大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年12月6日(金) 10:16 ~ 10:33
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 今日の閣議で、私の方から報告するものはございません。

質疑応答

(問)昨日、新しい経済対策が閣議決定されました。
防災・減災をはじめ、国土交通省に関係する事項も多く盛り込まれていますが、大臣が今回の経済対策の中で特に重視されていることなどについてお聞かせください。
(答)昨日5日、新たな経済対策として「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」が閣議決定されたことは御承知のとおりです。
国土交通省としては、総理から示された柱を踏まえ、「被災者の生活・生業の再建に向けた対策パッケージ」の切れ目ない実行、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の着実な推進、今回の台風被害を踏まえた更なる施策の実施など、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、これらが1つの大きな災害対策の柱です。
次に、建設業、自動車運送事業など中小企業における生産性向上の取組に対する支援、これをすることで人手が大変厳しい状況ですので、そうしたところを改善するための支援策。
もう1つは、外国人観光客2030年6000万人時代を見据えた基盤整備、そして、最初と少し重なりますが経済活力を支えるインフラの重点整備などの施策を盛り込んでいるところです。
今回の経済対策は、経済の下方リスクを乗り越えるための措置に加え、今申し上げた相次ぐ自然災害からの復旧・復興の加速、防災・減災、国土強靱化の取組の着実な推進と更なる強化など、国民の皆さまの命や暮らしを守るために必要な施策が十分に盛り込まれているものと認識しております。
国土交通省としては、経済対策に盛り込まれた施策が迅速かつ着実に実行されるよう、必要な予算の確保などに取り組んでまいります。

(問)3日の参議院国土交通委員会で、新幹線での車いすの利用の改善について議論がありました。
改めてこのことに関しての大臣の問題意識と国土交通省としての対応方針をお願いします。
(答)この委員会でのやりとりだけではなくて、かねてから、初当選以来と言っても言い過ぎではないのですが、ユニバーサルデザインの社会、共生社会の実現を目指してバリアフリーに関する諸施策に尽力してまいりました。
その過程で様々な障害者団体の皆さまですとか、高齢者団体の皆さまからの現場のヒアリングをする中でいろいろな思いがありまして、その中で、いよいよ2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎える1つの大きな節目で、新幹線の座席の予約方法のみならず、16両編成で2席という現状で本当によいのかどうかとか、ICカードについて障害者の皆さまから先日も御要望をいただいたところですが、西日本では自由に使えるけど東日本では使えないとか、障害者の皆さまだけではなく、外国人の皆さまにとって言語的なバリアですとか、長期滞在される方も多いですから、大きなスーツケースを置くスペースが十分にあるのかどうかといったようなことも含めて、外国人の皆さま、障害者の皆さまのみならず、誰もが移動に際して快適な状況を提供できる鉄道事業者であってほしいというのが、私のかねてからの思いでありまして、そうしたことの一端が出たわけでございます。
そのやりとりを踏まえまして、具体的なソフト対策、ハード対策を検討するために、特に新幹線を運行する鉄道事業者等を集めた検討会を国土交通省として立ち上げることといたしました。
検討会では、時間を要せず実施できる施策については、可及的速やかに実施することを求めて、実現までに時間を要する施策についても、早急に方針を決定し、順次実施したいと考えています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの年が共生社会、ユニバーサルデザインの社会の大きな転機になったというものをしっかりと残していきたいと思っています。
(問)可及的に速やかという話もありましたので、例えば年内に開催して、できるものは年内にやっていただけるものを打ち出すとかありえるのでしょうか。
(答)検討会自体は今月中に立ち上げるようにして、指示していきたいと思います。
(問)16両で2席という御発言とか論点もありますので、例えば車両構造の改善とか、そういったことも中長期的にはあり得るということでよろしいですか。
(答)もちろんこちらが一方的にということはありませんが、ユニバーサルデザインへの向き合い方というのは、企業の姿勢そのものだと思いますので、そうしたことをもう一度見つめ直して改善してほしいというのが主旨でございます。

(問)新幹線に関係してですが、この検討会について、大臣も障害者団体の方のヒアリングなどいろいろと言われていましたけれども、例えばどういうメンバーでどのように進めていきたいのか、構想でもいいのですけれども、よろしくお願いします。
(答)最初に鉄道局からお答えします。
(事務方)JR各社に今調整をしているところで、今後の進め方については現在調整中です。
とりまとめましたら御紹介させていただきたいと思います。
ハイレベルな会を考えております。
(問)例えば直接障害者の方の声を聴くとか、その辺り大臣のお考えはいかがでしょうか。
(事務方)しっかりと団体の意見を聴いてまいりたいと思っておりますが、詳細については現在調整中です。
(答)私も、機会があれば出席して、そうした思いなどはしっかりお伝えしたいと思っています。

(問)今のことに関連するのですが、今回はあくまでも新幹線ということでよろしいのでしょうか。
例えば普通の鉄道ですとか、最近では、鉄道ではないですが、ユニバーサルデザインタクシーの乗車拒否という問題がありましたが、こうしたことを網羅的にやるようなことなのか、あくまでも今回は新幹線ということなのでしょうか。
(答)ユニバーサルデザインタクシーにつきましては、先日会見でもやりとりしたように、ユニバーサルデザインタクシーが乗車拒否をするということはまったく本意ではないので、そのことについて、なぜそういうことが起こっているのか。
ソフト的には従業員の皆さんへの訓練や周知徹底のようなこともあるでしょうし、先日、参議院で里見議員とやりとりもしましたが、物理的になかなか難しい部分もあるならば、それをしっかりフィードバックしてということも思いながら、各業界団体を通じで各社にそうしたことを周知徹底しているところです。
今回は鉄道事業者についてなのですけれども、やはり東京オリンピック・パラリンピックということを踏まえますと、まず大量輸送を担う新幹線。これは外国人の方もたくさん使われますし、現実に現状でよいのかということで、とりあえずは今回の検討委員会は新幹線に係る鉄道事業者ということで始めたいと思っております。
(問)在来線は現時点ではやらないと。
(答)そうですね。
逆に、在来線はスペースを作っていたりとか、必ずしも在来線のほうが遅れているということではないと思います。
この検討会は新幹線に係る鉄道事業者をターゲットにしているということであります。

(問)整備新幹線の西九州ルートの件でお願いします。
佐賀県の未着工区間について、国土交通省が佐賀県の意向を受けて、与党検討委員会が示したフル規格での整備を前提としない協議に応じるという内容の報道がありましたけれども、その事実関係等を教えていただけますでしょうか。
(答)そもそも九州新幹線西九州ルートについては、本年8月の与党検討委員会の基本方針においてフル規格により整備することが適当とされたところです。
国土交通省としましては、この与党の方針は重く受け止めておりますが、これまで佐賀県の意見は私自身直接伺ったこともございませんでしたので、先日初めて知事とお会いをして、そして率直な意見を承ったところです。
それ以上それ以下でもなく、その間に何ら方針変換をしたということではありませんが、佐賀県の御意向は全く聞いたことがない状況だったので、それを知事から1対1で直接聞いたというのがこの前の1回目でしたので、継続的に、そこで何らかの結論が出たわけではありませんので。
私から申し上げたのは、これからの中長期的な佐賀県の皆さまの地域の利益や利便性等を考えて賢明な御判断をいただきたいということだけ申し上げて、知事のこれまでの思いや考えを承ったということでありまして、今朝新聞を見てびっくりしたのですが、そうした新たな方向転換がこの間決めたということは全くございません。
(問)与党検討委員会の結論を重視した形での議論を続けるということでよろしいでしょうか。
(答)私が就任会見のときにこのことを聞かれて、佐賀県知事とはお会いしたこともないし、会ってないからこのことについて直接のお話を聞かないと、いろいろな人を介したり、報道だと誤解も多いので、まず率直にお会いしたいということで、この前初めて会って、これまでの経緯とか佐賀県の知事の考え方を初めて伺ったということでございまして、次に会うときに議論を深めていくということになるのではないかと思います。
この間、知事が地元で多分発言されたこともあるのかなと思いますけど、そのことも直接聞かないと分かりませんので、お会いする次の機会にその知事の発言の真意をお伺いしながら議論を進めていきたいなと思っております。

(問)安倍晋三首相の発言についてお尋ねします。
2日の参議院本会議において、桜を見る会の招待者名簿の廃棄した経緯について、大型シュレッダーで廃棄作業をしたのが障害者雇用の職員であったと首相が御説明されてました。
それに対して、れいわ新選組の舩後議員からはコメントがあって、職員の属性というのは資料廃棄の根本問題とは関係がない。
職員の弱い立場を利用したとも受け止められる内容と感じると、残念に思うというコメントでした。
障害者支援団体などからも同様の見解で、遺憾に思うとか、疑問を呈すような反応が相次いでおります。
この首相の発言に関して、大臣の受け止め、御所見をお願いします。
(答)このことは内閣府における事務処理の件なので、直接コメントは差し控えたいと思いますが、一般論として、障害のある方の雇用に当たっては、障害の種別や程度に応じて、お一人お一人がその能力を十分発揮できる環境をしっかり整えていくことが重要であると考えております。
もちろん障害者の皆さまの社会参加というのはすごく大事で、それを受け止めていくというのは積極的に国土交通省としてもやっていかなければいけないという思いでありますが、他方で、忘れられがちなのは、私、地元で市民相談を受けたことがありまして、障害というのは人それぞれで、その障害を持たれた方を受け入れる職場環境がないと、大変辛い思いをしていろいろなトラブルが発生するということも、ままあることでありますので、障害者の参加というのは大切ですが、参加に当たって、受入環境も整えていかなければ、結局、一番障害者の皆さまがお困りになってしまうということは避けなければいけない。
正にここもユニバーサルデザインの職場環境を整えるということで、国土交通省としては、そうした思いの中で、引き続き着実に取り組んでいきたいと考えております。
(問)職員の属性を持ち出して御説明をされた首相の発言は問題だという向きがあるのですが、そこへの評価というのは難しいですか。
(答)それについてもコメントは差し控えたいと思います。

(問)先ほどの質問に関連して、佐賀県知事の発言の真意を伺いたい、とおっしゃられましたが、近々佐賀県知事と会われる予定はあるということなのでしょうか。
(答)継続的にお会いしていきましょうということですので、日程調整が付けば、私が九州に行く機会とか、知事が東京に来られる機会をとらまえて、お会いできれば率直な議論は進めていきたいと思っています。

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