大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年3月11日(金) 10:01 ~ 10:18
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上でございます。

質疑応答

(問)今日で東日本大震災から5年となりましたが、火曜日も伺ったんですけど、改めて、大臣の復興への現状、特にまだ残っている課題等への御認識をお伺いできればと思います。
(答)東日本大震災の発生から今日で5年目を迎えます。
昨日、政府の復興推進会議・原子力災害対策本部合同会議が開催されまして、私から、総理から御指示のありました常磐自動車道の4車線化及びJR常磐線の全線開通時期について報告いたしました。
まず、常磐道につきましては、渋滞状況を確認した上で、有識者の意見も聞きながら検討を重ね、いわき中央インターチェンジと広野インターチェンジ間の27km、山元インターチェンジと岩沼インターチェンジ間の14kmについて、4車線化に着手し、復興・創生期間内の概ね5年での完成を目指すこととし、直ちに事業に着手いたします。
また、JR常磐線につきましては、開通時期が明らかとなっておりませんでした浪江駅・富岡駅間について、2019年度末までの開通を目指すこととし、これにより、JR常磐線を全線開通させることといたしました。
引き続き、1日も早い全線開通の実現に向けて取り組んでまいります。
このような基幹的なインフラの復旧・復興を進めることは、被災地の復興の加速化の大きな後押しになるものと期待しております。
また、昨日、総理から今年を「東北観光復興元年」とするとの御発言があったことも踏まえ、施策を総動員して観光復興に取り組んでまいります。
ここは、特に課題ということの1つかと思いますけれども、今後5年間で海外の旅行会社を2000人規模で東北に招いて、東北の魅力を大々的に海外に発信する。
また、地域の路線バスや鉄道のフリーパスについて、外国語による情報発信を充実させるなど、外国人旅行者にとって使いやすいものとする。
更に広域観光周遊ルートの形成を促進し、東北の自然、歴史文化や食を探訪する旅を満喫できるようにする。
こういった取り組みを実施いたしまして、関係機関や民間団体と連携して、東北6県の外国人宿泊者数を2020年に2015年の3倍の150万人泊に押し上げてまいります。
また、先ほど、省内の東日本大震災復興対策本部会合を開催いたしまして、私から、各地域の実情をきめ細かく把握し、機動的に対応すること、復旧・復興が進む基幹的なインフラを活かした新たな物流網を形成すること、観光復興について重点的に取り組むことなどについて、指示をしたところでございます。
4月から始まります「復興・創生期間」の5年間は、被災者の方々が復興を実感し、「復興・創生期間」の名にふさわしい、被災地の未来を創る5年間となるよう、復興の一段の加速化を図ってまいりたいと思っております。

(問)今日、閣議決定されたと思うのですが、国家戦略特区法の改正案で、交通空白地域でのいわゆるライドシェアの限定解禁というのが盛り込まれていると思います。
タクシー業界などには、問題の多い白タク行為が認められることになるのではないかということで懸念がありまして、現に対象地域の取り組みには、世界的なライドシェア大手が配車システムの提供をするなどの動きも出てきているようです。
特区での規制緩和の全国展開、更にはライドシェアの全面解禁の可能性について、あるいは是非について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今回の特区で認められますのは、いわゆるライドシェアではなく、従来の自家用有償旅客運送事業の活用を行うというものでございます。
詳しく申し上げますと、国家戦略特区内の特例措置として新たに自家用自動車の活用拡大を導入しようとするものですが、これは1つの市町村の区域内における訪日外国人を始めとする観光客等の輸送を主な目的とする有償の運送を、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、自家用車により行おうとするものでありまして、過疎地域等における外国人観光客の新たな交通手段としての役割が期待されるところであります。
この特例は、あくまでもバスやタクシー事業によることが困難である場合に限って認められるということが法案に明記されておりまして、過疎地域その他の交通が著しく不便な地域において行われることになるわけでございます。
なお、そのいわゆるライドシェアが全国展開するのではないかという御指摘ですが、一部民間から提案されておりますライドシェアは、運行の管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としております。
こういった形の旅客運送は、安全の確保や利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えているところでございます。

(問)中部地方整備局が8日に、名古屋港で浚渫された土砂の処分計画について、中部国際空港沖が適当であるという結果を大臣に送付されたということで、地元が要望している2本目滑走路への足掛かりになるのではないかという期待も出ているようですが、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)中部地方整備局において、名古屋港の浚渫土砂の新たな処分場として、どこが適地か検討・評価し、中部国際空港沖を最適な候補地として選定したものであります。
この新土砂処分場計画は、中部国際空港の2本目滑走路と関連付けられたものではありません。
あくまでも浚渫土砂の新たな処分場としていくつか選択肢があった中で中部国際空港沖が最適な候補地として選定されたものであります。
中部国際空港の2本目滑走路の実現のためには、更なる需要の拡大が必要でございますので、国土交通省としては、地元関係者と協力し、需要拡大に向けて取り組んでいるところでございます。
なお、中部国際空港については、開業当初の旅客数より現在は下回っている状況だと承知しております。
(問)大臣としては、開業当初より下回っている現状を鑑みると、現状では困難ではないかというお考えですか。
(答)ですから、更なる需要の拡大が必要であると。
2本目の滑走路を整備するにはですね。
現在の滑走路も十分利用できていない状況の中で、2本目という話はないでしょうということです。

(問)九州新幹線の長崎ルートについて、フリーゲージができなかったことでリレー方式でやる場合には、追加負担が地元でも必要になるかと思うのですけれども、これについて地元では追加の負担は難しいという考えを示す声が多いようですが、法律も制度もございますけども、地元負担を無くす、あるいは軽くするということはできるのでしょうか。
(答)九州新幹線の長崎ルートについては、3月8日に国土交通省鉄道局の担当者が佐賀県及び長崎県を訪問いたしました。
それで、平成34年度の完成時点での新幹線施設の供用が望ましい。
その際、武雄温泉駅において乗換方式とすることが前提となり、乗換利便性の確保の観点から、対面乗換方式としたいと。
そのためには、武雄温泉駅の設計変更に今年度末を目途に着手しなければならないことから、なるべく早期に開業のあり方について結論を得たいと。
そういった旨をお伝えしたと聞いております。
その際、両県からコメントを頂いておりますが、特に佐賀県からは、追加費用の県負担を求めないこと。
在来線特急について一定のサービスレベルを維持することなどの要望事項が示されたと聞いております。
対面乗換方式とすることに伴う追加の費用負担のあり方については、費用負担のあり方等も含め、佐賀県や長崎県の関係者と今後十分に調整していきたいと考えています。
(問)法律で国と地方で2対1という法律があるのですが、これによらない方法はあるのでしょうか。
(答)これは今後の調整事項でございます。

(問)本日、政府の中央交通安全対策会議が開かれまして、今後5年間の第10次交通安全基本計画が決定されました。
この中には国交省所管の施策もかなり盛り込まれていますが、自動ブレーキに代表されるような先進安全技術について、保安基準の拡充強化が盛り込まれていますが、これは自家用車も含む義務化ということも視野に入っているのでしょうか。
(答)本日決定しました第10次交通安全基本計画において、自動ブレーキなどの先進安全技術の開発・普及ということで、国際的な動向も踏まえつつ、義務化も含めた保安基準の拡充・強化、補助制度の拡充を図ることが盛り込まれております。
この自動ブレーキなどの先進技術については、事故時の加害性が高い大型トラックやバスについて、平成26年11月から順次、義務付けているところであります。
一方、乗用車については、現時点では義務付けの予定はなく、まずは、ユーザーの選択により、普及の拡大を図ることとしてございます。
このため、平成26年度に先進安全技術の性能を車種ごとに評価・公表する制度を構築しまして、ユーザーが車両購入時に安全性の高い車両を選択しやすい環境を整備しております。
国土交通省におきましては、引き続き、先進安全技術の普及状況や国際的な動向も踏まえつつ、安全基準の拡充・強化を図っていきたいと思っております。

(問)沖縄の尖閣周辺の問題ですけれども、最近、中国の滑走路の問題だとか、国内的に辺野古の問題ですとか、尖閣のニュースが伝わってこないのですが、今年に入りましてから収束方向にあるのでしょうか。
それとも相変わらず海上、また空の侵犯は続いているのでしょうか。
(答)尖閣周辺海域においては、最近はあまりニュースになっておりませんけれども、引き続き、荒天時を除いて連日のように接続水域に中国の公船が来ている。
更に、領海侵犯等もある。
そういった状況は変わらない状況でございます。

(問)常磐自動車道の4車線化に関連してのことですが、暫定2車線の4車線化に関しては、昨年、政令を改正いたしまして手続きの簡素化ということで、国幹会議の議を経ずにということになりました。
ポイントは、議論の透明性の確保というのが1つのポイントだったかなと思うのですが、昨日の事業評価部会も取材させていただいて、マスコミにオープンだったので透明性の確保という点ではそういうことなのかもしれませんけれども、事業評価部会の最終版に資料を追加して、やや駆け足的な議論だったのかなという感じがしまして、手続きの簡素化のリーディングケースになるのかなという気がするのですが、透明性の確保という点で十分だったと大臣はお考えでしょうか。
(答)今回は、総理に御報告する案件だったということもありまして、ある意味で情報管理をきちんとしたという点があったというふうに思っております。
その点は御理解いただきたいと思いますけれども、4車線化については、こういった有識者会議といいますか事業評価委員会の場を活用して透明性を確保すべく努力していきたいと思っております。
(問)情報管理の面から仕方ない面があったにせよ、透明性が十分確保できたというふうに大臣はお考えだということでよろしいでしょうか。
(答)透明性の確保については、引き続き、努力をしていきたいと思います。

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