大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年1月11日(金) 9:55 ~ 10:08
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
「2018年の訪日外国人旅行者数」についてであります。
2018年の訪日外国人旅行者数は、対前年比8.7%増の3119万人となりました。
これは、関係省庁の御協力もいただきまして、ビザ緩和、免税店の拡充、迎賓館をはじめとする公共施設の開放など、大胆な取組を戦略的に行ってきた結果だと認識をしております。
また、昨年は、相次ぐ自然災害の影響によりまして、7月以降、伸率に鈍化傾向が見られましたが、災害への迅速な対応に加え、日本政府観光局を中心としてこれまで継続して取り組んできたプロモーションの実施などが実を結んだものと考えております。
なお、訪日外国人旅行者数の国・地域別の数値や要因など、詳細につきましては、現在精査中でありまして、来週の観光庁長官の会見におきまして公表させていただきます。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)2018年の訪日外国人旅行者数ですが、これに関する大臣の評価。
また、2020年4000万人の目標達成に向けた課題と今後の具体的な対策など。
また、2020年を踏まえると、2019年、今年は何万人くらいを目指すべきなのか、そういった数字的なものがございましたらお願いします。
(答)先程申し上げましたとおり、2018年の訪日外国人旅行者数は、対前年比8.7%増の3119万人と初めて3000万人を突破いたしまして、2020年4000万人の目標も視野に入ってまいりました。
これは、戦略的なビザ緩和や消費税免税制度の拡充、CIQ体制の充実、交通ネットワークの充実、多言語表記など受入環境の整備、JNTOを中心としたプロモーションなどの取組が成果となって現れてきているものと認識しております。
2020年4000万人の目標を達成するためには、幅広い国や地域からの訪日外国人旅行者を確実に増加させるとともに、地方への誘客を進めることが重要と考えております。
現時点で2019年の訪日外国人旅行者数の具体的な見通しをお答えすることは困難な状況でありますけれども、本年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会など、ますます日本が世界から注目される機会が増えてまいります。
こうした機会を逃すことなく、「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づきまして、アジア地域からの個人旅行客やリピーター客の取り込みに加えて、欧米豪や富裕層の取り込みによる、新たな訪日需要の掘り起こし。
全国どこでもストレスなく快適に観光できるような通信・交通・決済環境の整備。
文化財の多言語解説の充実など、滞在時の満足度向上などの施策を、国際観光旅客税の税収等も活用しながら、政府一丸、官民一体となって、更に推進してまいりたいと考えております。

(問)京王電鉄の子会社である京王観光が、ツアー参加人数分のJR乗車券を購入せずに、差額分の乗車料金を不正に得ていたという報道があります。
これの事実関係がどこまで調べられているか、また、大臣の受け止め、国土交通省の今後の対応などお願いします。
(答)既に報道にもございますが、京王観光が2007年より、団体旅行の実施に当たり、不正な手段を用いてJR各社に一部旅行代金の支払いを行わなかったこと、また、不正な経理処理を行ったことにつきまして、京王観光から報告を受けております。
本件は、旅行者への直接的な被害はないものの、旅行会社としての信頼を損なう重要な問題であり、極めて遺憾であります。
京王観光におきまして、不正の内容や社員の関与の状況等について引き続き調査中との報告を受けておりますが、国土交通省といたしましては同社に対しまして、早急にこれらの事実関係を明らかにするとともに、JR各社への賠償や再発防止を図り、企業としての信頼の回復に努めるよう指導したところであります。

(問)グアム港に停泊していた商船三井客船の「にっぽん丸」の船長からアルコールが検出された問題について、昨日には立入検査も実施されましたが、国土交通省として現在把握されている事実関係と、それについての大臣の御所感、併せまして、こういった船員の飲酒に対する事業者に管理体制の強化とか、今後国土交通省としての再発防止策、今後の対応などお伺いしたいと思います。
(答)昨年12月末に、「にっぽん丸」がグアム港で港湾施設に衝突した際の乗員の飲酒についてでありますが、商船三井客船株式会社からは、現地の調査当局が事故の数時間後に実施したアルコールチェックにおいて、船長から米国の基準を超えるアルコールが検出されていたとの報告を受けております。
このため、国土交通省では、8日に、商船三井客船株式会社への海上運送法及び船員法に基づく監査を開始いたしまして、昨日には、監査の一環として事業所への立入検査を行いました。
現時点における監査内容の説明は控えさせていだだきますけれども、仮に飲酒等に係る基準への違反の事実が確認されれば、極めて遺憾なことであり、その場合には、違反の重大性等を踏まえ、行政処分も含め必要な措置を厳正に実施してまいります。
なお、飲酒に係る基準の遵守につきましては、一昨日、関係の事業者団体に対して、文書により、その遵守の徹底を改めて指導したところであります。
今後の対応につきましては、飲酒等に係る基準の遵守を確保するため、一定の船舶につきましては、操船等の業務前のアルコール検知器を使用したチェックや、その記録の保持の義務付けなど、実効性のある方策を導入することを早急に検討してまいりたいと考えております。

(問)日本航空の飲酒問題ですが、先日、パイロットのアルコール検査のすり替え事案があり、国に報告しなかったことが明らかになり、また今日、先月の客室乗務員の飲酒について業務改善勧告が出たと。
一連について、大臣の御所感と今後の対応をお聞かせください。
(答)日本航空の件について、2件御質問がございました。
まず、アルコール検査の代行させていたということでありますけれども、平成29年12月2日に、日本航空の機長が乗務前のアルコール検査を同乗の副機長に代行させていたことは、極めて悪質な不正行為であると認識しておりまして、また、立入検査や報告徴収において検査記録が確認できない事例の報告を求めた際に本件が報告されなかったことは、誠に遺憾であります。
航空会社、パイロットには、これまでの飲酒に対する意識・姿勢により日本の空に対する信頼が損なわれており、意識改革を早急に進めていく必要があることを改めて認識していただきたいと考えております。
国土交通省といたしましては、日本航空に対して詳細な事実関係の報告を早急に行うよう指示しており、報告される内容を確認するとともに、昨年12月21日に同社に対し発出した事業改善命令を受けて報告される内容も併せて確認の上、必要な措置を講じてまいります。
それから、客室乗務員の件ですが、昨年12月に発生いたしました日本航空の乗務中の客室乗務員から制限値を超えるアルコール数値が検出される事案について、その後の社内調査の結果、当該客室乗務員が飲酒した事実を認めた点については、日本航空から報告を受けております。
同社については、昨年6月にも客室乗務員が乗務中に飲酒した事案に対する厳重注意を受けているにもかかわらず、また、航空業界全体として飲酒に関する意識向上や飲酒に関する航空法等の遵守の徹底が強く求められている中、同様の事案を繰り返したことは、これらの違反行為等が安全上重要な問題であるという認識や法令遵守への意識が組織的に欠如していると言わざるを得ず、極めて遺憾であります。
国土交通省では、本事案での報告及び昨年実施いたしました立入検査の結果を踏まえまして、本日、日本航空に対しまして、客室乗務員に関して追加的な措置も含めて再発防止策を講じるよう業務改善勧告を実施いたしました。
国土交通省といたしましては、「航空従事者の飲酒基準に関する検討会」におきまして、客室乗務員や整備従事者等への飲酒ルールについても検討を進めるなど必要な措置を早急に講じるなど、航空の安全に対する信頼をできる限り早く回復できるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。

(問)飛行機とか船以外に、旅客運送では鉄道もあると思いますが、各社独自の判断で乗務前の飲酒の検査をしていると思いますが、一部報道にもありましたが、国としてチェックを義務付けたり何か基準を設けたりするお考え、現在の検討状況があれば教えてください。
(答)鉄軌道におけるアルコール検査につきましては、現在、インフラのみを所有する事業者などを除く、鉄軌道事業者全174社のうち171社におきまして、社内規程によりアルコール検知器による検査を実施しており、残りの3社においても導入が計画されております。
また、アルコール検知器を使用している鉄軌道事業者のほとんどは、社内規程によりアルコール濃度が呼気1リットルにつき0.1mg以上の場合は乗務をさせていないとの報告を受けております。
鉄軌道における検知器での検査の義務付けや統一的な数値基準の設定につきましては、このような各鉄軌道事業者のアルコール検査の実施状況や、他の交通モードにおける検討状況なども踏まえまして、現在、鉄道局において検討を進めているところであります。

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