大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年12月1日(火) 9:56 ~ 10:10
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、御報告するものはありませんが、そのほか1点、御報告をさせていただきます。
「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」について御報告します。
本日の閣僚懇談会において、総理から、来年度から令和7年度までの5年間において、激甚化する災害への対策、予防保全に向けた老朽化対策の加速、デジタル化等の推進にかかる対策を柱とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」をとりまとめるとの御指示がありました。
また、特に加速化・深化させるべき施策のために追加的に必要となる事業規模は、15兆円程度を目指すこととし、初年度については、令和2年度第3次補正予算で措置する、との御発言でした。
これまで全国の首長の皆さまからは、来年度以降も、防災・減災、国土強靱化の取組みを更に充実させるとともに、中長期的視点に立って計画的に実施できる必要・十分な予算の継続を強く求められきたところであり、国土交通省としましては、国土強靱化担当大臣とも連携しながら、しっかりと検討し、全国の皆さまの御要望に応えてまいりたいと考えているところです。
私からは以上です。

質疑応答

(問)「Go To トラベル」について2問、お尋ねします。
先週、札幌市、大阪市から出発する旅行について、自粛を呼びかけられました。
札幌、大阪を目的地とする旅行は事業の支援対象から外したのに対して、今回、出発分について自粛にとどめた理由についてお聞かせください。
(答)もともと言うと、北海道知事と大阪府知事からそれぞれ、政府の方に札幌市と大阪市が、いわゆる政府でいう「レベル3)」の段階になっているという、そのような御認識が伝えられまして、それに対して政府としてもその対応を検討してきたところです。
両市とも医療状況、医療の体制が相当ひっ迫しているということが懸念されますので、その医療体制のひっ迫に更に負荷をかけないということで、最初の決定は、両市を目的地とする旅行は今回のGo To トラベル事業の割引対象から一時停止するという措置をとったということは御承知のとおりです。
その後の分科会において、感染状況を見極めると、更なる強い対応が必要なのではないかという御提言があり、その中で検討させていただいた結果です。
札幌市、大阪市に居住されている方の旅行につきましては、北海道、大阪府において、それぞれ既に両市民に対して、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条第9項に基づく外出自粛要請が行われている状況であること。
国としてはそうした状況を前提に、国と北海道・大阪府が連携し、両市に居住されている方々に対し、改めて利用を控えるよう強いメッセージを発することとしました。
今般の呼びかけに伴い発生するキャンセルについては、旅行者にキャンセル料の負担がかからないようする。
また、本事業の参加事業者に対しては、キャンセル料見合いの額を国が負担するということで、キャンセルを促すこと。
こうした措置をとることによって、実質的には利用抑制の効果が十分に確保できると見込まれることから、現時点で、両市の居住者の域外への旅行について一律に本事業の適用を停止する必要はないと判断したところです。
いずれにしましても、引き続き最大級の警戒心を持って当該地域の感染状況等を注視しつつ、関係閣僚とも連携をとり、私が直接ではなく、西村担当大臣がされるかと思いますが、当該知事とも連携しながら、適切に事業を運用してまいりたいと思っております。
 
(問)東京都の小池知事が先日、Go To トラベルの一時停止の具体的な内容や詳細について観光庁に意見照会をしたという旨の発言をされましたが、現在、東京都とどのような調整状況にあるかお聞かせください。
(答)東京都から観光庁に対しましては、事務的に、本事業の一時停止や自粛の呼びかけ、札幌市や大阪市の一時停止の場合、その際のキャンセル料の取扱いなどについて意見照会をいただいております。
担当の観光庁におきましては、その都度速やかに回答を行わせていただいているところです。
詳しいやりとりはそのくらいしか聞いておりませんけれども、いずれにしても、Go To トラベル事業は国が実施する事業ですので、事業の運用に関する判断は国が最終的に行うという制度です。
その判断に当たりましては、分科会のこれまでの提言に沿って、その地域の感染状況や医療提供体制の状況、その見通しを最もよく把握している都道府県知事の判断を十分に踏まえる必要があります。
地元の知事の皆さんの状況判断を踏まえて、緊密に連携の上、政府として適時適切に判断を行うことが重要だと考えております。
それ以上のことは現時点で進展があるわけではありません。
 
(問)東陽町(とうようちょう)駅の事故に関してお伺いします。
この前の日曜日に、東西線東陽町駅で視覚障害をお持ちの方がホームから転落し、亡くなられる事故が発生しました。
同様の事故が相次いで発生し、後を絶ちませんが、この事故の受け止めと、再発防止策、どのようなことが必要か、大臣の御認識をお聞かせください。
(答)11月29日日曜日に東京メトロ東陽町駅におきまして、視覚障害を持たれている方がホームから転落し、列車と接触して亡くなられた事故が発生しました。
お亡くなりになられた方に、心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆さまにお悔やみ申し上げます。
また、こうした痛ましい事故の再発防止にしっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。
昨日11月30日に、東京メトロの山村(やまむら)社長が大臣室に来られまして、今回の転落事故について御詫びと報告を受けました。
お話を聞いておりますと、今回の転落事故、先ほどの御質問では同様の事故と言われましたけれども、状況ですとか、障害の度合いですとか、それぞれケースが違っていて、一律にというよりも、事案ごとにきめ細やかな分析をしなければ、再発を防止することはなかなか難しいのではないか、きめ細やかな対応が必要だと思いました。
ただその前に、今できることということで、私から山村社長に対しまして、同駅のホームドアの供用開始時期の前倒し、それまでの間の警備員の増強などに取り組むよう、指示したところです。
東陽町駅についてはそういうことです。
全体としては、今、ホームドアの整備を進めているわけでありますが、先日11月20日に新しい整備目標について公表させていただきましたが、令和3年度からの5年間で、整備ペースをこれまでの2倍に加速化させる。
また、駅単位ではなく、番線単位で整備を進めることとしております。
それをしっかりと進めていくため、第3次補正予算を含めた来年度予算要求で必要な予算を確保し、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
また、ハード面での対策だけではなく、駅員や乗客による声掛け、見守りが重要だと考えております。
若干、コロナ禍で呼び掛け等がしにくくなっていると、先日、別の場面で障害者団体の皆さんと話し合った際に、そうしたことを聞いて、懸念をしておりますので、そうしたことは事故発生防止ということで、しっかりとお願いしていきたいと考えております。
ホームドアによらない転落防止対策も本当に大事であり、新技術等を活用した対策も検討しなければいけないということで、既に設置をした検討会で視覚障害者の皆さまの御意見も伺いながら、きめ細やかな議論を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、このような痛ましい事故が再発しないように、ハード・ソフト両面に対して、視覚障害者の方の障害の程度によってバリアは違うと思いますので、丁寧にお話を聞かせていただきながら、再発防止にしっかりと努めてまいりたいと考えております。
 
(問)明日で笹子(ささご)トンネルの事故から8年になると思いますが、事故後、5年に1回の点検を義務化していると思いますが、特に地方部の自治体で遅れているという状況があると思いますが、この件に関して国としての受け止めをお願いします。
(答)笹子トンネルの事故から明日で8年を迎えるに当たり、改めて亡くなられた9名の皆さまにお悔やみ申し上げたいと思います。
振り返りますと、この事故は、我が国のインフラ老朽化対策をしっかりと取り組んでいかなければいけないという、大変大きな教訓となった痛ましい事故であり、この事故を契機に、御承知のように平成26年度から5年に1度の総点検を行っているところです。
1巡目の総点検において、早期に修繕等が必要な橋梁は約7万存在し、その大半が地方公共団体の管理する橋梁でありましたが、そのうち、現在6割以上が修繕に未着手になっているということは看過できない問題だと思っております。
災害も続いており、いずれにしても「予防保全」への早期移行が大変重要であると思っておりますし、地方公共団体に対して、今年度創設した「道路メンテナンス事業補助制度」という個別補助制度をしっかり活用し、必要な予算の確保に努め、老朽化対策が着実に推進していかなければいけないと思っています。
加えて、冒頭に御報告申し上げましたが、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」は、インフラ老朽化対策は入っておりませんでした。
今日、指示がありました5か年加速化対策につきましては、インフラの老朽化対策は柱の1つとして位置付けられ、大変ありがたく思っておりますので、5か年加速化対策の中で、老朽化対策もしっかり進めていきたいと考えております。

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