大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年12月13日(金) 10:49 ~ 11:10
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、1点御報告があります。
本日の閣議で「採用試験の対象官職及び種類並びに採用試験により確保すべき人材に関する政令」の一部を改正する政令が閣議決定されました。
海上保安庁では、「海上保安体制強化に関する方針」に基づき、巡視船・航空機等を増強しているところですが、これらを指揮する幹部職員も計画的かつ安定的に確保・養成していく必要があることから、既存の海上保安大学校学生採用試験に加えまして、一般大学卒業者を対象とした新たな採用試験を設置したものです。
本日の閣議決定を受け、海上保安庁では全国の大学への周知の強化や説明会の実施など募集活動を本格化させます。
詳細については、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
また、閣議とは別に御報告がもう1点あります。
東京港臨港道路南北線トンネルの名称の決定についてです。
国土交通省では、東京港の渋滞対策、また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の渋滞緩和にも資することから、同大会まで、令和2年春頃の完成を目指して東京港臨港道路南北線の整備を進めているところです。
今般、南北線トンネル部の名称の一般公募を行い、審査の結果、本トンネルが東京港の海の森エリアを通ることにちなみまして、正式名称を「東京港海の森トンネル」、愛称を「海の森トンネル」と決定しましたので御報告させていただきます。
来年春頃の完成に向け、しっかり整備を進めてまいりたいと思います。
詳細につきましては、後ほど資料を配付させていただきます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)昨日、与党の税制改正大綱がとりまとめられました。
国土交通省関連につきましては、とん税・特別とん税が半減の引き下げかと思いますけれども、こうしたことや、一定基準を満たした自販機について訪日客向けの消費税免税制度ができる等の措置が盛り込まれました。
主要項目について、期待する政策効果、また、今後の国土交通省としての対応方針をお願いします。
(答)昨日12日、自民党・公明党において、与党税制改正大綱がとりまとめられ、その中で、国土交通省の要望につきましても所要の措置が盛り込まれたものと承知しております。
まず、欧州・北米航路に就航するコンテナ船が国際戦略港湾に入港した場合、とん税・特別とん税につきましては、負担を半減させる措置が創設されることになりました。
このことによりまして、我が国の港湾の競争条件が改善され、秋の臨時国会で成立いたしました改正港湾法と相まって、我が国の国際戦略港湾へ寄港する国際基幹航路の維持・拡大が図られることを期待しています。
また、自動販売機の件ですけれども、本人確認のための顔認証機能などを有する自動販売機を設置した場合には、人員を配置しなくても、免税店の許可を受けられる措置が講じられることとなりました。
このことによりまして、地方の空港や駅を含め、訪日外国人旅行者の皆さんへの販売機会が増加し、広く全国での免税店数の増加や外国人旅行消費額の拡大につながっていくことを期待しているところです。
今言った2点の措置を含めまして、大綱に盛り込まれた税制措置を最大限に活用しながら、国土交通行政に係る重要課題に取り組んでまいりたいと考えています。

(問)タクシー運賃・料金について、来年2月1日に改定して、消費増税の際には一旦見送られていた従業員の方の待遇改善分についての賃上げを認める方向となりました。
増税による経済への下押し懸念等もあって見送られた経緯があるかと承知しておりますけれども、そうした懸念は払拭されたという御判断だったのでしょうか。
また、利用者目線に立って見送られたと理解していますけれども、事業者側からすると、メーターを2回取り替えたりなど手戻りがあったり、時間、コスト、手間もかかったのかなと思うのですが、その辺の受け止めも含めてお願いします。
(答)全国48地域で申請がなされていますタクシーの運賃改定につきましては、10月1日の消費税率改定と同日には実施しないということで、審査を継続していました。
今般、様々な経済状況等を勘案しながら、関係省庁との調整も整ったということを受けまして、本日、各地方運輸局において改定内容を公示し、来年2月1日から運賃の値上げを実施することといたしました。
タクシーは地域においてなくてはならない公共交通機関であり、特に今回の一連の災害時でも、大変な状況の中、復旧、復興、救援に多大な御尽力をいただいて、公共交通機関としての役割を果たしているということ、また、高齢者の免許返納後の受け皿としてですとか、また、観光客の皆さんの足として、ますますその重要性は高まってくると考えております。
他方、これまでタクシー業界の運賃改定は近年なかなかなされていなくて、最長で24年間運賃の改定がなかった地域もある中で、公共交通機関のサービスを提供していただくためにも、最低限の原資を確保するという観点から、実施したわけです。
人手不足対策や労働環境改善に加えまして、タクシー自体のバリアフリー社会の実現やインバウンド旅客への対応に向けたタクシーの進化・改善を推進していくことも必要だと考えているところです。
なお、タクシー需要の動向について、事業者へのヒアリングなども実施しましたが、消費税率改定の影響は限定的であると考えられたところです。
消費税と同時に上げるということは、なかなかバリアも高かったと思います。
それで見送られたわけですけれども、そうしたことも、今の状況を考えると、両面勘案して、今回の運賃はやむを得ないことだと判断し、こうした実施時期を決定したところです。

(問)一昨日の11日ですが、九州新幹線西九州ルートの整備をめぐりまして、佐賀県の山口知事と面談されました。
差し支えない範囲で、どのようなお話をされたのか。
認識の共有、今後の方針、どのようにお考えでしょうか。
(答)佐賀県の山口知事との対談は11日で2回目で、1回目は、これまでの本件についての佐賀県の責任者としての率直な御意見を聞いて、2回目として、私の方からは、佐賀県の意向はよくわかったので、それを踏まえながら幅広く具体的に協議を進めていきたいので、そうした場を作りたいということを申し上げたところです。
佐賀県知事からは、そうした主旨はよく理解をしていただいたと承知しておりますが、一昨日の段階では前向きに検討させていただきたいということで、今後の協議の進め方につきましては、具体的には佐賀県の意向を踏まえながら、事務的に調整を進めてまいりたいと考えております。
(問)政府の予算編成も大詰めですけれども、北陸新幹線に対して予算をどう確保していくかという観点から、西九州ルート環境アセスメントの費用計上はどのような御対応をされるおつもりでしょうか。
(答)予算編成の間に環境アセスについて佐賀県が合意をしていただければ、計上できればと思っていますが、現状、佐賀県の意向なしにこちらで勝手に計上するつもりはありません。

(問)先ほどのタクシー運賃の関係で追加で質問させてください。
今回の運賃の改定の流れの中では働き方改革や人手不足といったタクシー業界での問題があっての要望だったと思います。
それに対して、国の方からは、利用者に対して働き方改革や人手対策、こういったことをしっかり説明するようにとの通知も先日ありましたけれども、今回の改定にあたって、タクシー事業者に利用者側へのどのような説明を求めていくのか、その辺りの国の考え方をお願いします。
(答)私自身、タクシー業界については、これまでも、業界として努力、サービスの改善等、具体的に実行しながら大いに発信していくべきだということを、大臣になる前に議員連盟の役員もやっておりましたので、そうしたことを率直に申し上げてまいりました。
例えば、アプリの導入も随分進んでおりますし、それに伴ってキャッシュレスや乗る前に運賃を確定するような制度、UDタクシーの導入、ジャパンタクシーのような形も始まっておりますので、この何年間かはわかりませんが、客観的に言っても、タクシー業界の状況というのは随分改善しつつあるのではないかと。
そこが進んでいますと、一部そういうことを立派にやられている会社については、新卒の方達も入ってきているという話も聞きますが、まだまだ地方都市ではこれからという課題もあると思いますので、運賃が上がるというのは最低限の原資の確保というのもありますけれども、利用者にとっては負担が増えるわけでありますので、そうしたことに見合ったサービスの改善を行って、確かに良くなったということを実感していただけるような不断の努力を行ってもらいたいと考えております。

(問)九州新幹線の佐賀県知事との会談の部分でお伺いしたいのですが、大臣は佐賀県の意向を踏まえてという御発言がありました。
佐賀県はフル規格を前提としない協議を求めております。
一方で、大臣は、これまで、与党のフル規格方針というのは重く受け止めると仰られておりました。
この両点について、どのように整合性というかあるいは両立を図っていくお考えでしょうか。
(答)一見矛盾するように聞こえるかもしれませんが、矛盾はしない知事との間での話し合いだったと思います。
知事は、我々は最初からフル規格しかという結論ありきだという態度ではテーブルに着けないという話でしたので、私は、それは多分佐賀県の意向を丁寧に聞いてこなかった部分があるのだろうと思いまして、知事が言われていることをもう少し丁寧に聞きながら、国土交通省として、佐賀県知事は五択と言われておりましたが、一つ一つお話をさせていただいて、国土交通省としての考えもそこで申し上げたいと考えております。
これまではそうしたテーブルに着くことがなかったので、どのように解決していくのかという直接的な話し合いが国土交通省と佐賀県の間で持たれていなかったと承知しておりますので、率直な佐賀県の意向を聞きながら、よりよい解決点を探し出せればいいなと思っております。
整備新幹線は、短期間の話ではなくて、20年・30年後を見通した地域の利便性の向上とか、地方創生に大きく関わってくる大きなプロジェクトでありますので、そうしたことも踏まえながら、こちらの思っていることは率直に申し上げて、佐賀県として受け入られること、受け入られないこと、これまでなかなか示せなかったけれどもこうしようかというような御意見が出てくるのではないかと思っていますので、精力的にしっかりと議論を進めていける場を作ってもらいたいということについて、おそらく合意をしていただけるのではないかと思っております。
(問)追加でもう一点、事務方で調整していくということなのですけれども、いつ頃までにその調整を終えて、いつ頃協議を始めたいかというお考えがあればお聞かせください。
(答)私から協議の場を作ってほしいということは投げていますので、佐賀県からそんなに遠くなく返事が来ると思いますので、回答が来次第、丁寧に話さなければいけないけれども、ダラダラとやって結論を求めるというのではなくて、知事にも申し上げましたけれども、しっかりと根を詰めて議論を重ねていきたいので、具体的なことは、いつまでとかいつからとかという話は一昨日の段階ではありませんけれども、御承諾をいただけるのであれば、そうした議論の場は可及的速やかにスタートして、スタートしないとどのくらい時間がかかるか分かりませんので、まず始めていきたいと考えています。

(問)自賠責の繰り戻しについてお伺いします。
火曜日の会見でも、「あいの会」や「自賠制度を考える会」と面会されて、自賠責積立金の運用益繰り戻しについては、積極的なお考え、お立場なのかと拝しておりますけれども、いよいよ大臣同士の最終折衝も近いだろうというところで、3年連続繰り戻しについての赤羽大臣の決意、お考えがあればお聞かせください。
(答)麻生財務大臣は繰り戻しを実行すると確信しておりますし、信じてもおります。
金額的には折衝しておりませんので申し上げられませんけれども、それに加えて、この前も申し上げましたが療護センターの数が限定的なので、当事者の皆さまにとっては負担が大きいとか様々な御指摘がありましたので、この前の会談を受けて、いくつかの検討課題について、なるべく早く有識者の検討の場を立ち上げて、具体的なタマを用意しながら、今年の予算というより、令和2年度予算は大まかセットされていますので再来年度になるでしょうか、それとは別に、交通事故撲滅と被害者の皆さまのよりよい救済、改善につながるような政策を発信していきたいなと。
そうしたことがあれば、財務省も掛かる費用は必ず返すものだと私は思っておりますので、そうしたことも重ねて進めていかなければならないと思っています。

(問)九州新幹線の関連でもう1点お聞きしますが、先日の佐賀県知事との面談で、先ほども仰っていたように、これまでは直接のやりとりがなかったところから、今後の協議に向けて糸口がついたような状況かと思いますけれども、そういった辺りを踏まえて、先日の面談の成果をどのように評価されるかお聞かせください。
(答)今まで大臣と知事が直接的に腹を割って話し合う場がなかったと承知しておりますので、そうしたことが1回、2回と重ねることができて、3回目以降は私も知事も忙しいので、佐賀に行くとか、東京に来られることも限定的なので、そうしたことは大事にしながらも、実務的な具体的な協議、検討を進められる場を作ってはどうでしょうかという話をしたときに、検討しますということで、正式にはこれから返事をもらうわけですけれども、そうした環境も以前は考えられなかったと承知をしておりますので、当事者である佐賀県の責任者と国土交通省の責任者、それに代わる実務的な協議を立ち上げることは大きな前進ではないかと思っていますし、その結果も期待をしているところです。

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