大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年6月19日(金) 10:33 ~ 10:52
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から4点報告があります。
1点目は、公共交通機関を利用する際の感染予防対策の実践のお願いについてです。
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針によりまして、本日から、全国で都道府県をまたぐ移動の自粛が解除されることとなりますが、感染予防につきましては、引き続き徹底して行うことが必要です。
利用者が戻りつつある公共交通につきましては、各事業者において、感染拡大予防ガイドラインに基づき、感染予防に徹底して取り組んでいただいておりますが、安全・安心を確保していくためには、利用者の皆さまにも、御協力いただく必要があります。
具体的には、マスクを着用し、会話は控えめにしていただくこと。
2つ目は、車内換気への御理解・御協力をいただくこと。
3つ目は、テレワーク・時差出勤に努めていただくこと、といったコロナ時代の新たな利用スタイル「3本の柱」の実践への御協力を呼びかけていきたいと思っています。
こうした新たな利用スタイルを広く周知・定着させるため、官民連携で情報発信を行うべく、今般、共通のハッシュタグを作成いたしました。
「#公共交通あんしん利用」です。
このハッシュタグにつきましては、国土交通省において、感染拡大防止の取組等をツイッターで発信する際に用いるとともに、事業者の皆さまにおかれましても、SNS等で情報発信をされる際に御活用いただきたいと考えております。
また、鉄道・バス等につきましては、統一的なポスターを作成することとしており、来週以降、順次、鉄道駅やバスターミナル、車内等において、掲示を開始する予定です。
2点目は、旅行者向けガイドラインの公表・周知等についてです。
観光の分野におきましても、本日から、いよいよ県をまたぐ観光振興を徐々に進めていく新しいフェーズに入ります。
旅行者の皆さまの安全・安心の確保が、旅行需要の最大の喚起策であるとの認識の下、感染症対策をしっかりと講じながら、まずは国内観光から観光需要を喚起してまいりたいと思っております。
このため、宿泊・旅行等の関係業界に対しまして、感染拡大予防ガイドラインの遵守を呼びかけるとともに、旅行者の皆さまに対しましても、一定の御配慮をお願いすることになります。
そのため、関係業界と協力して、旅行者視点での感染防止のための留意点をまとめた「新しい旅のエチケット」を策定したところです。
国土交通省といたしましても、こちらの新しい旅のエチケットについて、旅行者の皆さまへの浸透をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
3点目は、「貸切バスの感染予防ガイドライン」の策定等についてです。
今後、国民の皆さまに貸切バスを活用して安心して観光をしていただけるよう、バス業界及び旅行業界の団体が、国土交通省と連携して貸切バスの感染予防ガイドラインを策定いたしました。
バス事業者、旅行業者の方々には、このガイドラインに沿って、感染予防対策を講じていただくとともに、利用者の皆さまにも、車内での会話をお控えいただくなど、安心して利用できる貸切バス旅行の実現に御協力いただきますよう、お願い申し上げます。
なお、バスの換気性能につきましては、観光バスは概ね5分程度、また路線バスは概ね3分程度で車内換気が可能となっております。
本日午後、私も観光バスの車内換気につきまして、この目で確認したいと考えております。
国土交通省で1時過ぎから、実際に車を寄せて視察をさせていただきます。
併せて、観光バス事業者の方々にお越しいただき、県をまたぐ観光への準備状況について意見交換も行う予定です。
また、先日6月1日、佐川急便を視察いたしまして、ドライバーの皆さまからお話を伺った際、夏のシーズンにマスクを着用して作業することによる熱中症の不安について御意見を頂戴したところです。
このことを受けまして、国土交通省より、専門家会議の委員である医師の方に相談させていただき、また、熱中症対策の政府全体の方針を踏まえ、6月12日に、お一人で運転されているときや屋外での作業などで他人と十分な距離を確保できる場合にはマスクを外していただくよう、トラック業界に対して通知をしたところです。
トラック協会においても、通知を踏まえ、速やかに感染予防のガイドラインを改訂いただきましたので、御報告させていただきます。
なお、詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
最後の4点目ですが、北海道ウポポイの開業日についてです。
ウポポイについては、先日記者会見で御報告させていただきましたように、6月9日火曜日から14日日曜日までの6日間、白老町の町民の皆さまを対象とした内覧会を実施いたしました。
約1400名余りの方々にお越しいただいたところです。
ウポポイの施設や展示、催し物のみならず、感染症対策も含め、総じて町民の皆さまの反応はよく、開業の機運も高まってきたところです。
その上で、御地元である北海道や白老町の御意向を伺い、ウポポイの開業時期を検討してまいりましたが、この度、開園記念式典を7月11日土曜日に開催し、その翌日の12日日曜日から開業とすることを決定いたしました。
今後は、ウポポイが、最高のお祝いの気持ちの中で、最高の形でスタートできるよう、また、地元の皆さまにも愛される施設として、感染症対策もしっかり講じつつ、その準備に取り組んで行きたいと思っています。
なお、開業の前の週、7月4日土曜日には、今後の「GoToトラベル事業」との相乗効果を図り、旅行業界によるウポポイを中核とした北海道旅行をより一層推進するため、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)及びアイヌ民族文化財団の主催により、旅行業者の皆さまを対象とした「北海道観光セミナー」を地元で開催する予定となっております。
同セミナーでは、ウポポイの施設紹介のための内覧も実施されると伺っており、私自身も出席する予定です。
この機会を通じて、旅行業者の皆さまにもウポポイの魅力を御理解いただき、より多くの方々にウポポイを訪れていただきたいと考えております。
さらに、観光・交通分野等の現場における実情及び課題を踏まえて、「ウィズコロナ・ポストコロナ」の取組に邁進していこうと考えています。
詳細は後ほど資料を配布させていただきます。
私からは以上4点です。

質疑応答

(問)冒頭で御発言のあった国内観光についてですが、国内観光のあり方として、まずは同じ県内、近隣の観光を御推奨されるのか、それとも広域的な移動を伴う観光も含めて御奨励されるのか、お考えを聞かせてください。
(答)冒頭申し上げましたように、本日からの移動自粛の解除に伴いまして、観光につきましても、これまで「県内で徐々に取り組む」とされていたものが、「県をまたぐものも含めて徐々に取り組む」となったところです。
既に約40の道府県において、独自の観光キャンペーン、県民割とかクーポンの発行等々が展開されてきておりますが、その多くは、県民向けに県内の観光を呼びかけたものであると承知しております。
この一連のキャンペーンは、大変好評を博しており、県によりましては、あらかじめ用意した補助枠を使い切って、追加の枠を設定したところもあると伺っているところです。
こうしたことから、国民の皆さまの中には、コロナ禍の影響を受けつつも、旺盛な観光需要があるものと考えておりますし、また、馴染みのとか、地元の老舗とか、観光地をしっかりと守っていこうと、そうした県民の皆さまの思いを痛感しているところです。
こうした各県の観光振興の取組ですとか、現時点での旅行者の観光需要の動きについては、まずは近場から始めて、新型コロナウイルスの影響を見極めつつ、徐々にその範囲を拡大していく、という考えによるものだと認識しております。
こうした考えは、私はある意味、自然なものだと理解をしておりまして、このような動きの中で、着実に観光の再開・拡大に向けた国内の機運が高まることは歓迎すべきものと考えております。
いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、こうした各県での取組を一緒に支援させていただきながら、安心して観光・旅行に行っていただけるような環境整備に取り組むとともに、県外観光も対象とするGoToトラベル事業を8月の早い段階で開始できるよう、可能な限り速やかに、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
 
(問)先日発表された観光白書の件で、訪日客4000万人という目標が記載されませんでしたけれども、今後の観光政策についてインバウンドも含めて見直しが必要ではないかと思いますが、大臣の考えをお聞かせください。
(答)まず、2016年に「明日の日本を支える観光ビジョン」で設定しました訪日観光客の目標を撤回したわけではありません。
しかしながら、このたびの新型コロナウイルス感染症の世界的拡がりの中で、訪日観光客数はほぼゼロになってしまったことは、政府として感染拡大防止を最優先の課題と位置づけまして、世界の感染状況に鑑み、水際対策を徹底してきたことによる結果であると考えておりますが、他方でそうしたことから観光関連業界への影響は大変深刻だと当然認識しております。
まずは、大きな打撃を受けた地域観光産業の事業継続や雇用維持に全力を尽くし、そして、冒頭申し上げましたが、安全・安心に旅行できる環境を整備するとともに、GoToトラベル事業によって、国内の観光需要をしっかりと喚起してまいりたいと考えております。
また、訪日観光客数の回復は、ある程度時間を要することが予想されますので、この期間を活用し、これまでの課題であるWi-Fi環境の整備、多言語対応、洋式トイレなど、訪日外国人旅行者の受入環境の整備、また、バリアフリー化・耐震化等をしっかり進めていきたいと考えております。
こうした厳しい状況下、また、アフターコロナ・ウィズコロナの「新たな生活様式」が求められる中、わが国の観光立国政策を中長期的にどのように進めていくかは大変重要な課題であると認識しております。
確かに、我が国の観光関連産業は非常に厳しい状況にありますが、他方で、我が国の自然、食、伝統文化、芸術、風俗習慣、歴史など、日本各地の観光資源の魅力が毀損されたわけではないと考えております。
今年度は、「観光立国推進基本計画」の最終年度でもあることから、今後、欧米諸国からの誘客、長期滞在の促進、MICEの誘致、ナイト・エンターテイメントなどを通じた観光消費の拡大など、我が国観光政策の課題を含め、ウィズコロナにおけるインバウンド政策について幅広く議論を行い、まさに観光立国の実現に向けしっかりと取り組んでまいります。
 
(問)九州新幹線長崎ルートについてお聞きしますが、先日、国土交通省から佐賀県に対し、5つの整備方式に対応できる環境アセスの実施を提案されましたけれども、佐賀県の方はこれに同意できないという意向を即座に示されました。
佐賀県のリアクションについての受け止めと、今後の国土交通省の対応についてお聞かせください。
(答)16日に、鉄道局より佐賀県に対して、「幅広い協議」の対象となる5つの整備方式の全てに対応できる環境影響評価の手続きについて提案を行ったところです。
本提案については、5つの整備方式全てについて、腰を据えて協議を行うことが可能となる案として、鉄道局として知恵を絞って御提案させていただいたものと承知しておりますが、現在、佐賀県議会でも議論が行われているものと承知しております。
佐賀県には、この提案の趣旨を十分に御理解いただきたいと思いますし、ようやく国と県の協議の場もできておりますので、国土交通省といたしましても、協議の場でしっかりとこの点も含めて議論していきたいと考えております。
 
(問)関連しまして、地元の報道で、来週にも大臣が佐賀県を訪れて、大臣と面会するように調整をされているとの報道があったのですが、その調整状況はいかがでしょうか。
(答)来週の出張につきましては、まだ調整が整っていないので、整い次第御報告いたしますが、かねてより、このGoToトラベルを始めること、新型コロナウイルスの関係があり、政務三役で手分けをして、各地で観光関係、運輸関係の事業者の皆さんからヒアリングを行うことを予定しておりましたが、コロナウイルスの拡大の中で頓挫していたものを再開しようということです。
ですから、前回、九州地区に行く予定でありましたが行けませんでしたので、そうしたことをメインに。
また、昨年、一昨年の自然災害からの復旧、復興の状況を見ることを考えているところです。
最終的な日程を詰めているわけではありませんが、佐賀県にも参りたいと思っておりますので、そうした会合には県知事へおそらく出席の御案内を出すことになると思いますし、もちろん機会があるのであればお会いしたいと考えております。
 
(問)ウポポイについて伺います。7月12日の開業ということですけれども、開業の当初から、全国各地から幅広く集客することを目指されるのでしょうか。
テーマパークの中にはまだ休園中であったり、地元住民に限定して開業したりというところもありますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)詳細はこれから、町民向けの内覧会を終えて、この約1か月の間に北海道の地元、また白老町(しらおいちょう)の皆さんとも打合せをしたうえでやっていかなければいけないと思っておりますが、スタートを切る以上、基本的な考え方は、皆さんに喜んでいただけるような、国としても相当肝入りで作った施設でもありますし、同時に白老町の皆さんには、全員がウポポイ大使というような位置づけで、地元の施設として愛していただきたいと思います。
もちろん、過程の中で、北海道の感染の状況等を見ながら、執らなければいけない対応については適時適切にしっかりと執っていきたいと思っておりますが、現時点ではまだ詳細について決めているわけではありません。

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