大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年6月10日(金) 9:31 ~ 9:48
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私の方から1点御報告があります。
本日の閣議におきまして、「平成27年度国土交通白書」が配布されました。
「平成27年度国土交通白書」では、「我が国の経済成長を支える国土交通行政の展開」をテーマとし、人口減少下で経済成長を実現するためには生産性の向上がカギという観点から、生産性革命をもたらす戦略的なインフラマネジメントの重要性について記述しております。
是非、皆様にも御一読いただきたいと思います。
なお、詳細は、事務方にお問い合わせください。
このほか、私の方から1点御報告があります。
「自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するためのタスクフォース」の中間とりまとめについて、御報告いたします。
今般の自動車の燃費試験に係る不正行為を踏まえ、4月28日、型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するための審査方法の見直し策等について検討を行うためのタスクフォースを省内に設置し、検討を行ってまいりました。
本日午後、第4回タスクフォースを開催し、型式指定審査におけるメーカーの不正行為を抑止・防止するための審査方法の見直し策等について、中間とりまとめとして公表することとしています。
中間とりまとめにおいては、メーカーの不正行為を抑止・防止するため、次のような措置を講ずることとしています。
メーカーが提出するデータの測定時に、自動車技術総合機構が抜き打ちによる立ち会い等によるチェックを実施し、問題がある場合には不正の有無を検証すること、検証の結果、不正が発見された場合には、不正内容の公表、当該型式指定申請の却下等を行うこと、不正を行ったメーカーに対し、その後の審査を厳格化すること等であります。
国土交通省としては、中間とりまとめの内容を踏まえ、型式指定審査におけるメーカーの不正行為の抑止や再発防止に必要な対策を早急に講じてまいります。
本日午後のタスクフォース終了後、記者ブリーフィングを行い、事務方より説明させていただくこととしておりますので、詳細はその際にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

(問)一昨日、自動車メーカーのスズキが記者会見をして、燃費不正の問題の責任を取って、鈴木会長がCEOを辞退、副社長が退任すると述べました。
これについての石井大臣の受け止めをお聞かせ下さい。
また、同じ日に報告された再発防止策について、石井大臣の受け止め、それから省としての今後の対応についても併せてお願いします。
(答)スズキの燃費試験における不正行為に関し、一昨日の8日に、スズキより再報告があったところです。
今回の報告においては、5月31日の報告において不十分であった、責任の明確化や、再発防止策のスケジュールについて、スズキとして一定の整理を示したものと認識しております。
新たな経営体制の下で、スズキが今回の不正行為と真摯に向き合い、二度とこのような事態が起きないようにすることが重要であると考えております。
国土交通省といたしましては、スズキに対し、今回の報告に沿って、再発防止のための具体的な取組を速やかに進めるよう求めるとともに、今後、その進捗状況についても確認してまいります。
また、スズキが再測定を行った燃費値について、一部走行試験を行うことにより検証するなど、スズキからの報告内容全般について検証を進めてまいります。
さらに、タスクフォースでの中間とりまとめ内容を踏まえ、今回のスズキの不正行為を契機として、今後、スズキの製造する自動車の型式指定に関する審査を厳格化してまいります。

(問)熊本地震についてお尋ねします。
発災からまもなく2ヶ月を向かえ、今月6日には初動対応についての政府の検証がスタートしました。
国土交通省の所管では、特にどの分野で検証が必要とお考えでしょうか。
(答)今月6日から始まりました、政府の「平成28年熊本地震に係る初動対応検証チーム」におきましては、対応に当たった職員の経験等をもとにしながら、1つは自治体の支援、2つめには避難所の運営、3つめには物資輸送などの分野に係る対応のあり方について検証を行うこととされておりまして、国土交通省としても積極的に参加をしているところです。
今回の熊本地震に対しては、国土交通省といたしましても、被災地に派遣したTEC-FORCE、リエゾン等、対応に当たった職員の報告等をもとにしながら、職員の派遣等を通じた自治体の支援、二次的避難所や応急的な住まいの確保、交通インフラの復旧や開通見込み情報の公表、民間事業者と連携した支援物資輸送の実施等、熊本地震の応急対策全般について検証を行い、今後の災害対応に活かしてまいりたいと考えております。

(問)仮設住宅の建設についてですが、一部ではもう入居も始まっておりますが、まだ用地の確保が難しく、また、予定していたところが被災して建てられないなど問題になっていますが、今後の検証かもしれませんが一言ご見解をいただけますでしょうか。
(答)なるべく早く、避難所に避難している被災者の方々が、応急仮設住宅等に入れるように、地元の自治体と連携をしながら進めていきたいと考えております。

(問)先日決定された骨太の方針に、リニア中央新幹線の財政投融資の活用、検討が盛り込まれました。
JR東海側は、基本的に歓迎するという姿勢を示しつつも、経営の自主性、投資の自主性の確保というものを前提に挙げていますが、財投が入った場合でも民間企業としての経営面への影響というのはあるのかないのか、大臣のご認識をお聞かせ下さい。
(答)JR東海からは、名古屋・大阪間の早期開業を支援するとの総理の発言は大変ありがたいということ、また、健全経営と安定配当を堅持しつつ、名古屋開業後、速やかに名古屋・大阪間の工事に着手できるよう全力で取り組むということを聞いております。
財政投融資の活用による早期開業に前向きな姿勢が示されたものと受け止めております。
国土交通省といたしましては、健全経営、安定配当の堅持という民間企業としての基本的な立場を踏まえながら、制度の具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

(問)交通政策審議会でこれまで首都圏の鉄道整備が議論されてきましたが、改めて、JR東日本の羽田空港アクセス線についてお考えをお願いします。
また、財源に限りがある中で、今後どのような事業を優先的に進めていくのか、大臣のお考えをお願いします。
(答)羽田空港アクセス線につきましては、今回の答申にありますように、国際競争力強化の拠点である都心・副都心と羽田空港を結ぶとともに、既存のネットワークとの直通運転による多方面からのアクセス利便性の向上に意義があると、このように位置づけがされております。
一方、今後の課題としましては、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、事業計画の深度化を図ることなどがあると認識をしております。
このプロジェクトの整備にあたっては、答申で示された課題の解決に向けて、関係地方公共団体・鉄道事業者等において検討が進められていくものと考えております。
国土交通省といたしましても、こういった検討状況を踏まえつつ、必要な助言等を行ってまいりたいと思っております。
今回の答申全般に言えることですが、従来の答申というのは、いわゆるランク付けをしていたわけですが、今回の答申についてはそれぞれの路線ごとの意義とその課題を整理したということが特徴の1つでありまして、その課題が整理された路線から順次実施がなされていくと。
基本的には鉄道事業者が地方公共団体としっかりと協議をしながら進めていくと。
それに対して国土交通省としては支援をしていく、こういう立場だと思っております。

(問)利根川水系のダムで渇水の恐れが指摘されてますけど、現状と今後の見通しについて教えてください。
(答)首都圏の水源となっております利根川水系の上流の8つのダムの貯水率につきましては、例年になく降雪量が少なかったことや、その後の小雨の影響によりまして、この時期としては過去最低の45%まで低下した状況でございます。
今後も降水量が少ない状況が続いた場合、早ければ来週にも利根川水系渇水対策連絡協議会におきまして、取水制限の判断がなされると聞いております。
国土交通省といたしましても、6月7日に水管理・国土保全局に渇水情報連絡室の設置をいたしまして、渇水情報の収集・連絡体制を強化したところでございます。
今後の状況を見極めつつ、渇水対策に必要な体制の整備について、適切に判断していきたいと考えております。

(問)冒頭でありました、燃費審査のタスクフォースと、今起こっているスズキ、三菱自動車の燃費不正の関係についてお伺いしたいのですが、今回の中間とりまとめを踏まえて、今後のスズキの型式指定を厳格化されると仰っておりましたが、今日とりまとめる中間とりまとめは、効力が、つまり実行されるのはいつからなのかということをまず教えてください。
(答)今後の型式指定申請について、可能なものから速やかに実施をしていくと考えております。
(問)三菱自動車も対象になるということでしょうか。
(答)今後の型式指定申請についてです。
三菱自動車もスズキも厳格化していくということです。
(問)最終とりまとめはいつ頃を予定されておりますでしょうか。
(答)引き続き検討する事項が残っておりますので、いつまでという目途はまだ立っておりませんが、なるべく早く最終とりまとめを行いたいと思っております。
(問)型式指定申請の却下についても触れられておりましたが。
(答)それは、今後のケースで不正があった場合です。
(問)現時点で、既にスズキと三菱自動車の車については、不正なデータで取得された型式というのは明らかになっているわけですが、この型式は効力を持ったまま、未だに生産・販売が多くの車で続けられてられている状態にあるわけですが、この状態自体は問題はないのでしょうか。
(答)これまでも重ねて申し上げているとおり、型式指定の扱いについては不正の全容が判明した時点で判断することでございます。

(問)昨日から今日にかけて、尖閣周辺でロシア軍まで加えて中国軍というような形で、四大臣会合も招集されましたが、今後はどういう見通しでしょうか。
(答)それは、ロシアや中国の見通しでしょうか。
見通しは申し上げるのは難しいと思います。
いずれにいたしましても、我が国の領土領海を断固として守り抜くという考え方をもとに、毅然かつ冷静に対処していくということが我が国の方針でございます。

(問)昨夜、JR北海道が、レール幅が基準値より若干狭くなっていたけれどもそれを補修いなかったことが明らかになってまして、それが会社ぐるみなのか連絡ミスなのかはともかくとして、今、国土交通省としてJR北海道に監査体制を常設して監視していると思うのですけれども、その中で起きたこういう事態についてどういうふうにとらえてらっしゃいますか。
(答)昨日の7時45分頃、JR北海道の石北線生野駅・生田原駅間において、レールの幅が社内の規定値を超過していたため、運転を中止し、軌道整備のため、9時10分まで運転を見合わせたという案件です。
JR北海道においては、平成26年1月の事業改善命令を踏まえ、同年6月1日より、運転規制値を超える変位が確認された場合には、軌道整備を行うまで減速や運転中止を行うこととされていたにも係わらず、6月3日に行われた保守作業以降、9日まで放置されていたものであり、遺憾に思っております。
このため、昨日、原因究明と再発防止策を講じるようJR北海道に指示したところです。
JR北海道に対しましては、引き続き、安全・安定輸送の確保に万全を期するよう、指導してまいりたいと思っております。

ページの先頭に戻る