大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年11月8日(火) 10:18 ~ 10:35
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私の方から1点御報告がございます。
本日の閣議におきまして、静止気象衛星「ひまわり9号」の種子島宇宙センターからの打ち上げが、11月2日に無事成功したことを報告いたしました。
現在、衛星は順調に飛行を続けており、11月11日頃に所定の静止軌道に入る予定であります。
「ひまわり9号」は、現在運用中の「ひまわり8号」と同じく世界最先端の気象観測機能を有する衛星であり、わが国及びアジア太平洋地域において、自然災害による被害の軽減、地球環境の監視に大いに役立つ衛星であります。
今回の打ち上げ成功により、より安定的かつ持続的な観測が確保でき、国民の安全と安心に一層貢献できるものと期待しております。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
このほか、私の方から2点御報告がございます。
1点目は、「インフラメンテナンス国民会議の設立について」であります。
この度、「インフラメンテナンス国民会議」の設立総会を11月28日(月)に開催することとなりました。
この国民会議は、産学官民が一丸となって、技術や知恵を総動員してインフラメンテナンスに取り組むプラットフォームとして設立するものであり、設立時には約180の企業・団体が参加する見込みであります。
この会議の活動を通じ、建設分野に限らず、情報通信技術、ビッグデータ解析、材料、加工技術などの様々な業種の連携や技術の融合を加速し、最先端の技術の活用を促すことで、メンテナンス産業の育成・活性化に取り組んでまいります。
また、インフラメンテナンスの理念の普及や市民参画を促し、社会全体で取り組む機運を高めることで、未来世代により良いインフラを継承していくよう取り組んでまいります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
2点目は、「『4000万人の実現に向けた訪日旅行ビジネス交流会』の開催について」であります。
先般、本年の訪日外国人旅行者数が2000万人を突破したことを御報告いたしましたが、2000万人は1つの通過点でありまして、政府といたしましては、2020年4000万人という新たな目標を達成するため、観光ビジョンに基づいた取組を開始しているところであります。
今般、国土交通省では、訪日観光をお支えいただいております内外の関係者の皆様やメディアの方々にお集まりをいただきまして、訪日観光の一層の促進に繋がる新たなビジネスチャンスを作り出す機会として御活用いただくため、11月22日に迎賓館赤坂離宮本館におきまして、「4000万人の実現に向けた訪日旅行ビジネス交流会」を開催することといたしました。
これを機に、旅行会社、交通関係、宿泊施設等、広く国内外の観光関係の方々が直接交流していただき、今後の新たな取組に向けて意見交換していただくことは、非常に意義深いと考えております。
また、今般、初めて迎賓館の室内も含めて一般に開放し、こうした交流会のために活用することとなります。このことは全国で公的施設や文化財の一層の活用を図るうえでも、リーディングケースになるものと期待しております。
詳細は、事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

(問)東京メトロは先週、ホームドア設置を当初計画より前倒しすると発表しました。
大臣の所感と他の鉄道会社への導入促進に対するお考えをお願いいたします。
(答)11月4日に東京メトロより、銀座線全線の設置完了を4ヶ月前倒しすることや、8月15日に転落事故が発生した青山一丁目駅の設置を9ヶ月前倒しすること等の、ホームドアの設置計画の前倒しが公表されました。
今回の東京メトロのホームドア設置計画の前倒しは、先般の青山一丁目駅の事故や、事故を受けて設置した「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」での議論を踏まえてのものと聞いております。
国土交通省としても、このような取組は駅ホームの安全性を高める取組として高く評価しております。
国土交通省としては、引き続き、鉄道事業者に対して整備費用に対する助成措置など必要な支援を行うことにより、ホームドアの整備の促進に取り組んでまいります。
また、「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」においても、ハード・ソフト両面からの転落防止対策の強化を検討しているところであり、引き続き、駅ホームにおける更なる安全性向上に向け、最大限の取組を進めてまいりたいと考えております。

(問)本日の午前5時頃、博多駅の駅前の道路が陥没しました。
付近では地下鉄の延伸工事が進められたという情報もあります。
今、国土交通省に入っている情報の把握状況と今後の対応についてお聞かせください。
(答)本日午前5時15分頃、福岡市の博多駅前周辺の道路が陥没したとの事象が発生したという報告を福岡市交通局より受けております。
これまでのところ、けが人等はありませんが、周辺で停電が発生しており現場周辺は立入規制されているとのことであります。
福岡市交通局によると、現場付近の地下では、福岡市交通局七隈線の地下鉄延伸工事が行われており、トンネルの工事中に出水したため、工事を中断していたところ道路が陥没したという報告を受けております。
道路陥没と地下鉄の延伸工事との因果関係も含めまして、詳細につきまして、現在、福岡市交通局に確認中であります。

(問)今月10日から、インドの首相が来日して首脳会談が予定されているようですが、インドの高速鉄道についてかなり詳細な詰めが行われるとの話も聞いております。
実際、大臣もお会いされるのか。あと、国土交通省としてどういうふうな話を今回詰めるのか。
あともう1つは、アジア全般の高速鉄道、インフラ輸出の計画についての最新情報を簡単で結構ですので、今のところ分かることを教えて下さい。
(答)インドの高速鉄道の計画については、御承知のとおりムンバイ・アーメダバード間において、日本の新幹線システムを活用して整備を進めることが昨年12月の安倍総理訪印時に署名された協力覚書において確認されております。
今般、モディ首相が訪日されまして、首脳会談を予定されていると承知しておりますが、この高速鉄道計画の具体の対応については、私の方からコメントすることは差し控えさせていただきます。
アジア全体につきましては、今御案内のとおりマレーシア・シンガポール間の高速鉄道計画について日本の新幹線を採用するよう働きかけを行っておりますが、私の記憶の範囲では全体のコンサルティング業務の発注がされており、これからそれを選定していくと聞いております。
その上で、更に本格的な入札等が今後行われていく状況かと思いますので、引き続きわが国としてはこのマレーシア・シンガポール間の高速鉄道にわが国の新幹線システムが採用されるように、しっかりとトップセールスも含めて働きかけを強化していきたいと思います。
また、タイにつきましては、バンコク・チェンマイ間について高速鉄道を日本の新幹線システムで実施するということを、今年の8月に私がタイにまいりましたときに、向こうの運輸大臣と覚書を交わしたところでございまして、その方向に向けて今後着実に進めていきたいと考えているところであります。

(問)本日アメリカ大統領選挙が今夜から投票が始まります。
激しい選挙戦になっていますが、まず大臣の御所見を伺います。
それからこの選挙結果で、日本の米国へのインフラ輸出に影響があるのかどうか。
特にトランプ氏が大統領となった場合に悪影響等は想定されないのか。
お考えをお聞かせください。
(答)わが国は、御案内のとおり日米同盟の強化を外交の基軸としております、二国間の課題のみならず、アジア太平洋地域情勢やグローバルな課題等について、米国と緊密に連携しております。
国土交通省においても、昨年11月に米国のフォックス運輸長官が来日した際に、鉄道、航空、自動車、道路といった幅広い交通分野での協力に関する日米共同声明に合意し、先般の9月のG7長野県・軽井沢交通大臣会合においても、あらためて協力関係の一層の強化を図ったところです。
大統領選挙そのものについてコメントは控えたいと思いますが、インフラ整備に関して、両候補とも特に後ろ向きとは聞いておりません。
選挙戦の結果にかかわらず、今後とも引き続き、日米間での緊密な協力関係を維持していくことが重要であることから、今後の米国の動向を注視してまいりたいと考えております。

(問)もう1点。4000万人交流会の関係ですが、関係者を招いてという御説明でしたが、具体的に報道機関以外にどういった方々をお招きするのでしょうか。
それから期待のところで、新たな取組に向けて意見交換するとのことでしたが、もう一歩踏み込んで、こういった意見交換からどういったことに繋がることを期待されてこういった催しを開かれるのでしょうか、もう少し詳しくお聞かせください。
(答)どういった方をお招きするかということは、現在調整中ではありますけれども、訪日外国人旅行に関わる関係者、250名ほどの参加を見込んでおりまして、外国の旅行会社や航空会社、メディア等を想定しているところです。
このイベントは、内外の関係者にお集まりいただいて、訪日観光の一層の促進に繋がる新たなビジネスチャンスを作り出す機会として活用いただくということですし、また先ほど申し上げたように、迎賓館の室内も初めて一般に開放するということで、迎賓館以外の国の公的施設の一般利用にも繋がる大きな機会になるのではないかと期待しております。

(問)先日、一部報道で福島県の自動車整備工場で油水分離槽、いわゆる排水汚水処理施設から、放射性物質を帯びた泥がたまって、業界が対応に苦慮しているという報道がありましたが、この事案に関する受けとめと、問題解決に向けてお考えがあればお聞かせください。
(答)福島県内の自動車整備工場にある、洗車用の「油」と「水」を分離する油水分離槽に汚泥がたまり、国の指定廃棄物基準、キログラム当たり8000ベクレルを最大7倍上回る放射性物質を検出していたとの報道があったことは承知しています。
国土交通省としては、整備業界団体を通じて実態をよく確認した上で、その結果を踏まえ、汚泥の処理方法等について廃棄物行政を所管している環境省とよく相談をしてまいりたいと考えております。

(問)博多の道路陥没の関係ですが、映像で見る限りかなり範囲が広くて、日中にこのような事が起きていたら、大変な事になっていたかと思います。
この辺りの受け止めをもう少しお聞かせいただきたいのと、今後国土交通省として調査に入られるなどの御予定があればその辺りもお聞かせください。
(答)私もテレビの報道を拝見しまして、従来ない、非常に大きな範囲の陥没と実感したところです。
御指摘のとおり、これが日中に起きていたら大きな事故に繋がりかねない事案だと認識しておりますので、まずは原因をしっかりと究明した上で、今後の再発防止策もしっかりとおこしていかなければならないと考えております。
この調査についてはまずは地元の福岡市でしっかりおやりいただきたいと思っています。

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