大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年9月11日(火) 10:37 ~ 10:55
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
台風第21号による影響でタンカー船が衝突した関西国際空港連絡橋についてでありますが、現在、ネクスコ西日本が損傷した橋桁の撤去のための準備作業を進めているところであります。
明日12日より、損傷した橋桁を、クレーンで吊り上げて撤去する作業に着手する予定であり、天候等による不測の事態が生じなければ、14日に橋桁の撤去が完了することを目標に作業を進めます。
この作業が順調に進めば、鉄道桁の据え直し作業にも着手でき、鉄道による空港アクセスにつきましては、先週の時点で概ね4週間後の運転再開を目指すとしていたものを、1週間程度短縮をいたしまして、月内にも再開できる見込みであります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)関西空港について、3点伺います。
1点目、A滑走路なんですけれども、再開について復旧プランでは9月中旬というお話がありましたけれども、その後、具体的な日程の目途はつきましたでしょうか。
もしついていたら教えていただきたいです。
2点目は、関西空港の、特に国際便の発着便について、伊丹と神戸の振り分けを考えているということだったのですが、現状の見通しを教えていただきたいです。
3点目は、台風の災害から1週間経ちましたが、災害の被害を未然に防ぐ対策について、1週間経って見えてきた改善点があれば教えてください。
(答)関西国際空港のA滑走路の暫定運用による発着につきましては、7日に公表いたしました「関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン」に基づき取り組んでいるところであります。
現在、関係者による復旧作業や調整を進めているところでありますので、現時点では具体的な日程を申し上げることはできませんが、週内にもA滑走路及び第1ターミナルの南半分の暫定運用が実現するよう関係者一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
それから、関西国際空港の本格復旧までの間、関西全体の航空需要に対応するために、伊丹・神戸両空港に国内・国際便を受け入れる態勢の確保が必要であると考えております。
国土交通省といたしましては、伊丹空港につきましては国際線を含めまして1日20便の増加を、神戸空港につきましては国際線を含めまして1日15便の増加を地元に依頼しておりまして、現在も地元関係者との調整を進めているところであります。
早急に関西国際空港の代替手段が確保されるよう努力をしてまいります。
それから、関西国際空港の事前対策面の課題についてでありますが、まずは空港機能の復旧に向け努力することが重要と考えております。
その上で、関西国際空港における事前の対策が十分なものであったかどうかにつきましては、まずは関西エアポートにおきまして、しっかりと検証していただきたいと考えております。
国土交通省といたしましても、関西エアポートによります今般の台風第21号の対応につきまして、検証してまいりたいと考えております。
また、今回の事案を踏まえまして、海上にある空港につきまして、事前に講じてきた災害対策を検証し、必要な新たな対策を検討してまいりたいと考えております。

(問)関西、北海道と、外国人に人気の観光地が連続して被災した形になりますけれども、インバウンドへの影響と今後の国土交通省の対応について、お考えがあれば教えてください。
(答)関西、北海道は訪日外国人旅行者が多く訪れる人気の高い地域の1つであります。
今般の災害のインバウンドへの影響につきましては、現時点で具体的な数字を申し上げることは困難な状況でありますけれども、訪日者数のマイナスの影響が広がることを懸念しております。
このため、日本政府観光局の現地事務所を通じまして、現地の旅行会社等へのヒアリングなどを行い、海外からの旅行者の動向を把握してまいりたいと考えております。
政府といたしましては、初動の対応といたしまして、日本政府観光局の各海外事務所のホームページ及びSNSによりまして、交通機関の運行情報等や被災地域の状況など正確な情報発信を行ってきたところであります。
今後、訪日者数へのマイナスの影響を最小限に抑えるために、関西国際空港のB滑走路の活用に続きまして、A滑走路の暫定運用に向けた復旧作業を進めるとともに、国際線の運航状況や観光地の復旧状況等を踏まえまして、日本政府観光局を通じて、旅行者目線で必要な情報の発信やプロモーション等を行って、風評被害の防止に努めてまいりたいと考えています。

(問)関空の関連なのですけれども、現在、関空、伊丹、神戸と機能を分散して、国際定期便を唯一受け入れているのは関空だけなのですが、今回のような事態を踏まえると、リスクヘッジの観点から、通常時から伊丹や神戸でも国際線の定期便を受け入れるほうがよいのではということも考えられるのですが、大臣の御所感をお願いします。
(答)関西3空港につきましては、地元関係者による長い協議の結果、役割分担や運用のあり方について平成17年に合意形成に至りまして、その地元合意に従って、現在、運用されているところであります。
今般、関西国際空港の被害を踏まえて、復旧するまでの間の代替機能を確保するため、伊丹・神戸両空港に国内・国際便を受け入れる体制を確保するよう、地元関係者と調整しているところであります。
今後、関西3空港の役割分担や運用の見直しをする場合は、地元による新たな合意が必要となります。
3空港を運営する関西エアポート株式会社の意向も踏まえて、地元による議論が必要となると考えております。
いずれにいたしましても、まずは関西国際空港の早期復旧に向けて、全力で努力してまいりたいと考えています。

(問)自賠責の一般会計からの繰戻しについてお尋ねします。
今般、事項要求のほかに、具体的な数字が盛り込まれております。
この妙案について、国土交通省の意気込みと、こうした取組にどういう思いが込められているのか教えてください。
(答)昨日も、自動車事故被害者団体や自動車ユーザー団体等から構成される「自動車損害賠償保障制度を考える会」より、「自動車安全特別会計からの一般会計繰入金に係る要望」がなされたところであります。
一般会計から特別会計への繰戻しについては、今年度の予算において、平成15年度以来15年ぶりに23.2億円が繰り戻されることとなったものの、平成30年度末時点でなお6159億円が繰り戻されていない状況となる見込みであります。
昨年、財務大臣との間で交わした新たな合意におきまして、毎年度の繰戻しについては、「被害者等のニーズに応じて、被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう十分に留意しつつ」、協議の上決定されることとされております。
今般の概算要求におきましても、一般会計から自動車安全特別会計へ着実に繰戻しが行われるよう、事項要求をしているところであります。
着実に繰戻しがなされるよう、年末の予算編成に向けまして、財務省とよく協議をしてまいりたいと考えております。

(問)2点あって、1つは確認ですが、先ほどの代替空港は、国際線を含めて神戸で1日20便でよろしかったでしょうか。
(答)国際線を含めて伊丹で20便、神戸で15便。
発着回数はその2倍になります。

(問)もう1点は話題変わって、米国のテキサスの高速鉄道に関連する資金拠出で、先月末に改めて大臣が認可して、昨日、国土交通省として正式に資金拠出を認可したと発表がありましたが、日本の新幹線、インドに続いて米国のテキサスを狙うという形になりますが、改めて大臣の御所見と、可能性への意気込みや狙いについてお願いします。
(答)テキサス高速鉄道事業は、日米の象徴的なインフラ協力プロジェクトであり、2015年にJOINが約49億円の出資を行ったのをはじめとしまして、日本として積極的な支援を行ってきたところであります。
今般、来年上半期の建設開始に向けまして、この事業を更に加速させるため、JOINが国際協力銀行と共同で特別目的事業体を設立し、そこを通じて鉄道事業の運営を担うテキサス・セントラル・パートナーズの子会社に対して、約101億円を拠出したいとの認可申請がありました。
国土交通省としては、この申請を受けて、8月31日付けで認可を行ったところであります。
今回の認可により、テキサス高速鉄道事業の実現に向けた支援体制がより強固なものになると考えております。

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