大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年6月15日(金) 9:07 ~ 9:19
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
高速道路の暫定2車線につきましては、対向車線への正面衝突事故が発生するなど安全性に課題があるため、緊急的な対策といたしまして、これまでのラバーポールに代わりまして、ワイヤロープを試行設置し、検証を進めてまいりました。
今般、技術検討委員会におきまして、土工区間につきましては、飛び出し防止効果が確認され、実用化が可能との検証結果がとりまとめられたことを踏まえまして、無料区間を含めた全国の高速道路におきまして、土工区間においては、4車線化や付加車線の事業実施箇所を除いて、ワイヤロープを本格設置することといたします。
具体的には、今後、暫定2車線で新たに開通する区間におきましては標準設置するとともに、開通済の区間におきましては、4車線化や付加車線の事業実施箇所を除き、概ね5年での設置を目指し、順次設置してまいります。
なお、残る橋梁区間・トンネル区間につきましては、引き続き検証を進めてまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)本日、住宅宿泊事業法が施行されました。
違法民泊を排除して健全な市場を育成するということや、あるいは、観光立国に向けて宿泊の受け皿整備をしていくといった課題があるわけですけれども、施行に当たりまして、大臣の所感をお聞かせください。
(答)住宅宿泊事業法につきましては、急速に拡大する民泊サービスにつきまして、安全面・衛生面の確保がなされていない等の問題への対応や、訪日外国人旅行者が急増する中、多様化する宿泊ニーズへの対応を図るため制定され、本日施行したところであります。
特に、違法民泊対策につきましては、この法律によりまして、違法民泊の仲介サイトの掲載も禁止されることとなり、厚生労働省、警察庁、地方自治体等の関係機関と緊密に連携し、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
国土交通省といたしましては、住宅宿泊事業法を適切に運用すること等によりまして、健全な民泊サービスの普及を図るため、引き続き、全力を尽くしてまいりたいと考えています。

(問)ワイヤロープについて質問です。
ワイヤロープの具体的な効果、課題及び設置予定延長についてのお考えを。
あと、ワイヤロープも含めた高速道路の暫定2車線に対する今後の具体的な取組を教えていただけますか。
(答)ワイヤロープの効果につきましては、昨年の春から土工区間及び中小橋梁の約115kmにおいて試行設置を行いました。
対向車線への飛び出し事故が、設置前に同じ区間で年間45件だったものが1件に減少するなど、高い飛び出し防止効果を発揮しております。
一方で、中小の橋梁については、支柱の固定方法等に課題が見られるため検証を継続することといたしまして、また、長大橋梁、トンネル区間につきましては、土工区間より幅員が狭いことなどから、引き続き公募選定技術の性能検証を進めてまいります。
なお、設置可能な土工区間は全国で約1500kmありますけれども、今後の具体的な設置の進め方につきましては、過去の対向車線飛び出し事故の発生状況や4車線化の事業化の目途も踏まえつつ、警察等との関係機関と協議を実施の上、決定することとしたいと思います。

(問)民泊についてですが、新法に基づく届出数が2700件余りということで、これまで掲載されていた数と比べると低調ではないかと思うのですが、お考えをお伺いできますか。
(答)観光庁から発表させていただいたとおり、6月8日時点での住宅宿泊事業の届出受付の件数は2707件となっております。
ただ、相当数の関係者が地方自治体の窓口等に相談に訪れていると聞いているほか、コールセンター、ポータルサイト等の利用者も増えていることから、今後も届出件数は継続して増えていくと考えております。
また、民泊サービスの提供に当たっては、住宅宿泊事業法に基づくもののほか、旅館業法に基づく簡易宿所の営業許可や特区民泊の認定によることも可能でありまして、その許可件数等は増加傾向にあると聞いております。
いずれにいたしましても、合法な民泊を増大させることが可能となるよう、関係機関と連携しまして、円滑な届出の促進に取り組んでまいりたいと考えております。

(問)エアビーアンドビーが無届物件の予約を強制キャンセルした件で、先方は苦渋の決断というような表現を使って、観光庁の措置に対する疑問を呈しているのですけれども、解禁直前ということで混乱も広がったのではないかというような指摘もありますが、これに対する考えを教えてください。
(答)違法民泊の仲介につきましては、6月15日、本日から施行される住宅宿泊事業法により禁止されることとなります。
このため、合法民泊への予約の変更等を求めることにつきまして、年初から繰り返し仲介事業者に対して要請してきたわけであります。
そして、今般、6月1日に改めてこの点を確認するため通知を発出したところでありますから、突然、直前になって言い出したということではございません。
国土交通省としましては、併せて、旅行業界等に対しまして代替の宿泊施設の確保等の必要な協力を要請するとともに、仲介業者に対しましては合法物件に関する情報を提供するなど、必要な対応を行っております。
引き続き、違法民泊の排除を図るとともに、国内外の旅行者の方々に対する影響ができるだけ生じないように、関係者と連携して、できる限りの措置を講じてまいりたいと考えております。

(問)IR整備法案の関係なのですが、昨日、衆議院に対して野党から大臣への不信任決議案が出されましたが、これについての受け止めと、改めてなのですが、整備法案、今国会での成立に向けた意気込みについてもお考えをお聞かせください。
(答)IR整備法案につきましては、法律案を提出した立場から申し上げますと、今国会での成立を目指していきたいと考えております。
不信任案につきましては、私は不信任案の対象でありますので、特段のコメントはございません。
国会での御判断を待ちたいと思います。

(問)民泊に関して2点伺いたいと思うのですけれども、届出に関してかなり複雑だという話で、個人の事業者に対してハードルが高くて、結局、蓋を開けてみたら、大手の事業者の物件ばかりではないかとの指摘もあるのですが、本来、ホームステイのような形で日本の文化を発信していくというのも狙いで1つあったと思うのですけれども、こういった現状に関してどのようにみているのか大臣の考えを教えてください。
(答)届出が複雑ではないかという御指摘があることは承知しておりますけれども、そんなに極端に複雑なものだとは思っておりませんし、また、窓口等で丁寧に対応していただきたいと思っております。
本日までに届出をしなければいけないということではなくて、事業を開始するまでに届出をすればいいわけでありますので、今後もしっかりと手続きをしていただいて、届出をしていただければと思っております。

(問)特段、新たに窓口を設置するだとか、個人の事業者がもっと届出しやすいように仕組みを作るとか、そういったことは今の段階では考えていないということでしょうか。
(答)コールセンター、相談窓口等がございますので、それを引き続き御活用いただきたいと思っています。

(問)引き続き民泊について1つお伺いします。
先ほど、今後、合法な民泊を増大させるように関係機関と連携してということでしたが、現時点でもう少し具体的に何か増大のために考えているような施策等あれば教えてください。
(答)合法な民泊といいますのは、いわゆる住宅宿泊事業法に基づく民泊、それから簡易宿所、それから特区民泊等ございますから、それぞれに応じてお選びいただきたいと思いますけれども、そういったPRも引き続きしっかりとしていきたいと思っております。

(問)昨日、山陽新幹線で人身事故が発生して、車両の1部が損傷するという事態がありましたけれども、運転士が異音を感じながら運行を継続したという情報もありますが、国土交通省として何か事業者への対応というのはお考えでしょうか。
(答)JR西日本においては、安全が確認できない場合や異音やモヤ、煙、異臭等々、複合的に発生した場合には、直ちに停止手配を取るとしております。
一方、走行中に音が発生した場合であっても、例えば鳥などとの衝突のような場合は、直ちに停止させる必要はないと判断して走行を継続しますが、その場合でも運転指令への報告は必要とされているところであります。
今般、運転士は音がしたことに気付いてはいたのですが、指令には報告をしておりませんでした。
国土交通省としては、今回の事案について、このような運転士の音に対する判断が適切であったのかどうか、また、なぜ指令への報告を行わなかったのか等について、しっかり検証するようJR西日本に指示したところでありまして、その結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えています。

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