習船、航空機の整備を進めるとともに、無操縦者航空機の活用の検討や関係省庁との連携強化を進めてまいりたいと考えております。
今後も海上保安庁を担当する大臣として、領土・領海の堅守に努め、国民の皆さまが安全に、安心して暮らすことができるよう、平和で豊かな海を守り抜いていく所存です。
詳細は事務方にお問合せください。
私からは以上です。
 

質疑応答

(問)来年度予算案に関してお尋ねします。
大臣から、重点化されたいところについて御説明いただきましたけれども、改めて大臣として力を入れたポイントなどありましたらお聞かせください。
(答)まず、予算編成に当たりましては、激甚化・頻発化する自然災害と、新型コロナウイルス感染症という未曾有の危機から国民の皆さまの命と暮らしを守り抜いて、ポストコロナ時代における「新たな日常」を実現することに重点を置いて取り組んでまいりましたし、これからもそうしていきたいと思っています。
「15か月予算」の考え方により、令和3年度当初予算と令和2年度第3次補正予算は一体として編成されましたが、補正予算につきまして、1つ目には、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の初年度の対策であること。
もう1つは、「Go To トラベル事業」の延長。
これは感染防止対策を大前提としながら延長する。
また、もう1つは、地域の公共交通事業者の感染症対策等に対する支援をしながら、ただでさえその維持が難しい公共交通事業者のための予算をしっかりと確保したところです。
また、当初予算について、3つの柱に沿って言うと、「国民の安全・安心の確保」のため、災害から国民の皆さまの命と暮らしを守るために、国や地方自治体など、あらゆる関係者が協働する「流域治水」をしっかりと推進していくことが1つです。
また、「持続的な経済成長の実現」のため、インフラ・物流分野におけるデジタルトランスフォーメーションの推進。
これは、人手不足の対策も含め、非接触で無人施工ができるように取り組んでいきたいと思っています。
また、「豊かで活力ある地方の形成と多核連携型の国づくり」として、公共交通機関などの更なるバリアフリー政策の推進に着実に取り組んでいきたいと思っております。
国土交通省として、繰り返しになりますが、令和2年度第3次補正予算と令和3年度当初予算を合わせて、切れ目なく取組を進め、施策効果の早期発現ができるように、災害はいつ起こってもおかしくない状況であり、また、新型コロナウイルス禍において、しっかりやらなければいけないことが多々あると思っていますので、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 
(問)調布の道路陥没に関してお尋ねします。
先週、NEXCO東日本の有識者委員会が、外環道のトンネル工事が原因である可能性が高いとの中間報告をまとめました。
これについての大臣の受け止めをお願いしたいのと、他の大深度地下工事への影響も考えられると思いますが、今回は特殊な事例として認識されているのか、併せてお聞かせください。
(答)今回の陥没・空洞ができたということと、シールドトンネル工事との因果関係については、これまで、有識者委員会を5回開催いたしました。
また、有識者会議の皆さま方の御意見を聞きながら、現地調査、施工データの整理・分析を進めてきたところです。
先週18日金曜日に開催された第5回目の有識者委員会において、「特殊な地盤条件下において行われたシールドトンネルの施工が、陥没地点を含む空洞の要因の1つである可能性が高い」との見解が述べられ、また一方で、現時点では、シールドトンネルでの施工が陥没・空洞の形成の要因となったメカニズムの特定には至っていないということが報告されたところです。
そのため、引き続き、残る現地調査やそれらを踏まえた検証を早期に精力的に行い、メカニズムを特定する必要があるとの見解が有識者委員会の専門家の皆さまから示されたと承知しております。
ですから、その結論を待ちたいと思っておりますが、他方で、東日本高速道路会社によるシールドトンネル工事が、住民の皆さまに被害を与えてしまい、また、不安を感じさせてしまっていることについては、国土交通大臣として誠に遺憾であると思っております。
今般、シールドトンネル工事と陥没・空洞との因果関係が確認されたことから、家屋損傷をはじめとする被害への補償については、東日本高速道路会社として、誠意をもって適切に対応することとしております。
今回の有識者委員会の結果も踏まえ、昨日と本日の2日に渡り、住民説明会を実施しており、現地調査の状況について、地域住民の皆さま方に御説明しているところです。
今回の事象を受け、国土交通省としても、引き続き東日本高速道路会社の原因究明、また、住民の方々への御説明について、最大限協力していきたいと考えております。
冒頭申し上げましたが、現時点でシールドトンネルの施工が陥没・空洞の形成要因となったメカニズムの特定には至っていないため、御質問のありました特殊な事例であるかどうかについてはまだ定かではありませんが、詳細な原因究明のための検討が早期に進められるよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 
(問)Go To トラベルについてお聞きします。
昨日、全国知事会の方から、1月12日以降の運用方針を早期に示すよう求める意見が出ました。
それについて、国土交通省の対応をお聞かせください。また、Go To トラベルの停止に関連し、キャンセル料が掛からずに予約を取り消すことのできる期限が24日までとなっています。
年末年始が近づく中、より周知が必要かと思いますが、国土交通省の対応をお願いします。
(答)確かに周知徹底は大事であり、Twitter等を見ておりますと、まだ御存じないということも聞き及んでおりますので、観光庁、事務局を通して周知徹底をしっかり行っていきたいと思います。
12月28日から1月11日までの全国での一時停止という措置は、感染拡大状況を踏まえ、年末年始は帰省や忘年会、新年会、また、地域によっては成人式等の移動や人が集まる機会が特に多い季節ですので、そうした時期を鑑みてより強い対策をということで、政府として、予防的措置を行ったわけです。
そうしたことを踏まえ、これまで札幌市や大阪市、東京都、名古屋市、広島市についてはこれまでの原則どおり、当該知事が「ステージ3」であることを確認し、それに対して政府として対応をどうするかという検討の下で行われた措置でありますので、地域ごとにそうした措置をとったことと、全国的に予防的措置として一時停止させていただくという2つのことは、整理をして対応を考えていかなければいけないと思っております。
いずれにしても、西村担当大臣と連携しながら、新型コロナウイルス対策本部の分科会の専門家の御指導・御助言を仰いで、検討し、結論を得たいと考えております。
これからの状況は見通せませんし、変わっていくでしょうから、現時点で決まっていることはありませんが、適時適切にしっかりと対応し、結論を出していかなければいけないと思っております。
 
(問)北陸新幹線についてお尋ねします。
来年度予算案に、敦賀(つるが)-新大阪間の環境アセスなど、整備新幹線の調査費として12億円が盛り込まれていますが、これに関して与党や沿線自治体などからは、23年度当初の確実な着工を求める声が出ております。
それについて大臣のお考えを改めてお聞かせいただければと思います。
(答)今、環境アセスをやっている最中ですし、地元の強い御要望がありますが、着工5条件をしっかりクリアすることが前に進めていく上で大事なので、早急にクリアできるよう、引き続きしっかりと対応していきたいと思います。
 

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