大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年9月6日(金) 10:56 ~ 11:12
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
ウポポイに関する管理業務規程の認可についてです。
本日、アイヌ施策推進法に基づく基本方針が閣議決定されたところです。
また、アイヌ施策推進法において、国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定法人が作成するウポポイの管理業務に関する規程の認可を行うこととされています。
これを踏まえまして、本日、文部科学大臣とともに、ウポポイの入場料を1200円と定める等の内容の管理業務規程を認可いたしました。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

(問)昨日、横浜市にある京急の踏切で、快特列車がトラックと衝突して、一部車両が脱線して、34人の死傷者が出る事故がありました。この事故原因と、対応状況についてお聞かせください。
(答)昨日午前11時43分頃に、京浜急行電鉄本線神奈川新町(しんまち)駅から仲(なか)木戸(きど)駅間の神奈川新町第一踏切で、青砥(あおと)発三崎口行の快速特急列車がトラックと衝突、脱線し、死傷者31名を生じる事故が発生しました。
お亡くなりになられた方の御冥福と、負傷された方々の1日も早い回復をお祈り申し上げます。
京浜急行電鉄によりますと、当該トラックは線路沿いの道から踏切に向かって右折する際に切り返しながら踏切内に入ってきて、その間に踏切の警報機が鳴り、遮断機が閉まって、当該列車がトラックに衝突したとのことです。
当該踏切には、踏切内に閉じ込められた自動車などを検知する障害物検知装置が設置されており、正常に動作されたことが確認されています。
また、踏切付近にいた京急の職員が非常押しボタンも操作したとのことです。
国土交通省といたしましては、事故発生後直ちに鉄道局、自動車局及び関東運輸局に対策本部を設置するとともに、運輸安全委員会の調査官3名、事業用自動車事故調査委員会の調査員5名、関東運輸局の職員4名を現地に派遣し、事故原因の究明にあたっているところです。
これらの調査を進めながら、事故の詳細を明らかにし、警察などとも連携してこのような痛ましい踏切事故の防止に取り組んでまいります。
また、国土交通省といたしましては、昨日の午後、当該トラック事業者に対し、関東運輸局による監査を実施したところであり、その結果を今後精査いたしますが、法令違反があれば適切に処分を行ってまいります。

(問)一昨日、IRに係る基本方針案についてパブリックコメントが行われました。
地方では観光の起爆剤として早期のIR実現を望む声がある一方、カジノなどの依存症などの不安を覚える声も根強くあります。
国土交通省として今後IRの実現に向けてどのように取り組んでいくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)一昨日9月4日より、IR整備法に基づく基本方針案についてパブリックコメントを行っているところです。
日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテイメント施設と、収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営されることにより、これまでにないスケールとクオリティを有する総合的なリゾート施設を整備し、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現を目指すものです。
国としては、できるだけ早期にIRの整備による効果が実現できるよう、カジノ管理委員会の設立や基本方針の策定など、所要の準備を確実に進めることとしております。
他方、カジノ設置については、依存症などの様々な懸念があることから、入場回数制限や本人・家族申告による利用制限など、IR整備法で万全の対策を講じています。
また、国は本年4月、ギャンブル等依存症対策推進基本計画を決定し、関係省庁が一体となって対策を推進するための体制を整備しています。
このような取組をしっかり進め、国民の御理解を得られるように努めてまいります。

(問)関連してIR基本方針案についてお伺いします。
基本方針案では、申請期間に関しては検討中ということで明確に示されませんでした。
申請期間は当然その認定申請の手続きのスタートにあたるもので、事業者にとっては収益性の予見性を占う大事な情報だと思っていますが、これを検討中とされた理由に関して、また、それをいつ頃お示しいただけるのかということに関して見通しがあれば教えてください。
(答)IR基本方針においては、認定の申請期間に関する事項についても定める必要がありますが、今回パブリックコメントを行っている案にはその部分は含まれておりません。
認定の申請期間については、IRを整備しようとする都道府県等の意向や準備状況を把握した上で、都道府県等による申請を公平に受けられる期間を定める必要がありますが、都道府県等がIRの整備について検討を行うためには、認定の申請手続きや審査基準など基本方針の主要部分について、国の考え方が示される必要があります。
このため、まず、基本方針案のうち、認定の申請期間に関する事項を除いた部分についてパブリックコメントを行い、その内容を明らかにして、IRを整備しようとする都道府県等の意向や準備状況を把握した上で、改めて認定の申請期間を定め、基本方針案を完成させることとしております。

(問)その目途といいますか、今のところ見込みはありますでしょうか。
県側というか、都道府県や政令市の御意向を踏まえてということなので、そのあたりを調べてからということになるのでしょうが、時期的な目途というのはありますでしょうか。
(答)時期的といいますか、今回のパブリックコメントが終わった後ということに当然になってまいります。

(問)基本方針案を決定する時期そのものについてはいかがでしょうか。
(答)なるべく早くと考えておりますが、まだ具体的にいつというのは決まっておりません。

(問)同じIRに関してですが、基本方針案で書かれていた5つある評価基準の中の1つに、国際競争力というのがかなり大きなポイントとして挙げられていました。
人口が少ない地方都市にとっては、既に競争環境として不利なのではないかという向きもありますが、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今回、パブリックコメントを行っているIR基本方針案の評価基準は、IR整備法の規定や附帯決議などを踏まえて、IRの整備により国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現できるものとなるよう、必要な基準を定めているものです。
これは、IR区域内に整備される各施設が、優れたクオリティや機能を備え、国際競争力の高い魅力あるものであることを求めているものであり、IRが整備される場所が大都市であるか地方都市であるかに関係なく、優れたものが認定されることになると考えています。

(問)そうすると、地方であるかは関係ないということ、その周辺環境のことについてはあまり重視されなくて、施設内が優れているかどうかで判断する、そういうことでよろしいでしょうか。
(答)国際競争力という中では、大宗は、IR区域内に整備される施設が優れたクオリティや機能を備え、国際競争力の高い魅力あるものであることを求めているところでございます。
ただ、一部、評価基準の中で「交通の利便性」や「地域との良好な関係」というのが掲げられているものもありますけれども、利便性や地域との良好な関係についても、IRの整備により国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現できるかどうかという観点から評価基準において必要な項目であると考えておりまして、全国どの地域でありましても、優れた計画であれば認定数の上限を超えない範囲で、認定を受けることができるものと考えています。

(問)南海電鉄のラピートの台車のき裂ですが、のぞみでき裂が見つかって以降、国土交通省で検討会をされて、とりまとめもして、2月には検査マニュアルを見直されていると思いますが、今回、南海電鉄と大阪メトロでもき裂が見つかっていて、事前に見つけられなかったことに関して、追加の対策やマニュアルの見直し等、検討されていることがあれば教えてください。
(答)台車で発生したき裂を事故に結びつけないようにするためには、定期検査等においてき裂が小さいうちに確実に発見して対処することが重要です。
このため、国土交通省では、平成29年12月に発生した、のぞみの台車き裂発生等を受け、本年2月に「台車枠の検査マニュアル」を改正し、溶接部からき裂が進展したときに大事に至るおそれのある箇所等を重点検査箇所に追加すること、重点検査箇所の検査方法はJIS等による探傷(たんしょう)検査の実施を基本とすること等を追加しました。
今回、南海電鉄の特急列車の台車においてき裂が発生した箇所は、重点検査箇所には含まれていなかったことから、南海電鉄においては当該き裂の発生箇所を重点検査箇所に追加する等の取組を行ったところです。
国土交通省としましては、全国の鉄軌道事業者に対して本件について周知するとともに、改めて改正したマニュアルに従った対応を徹底するよう指示したところであり、引き続き、鉄道の安全・安心輸送が確保されるよう対応してまいります。

(問)南海電鉄だけでなく、全鉄道会社を検査対象にするということでしょうか。
(答)鉄道の車両というのはそれぞれ車両ごとにいろいろ違いますので、共通している部分も当然あるのですけれども、個別の車両によって異なる部分もありますから、今回の事例を周知して、よく各社で検討していただくということになろうかと思います。

(問)リニア中央新幹線の関係で1点伺います。
昨日ですが、静岡県知事と愛知県知事が会談しまして、大井川の流量減少問題に関して、JRと静岡県との意見調整に関して、国に更に調整を求めていくという考えで一致しました。
これを受けて国土交通省の対応を今後どうされていくお考えでしょうか。
(答)昨日、静岡県知事と愛知県知事が会談されたことは承知しておりますけれども、会談は御二人の間だけで行ったと聞いておりまして、その中身については承知していないところであります。
リニアの静岡工区の件につきましては、まずは科学的知見等に基づきながら検討が進められることが重要でありまして、国土交通省といたしましては、先月行われました意見交換会の出席などを含めまして、こういった科学的知見に基づく検討が円滑かつ迅速に進められるよう環境整備等に努めてまいりたいと考えています。

(問)発表のありましたウポポイのことに関してお伺いします。
開業まで半年ほどとなりまして、改めて入場料等決まりまして、いよいよ具体化というところかと思いますけれども、改めて開館に向けた意気込みを教えていただければと思います。
(答)ウポポイを運営します「アイヌ民族文化財団」におかれましては、来年4月24日の開業と目標来場者数年間100万人に向けて、引き続き、準備に万全を期していただきたいと考えておりますし、国土交通省といたしましても、内閣官房、文部科学省をはじめとした関係省庁と連携の上、全力で取り組んでまいりたいと考えています。

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