大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年10月2日(金) 10:43 ~ 10:55
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

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質疑応答

(問)先日、都道府県地価調査の結果が公表されました。
全用途の平均で3年ぶりに下落という結果で、新型コロナウイルスの影響が色濃く反映された結果だと思います。
これについて大臣の受け止めと今後の見通しなどについてお聞かせください。
(答)先日、9月29日に発表された令和2年都道府県地価調査では、7月1日時点の全国の全用途平均が平成29年以来3年ぶりに下落となったのは、今のお話のとおりです。
これは、今、お話がありましたように、新型コロナウイルス感染症により、経済活動全般が低下する中で、土地の需要が弱まった結果と考えております。
他方、よく分析をしてみると、人口減が進む地方都市の中で、新型コロナウイルス禍においても、地価が下落せず、底堅さを見せている都市もありました。
そのいずれも、例えば駅前開発など、空洞化の進む中心市街地を地道に再生した成果が着実に現れているものと認識しているところです。
先の通常国会では、安全をキーワードにした土地の開発規制や利用についての様々な法改正を実施させていただきましたが、国土交通省として引き続き、安全で安心な、かつ、「コンパクト+ネットワーク」の街づくりを推進していくことが重要だと思っております。
今後は、感染症の拡大防止と社会経済活動の早期回復の両立を図ることが大事であり、加えて、コロナ禍によってウィズ・コロナ時代における生活様式の変化に対応した「新たな日常」を実現し、持続的な経済成長、地域の活性化につなげていく必要があると思っておりますので、こうした変化にしっかり対応する国土政策、都市政策、住宅政策等々、しっかりと手を打っていきたいと考えております。
いずれにしても、地価につきましては、経済の鏡ともいうべき指標でもありますので、引き続き、その動向を注視してまいりたいと思っています。

(問)先日報道がなされていたエアアジア・ジャパンの事業撤退について、事実関係をお聞きしたいのと、新型コロナを受けて航空各社は厳しい状況であると思うのですけれども、エアアジアやジェットスターをはじめとして、LCCなど特に苦境が目立ちます。
国土交通省として、エアラインへの支援をどのように行っていくか、お考えをお聞かせください。
(答)エアアジア・ジャパンは、今後の事業のあり方について、親会社のエアアジアグループとともに、様々なオプションについて検討されていると伺っております。
今お話がありました航空各社においては、便数・旅客数ともに対前年比、大幅に減少している状況が続いており、極めて厳しい経営環境に置かれていると承知しています。
とりわけ、外資系のLCCは、運航開始から間もないことから事業規模が小さく、スケールメリットが活かせないため、従前より赤字基調が多く、親会社である外国航空会社の継続的な資金支援等を受けながら、これまでも経営を続けてきたところです。
こうした中、コロナの影響による需要減によって、一層厳しい経営状況に置かれていると認識しております。
こうした状況に対し、これまでも国土交通省として、航空各社に対し、着陸料等の支払い猶予や、日本政策投資銀行の危機対応融資などにより、資金繰りを支援する等、雇用調整助成金などの支援策も講じているところです。
引き続き需要喚起という意味では、「Go To トラベル事業」を通じて、感染拡大防止対策を徹底しつつ、失われた国内観光需要を回復させるとともに、関係省庁と連携して、水際対策を徹底しつつ段階的に、今月から始まりますが、出入国規制を緩和することなどによって、航空業界の経営環境の好転を図りながら、かつ、航空各社の意見をしっかりと聴取しながら、必要な対応を講じてまいります。
現時点でお答えできるのはこれだけです。

(問)今月1日から、タクシーの有償貨物運送が恒久化されるといった規制緩和がありましたけれども、同じようにというか、過疎地の物流の改善に向けて、貨客混載の規制緩和等のお考えはあるのでしょうか。
(答)貨客混載での運送を可能とするという措置は、実はこれまでも、特に過疎地域において人流、物流サービスの持続可能性を確保するために種々とってまいりました。
具体的には、平成26年に、自治体等の自家用車で貨客混載を行うこと。
次に、平成29年にはタクシーと貸切バス等で、貨客混載を可能とする措置をしてまいりました。
具体的に、例えば岩手県では、この制度を活用していただいて、乗合バス事業者と宅配事業者が連携し、盛岡からの荷物を乗合バスで三陸沿岸の市町村まで運び、その後、ラストワンマイル輸送や地域のお年寄りの見守りサービスを地元の宅配事業者の皆さんが行う。
こうした取組を行って、高齢化が進む過疎地域における生活の足と宅配輸送網の維持に資するサービスの好事例などが出てきておるところです。
国土交通省といたしましては、こうした取組を更に進めるために、地域公共交通活性化再生法を改正して、新たな事業類型として「貨客運送効率化事業」を設け、許認可手続きの特例を定めたところです。
さらに、自動運転の実証実験も進んでおりまして、現在、全国5地域で自動運転バスの実証実験を実施しているところです。
また、道の駅におきましても、自動運転車による貨客混載の無人移動サービスの実証実験も実施をしているところです。
こうした試みが実用化された暁には、過疎地域における人とモノの輸送確保に活用できるものと我々も期待しております。
いずれにいたしましても、今後、運送事業者や業界団体、地方公共団体等、幅広くヒアリングを行い、ニーズの調査を実施しながら、そのニーズが強ければ、制度の運用、改善を行い、貨客混載の取組を前に進めていくようにしっかりと応援していきたいと考えております。

(問)8月の「宿泊旅行統計調査」についてですが、観光庁から先日第1次速報が発表されまして、日本人の延べ宿泊者数が7月よりも増えたものの、前年同月比の増減率で見ると悪化という結果でした。
8月はGo To トラベル事業が丸々1か月反映されていることだと思いますが、この調査結果からGo To トラベル事業の効果というのはあったと言えるのかどうか、その辺りの大臣のお考えをお聞かせください。
(答)昨年は、例えば、インバウンドでもここ近年で最高潮の伸びがあった年ですが、今年は全く真逆で、新型コロナウイルス禍でほぼ実質インバウンドはゼロに近く、国内観光もほぼ前年度9割減のようなところから、7月22日からGo To トラベル事業を始めたわけでありまして、我々は前年と毎月比較をして事業を行っているという意識は全くありません。
7月にゼロからスタートしたこの事業を少しでも拡大をしていく。
もちろん、感染拡大防止をしつつ、経済対策、需要喚起を行っていくことを目指してやっているので、7月の客室稼働率29.6%が、8月に32.1%に回復したということは、私は大変そこに意味があると思っております。
昨日も富山県の観光業界の皆さんと話をさせていただくなど、断続的に各地域を回ってはヒアリングを行っておりますが、観光関連の事業者の皆さんは異口同音に、Go To トラベル事業についての成果を評価していただいているところです。
8月のお盆のときには、一度帰省の自粛という動きもあったかと思いますが、9月の4連休は特に、全国各地大変多くの皆さんにGo To トラベル事業を御活用いただいたものと思っております。
さらに加えて言えば、昨日から、東京発着の旅行も支援の対象に加わり、また、地域共通クーポンの利用も開始したところでありますので、こうしたことをしっかりと着実に実施してまいります。
旅行者の皆さまにおかれましては、感染拡大防止というのは大変重要なことなので、事業者の皆さまは当然のことながら、旅行者の皆さまにも感染拡大防止に努め、「新しい旅のエチケット」を守っていただくことで、ウィズ・コロナ時代の新たな安全・安心な旅のスタイルというものをしっかりと普及・確立・定着をさせたい。
そのために我々は全力で取り組んでいきたいと考えております。

(問)日本学術会議が推薦した新会員のうち、6人が任命されないということがありました。
中には、学問の自由の侵害に当たらないかという指摘が上がっていますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)日本学術会議の会員につきましては、内閣総理大臣が任命することとされており、私は所管外でありますので、この場でのお答えは差し控えたいと思います。

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