大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年2月2日(火) 10:47 ~ 11:07
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件ですが、当省提出の2本の法律案が閣議決定されましたので、私の方から報告いたします。
1本目は、「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案」です。
これは、開かずの踏切など課題のある踏切道について、地域の関係者と連携した幅広い対策の実施を進めることなどにより、安全かつ円滑な交通を確保するものであります。
2本目は、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」です。
これは、労働力不足が懸念される物流の更なる総合化・効率化を図るために物流事業者や荷主などの関係者が連携して取り組むモーダルシフト、共同配送等の促進を図るものであります。
2つの法律案とも、詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
このほか、私の方から1点御報告があります。
軽井沢スキーバス事故についてでございますが、改めて、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の1日も早い快復をお祈りいたしたいと存じます。
事故を起こした貸切バス事業者、株式会社イーエスピーに対しては、事故発生日の1月15日から関東運輸局において特別監査を実施してきたところでありますが、道路運送法の違反事項を多数確認したことから、貸切バス事業の許可の取消しという行政処分内容が適当と判断し、取消処分に関する聴聞の通知を本日行うことといたします。
当該事業者に対しては、今回の処分手続きの開始を重大に受け止めて猛省するとともに、被害に遭われた方々への対応及び今後進められる事故原因に関する捜査や調査に真摯に取り組むよう、引き続き強く求めてまいります。
今後、聴聞手続きを経て、今月下旬にも許可の取消処分を行うこととしております。
詳細については、後ほど事務方から説明させます。
今回の事故により、バス輸送の安全性に対する信頼が大きく揺らいだことは大変残念であります。
国土交通省といたしましては、このような悲惨な事故を二度と起こさないよう、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において、徹底的な再発防止策を検討し、速やかに実施可能な施策については今年度中に審議し、順次実施するとともに、本年夏までには、総合的な対策をとりまとめたいと考えております。
私からは、以上でございます。

質疑応答

(問)辺野古代執行訴訟について伺います。
29日に高裁支部が沖縄県と国に和解を勧告したわけなんですが、異例の対応とも言えるものですが、大臣としては、代執行以外の手続きなどをお考えになるかどうか、その対応について伺います。
(答)1月29日に第3回口頭弁論が開かれまして、和解勧告がなされたということにつて、報告を受けております。
政府としての対応は検討中でありまして、具体的にコメントすることは控えさせていただきたいと存じます。

(問)昨日、甘利大臣の疑惑について、URからレクチャーがありまして、事務所とのやりとりの内容を公表されました。
URといたしましては、甘利大臣の事務所からは、なるべく事務所の顔を立てて欲しいという要望があったということは公表したものの、圧力があったとか口利きとは考えていないという見方が出されました。
大臣はこのやりとりを聞きながら、URとのやりとり、またURの対応が適切であったのかどうか、どのようにお考えでしょうか。
(答)昨日、URから甘利議員事務所秘書との面談の内容について、公表できるものについては、すべて公表したところでございます。
その内容については私も事務方から報告を受けております。
URとしては、甘利議員事務所からの問い合わせに対応したということであります。
国民の代表である国会議員から問い合わせがあれば、丁寧に対応することが一般的でございますので、それに則してURが対応されたと理解しております。
(問)前回の会見で、国土交通省の幹部は対応に問題はなかったと明言されましたが、URの対応に問題はあったのかなかったのか、その辺りをお伺いいたします。
そして、結局、甘利前大臣の秘書からUR側に対して口利きがあったのかどうかという御見解はいかがでしょうか。
(答)まず口利きからお答えしたいと思います。
前回もお答えしましたが、口利きという定義がはっきりしないため、口利きかどうかということをお答えするのは難しいのでありますけれども、URから、補償額の増額など補償内容についての働きかけが甘利議員事務所からあったわけではないというふうに聞いております。
甘利議員事務所の対応はどうだったかということでありますけれども、先ほどから申し上げたとおり、URについては、甘利議員事務所からの問い合わせについて、丁寧に対応したところですけれども、そのことによって、補償額の増額などを要請されたわけではないということでありますし、最終的にURが補償を上積みすることもなかったということでございますので、一般的な丁寧な対応をしたと考えております。
(問)確認しますが、大臣としては問題はなかったという認識でしょうか。
(答)大きな問題はなかったのではないでしょうか。
(問)昨日の結果を踏まえて、例えば更に確認を指示するですとか、国土交通省としての大臣としての今後の御対応はいかがでしょうか。
(答)更に確認をとは何の確認ですか。
(問)昨日、御説明されているので、更に追加の調査は必要ないかもしれませんが、昨日のレクチャーを踏まえて国土交通省として、更にこうしていくという今のお考えはありますでしょうか。
(答)国土交通省としては、URに対して事実関係について公表できるものは公表しなさいと指示しておりましたので、昨日公開したものがすべてというふうに思っております。
(問)昨日、12回に及ぶ面談の詳細が公表されたのですけれども、仮に、大臣の秘書が同じように補償内容について12回に及んでURと交渉しているとしたならば、大臣として秘書にどういう指導なり、対応をされるのでしょうか。
(答)仮定の御質問にはお答えできません。

(問)日米航空交渉が、9日からまた始まるとお伺いしました。
前回に引き続いての交渉で今回どういうところに決着を望むのかということと併せまして、決着した際に、航空会社間の配分に関してどういうふうにお考えになるのか教えてください。
(答)次回の日米航空交渉については、2月9日より東京で開催いたします。
羽田空港の昼間の時間帯の国際線発着枠が2014年春に増枠され、実際にヨーロッパや東南アジアから多くの昼間便が運航を開始している中、米国との間ではまだ昼間便が実現されていないという状況でございます。
日米間のビジネスや観光交流促進のためにも、日米航空交渉の早期妥結に向けて、日米間で協力して取り組んでまいりたいと思っております。
(問)その後の日本の航空会社の中での配分に関して、何回飛べるか枠が決まった後に、ANAとJALで何回ずつ飛ばすなど、配分に関してはいかがですか。 
(答)交渉の内容の詳細については、交渉中ということですので、コメントは控えさせていただきます。

(問)国会議員の秘書として、こういう建設会社の要請を受けて、たびたびURに面会し、例えば少し色を付けたらどうかとか、そのような発言をすることについては、適切であるかどうか、大臣はどのようにお考えですか。
(答)確かに色を付けたらどうかという発言があったようですが、その後すぐ、その発言を打ち消す発言をされています。
そのようにURは昨日お答えになっていたと承知しております。
(問)先ほど、大臣は国民の代表である国会議員の事務所がという言い方をされましたが、昨日の公表されたやりとりを見て、国民の代表としてのやりとりに感じたのでしょうか。
(答)やりとりは国民代表としてやりとりということじゃなくて、特定の会社からの依頼を受けてやりとりをしたと思いますが、国会議員という立場そのものが国民の代表であると申し上げたつもりでございます。

(問)軽井沢のバス事故についてですが、株式会社イーエスピーは道路運送業務違反の事案が見つかったのですが、こうした業者がまだ存在するということと、それから先日の街頭の抜き打ち監査でも多数の違反事案が見つかっていますが、こうした業界の現況について大臣はどうお考えでしょうか。
(答)特に株式会社イーエスピーにつきましては、昨年の2月に一般監査に入って、今年の1月13日に行政処分を行っていたところですが、このような重大な事故を起こし、その後行った特別監査で、安全管理上、極めて不適切な事例が多数発見されたと。
こういう状況は、国土交通省としてやはり重く受け止めなければいけないと考えております。
こういった状況を踏まえて、再発防止策について、今、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会で、様々な角度から幅広く御検討いただいているところでございますので、しっかりとした再発防止策を講じて、こういった事故が二度と起こらないように万全の措置を講じていきたいと思っております。
(問)当局の行き過ぎた規制緩和が、バス事故を大きくしている、あるいは繰り返し起こさせているという行政上の問題を当局がなかなか責任を認めないのですが、国として人災ではないのかと、あるいは行政のやり方がまずかったのではないのかという意見を僕自身も持っていますが、それに関するコメントをいただけますか。
(答)貸切バスについては、平成12年にいわゆる需給調整の規制を廃止しました。
いわゆる参入規制を緩和したことによって、サービスや運賃、料金の多様化など利用者の利便性が向上されたという一定の成果は上げられたと思っています。
一方で、だからといって安全・安心が損なわれてはいけないということは言うまでもないことでございますので、いかに貸切バス事業において、安全・安心を確保していくかという観点からしっかりとした再発防止策を講じていきたいと思っております。
(問)やりすぎたかなという反省はあるのでしょうか。
(答)課題はあるということでございますので、その課題に対してどう取り組んでいくかということの検討をしているということでございます。
(問)今回、バス会社に対する行政処分ということですけれど、旅行会社については現時点ではどのようにお考えでしょうか。
(答)旅行会社についても、立入調査等を行っておりますので、事実関係が確定した時点で、対応していくことになりますが、基本的には今回の旅行会社は東京都所管の旅行会社でございますので、東京都の方で適正な措置をお考えになっているのではないかと思います。

(問)東京地検特捜部からURの職員が任意で聴取を受けるという話がありました。
このことの大臣としての受け止めをお願いします。
(答)東京地検特捜部からURに対して協力の要請があったというふうに報告を受けております。
URからは、最大限協力する方針だというふうに聞いております。
具体的な詳細については、捜査に関わることなので、コメントは控えたいと思います。
(問)URの件ですが、今回の12回の面談のやりとりを御覧になって、大臣の率直な感想と言いますか、かなり面談が多いなとか、かなり秘書さん方々が食い下がったかなとかというそういう御感想はありますでしょうか。 
(答)回数は多いかどうかは別にして、URはきちんとURとして決めた補償の方針は崩していません。
URとしては、一貫した対応をされていると。
URとしての方針を丁寧に甘利議員事務所側に説明していると、こういうふうに受け止めました。
(問)政治家として、甘利事務所側の言い方に何か感想はありますか。
URは問題はなかったということですが、大臣は政治家として、甘利事務所があの12回の中で言っているようなことはどういうふうに感じられますでしょうか。
(答)他の議員のやりとりについて、私はコメントする立場ではございません。

(問)監査で見つかったことというのは、道路運送法に違反している様々な細かい点が見つかったわけですけども、こういうことが実際の事故と直接結びつくというふうにお考えでしょうか。
(答)安全管理上やっぱり極めて不適切な状況であったということが、やはりそれとの因果関係はきちんと調べなければいけませんけれど、有形無形の影響を及ぼしているのではないかと考えざるを得ないのではないでしょうか。
(問)だとすれば、そこをきちんと監査をして指導するという体制が甘かったということが事故を引き起こしたのではないのでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、監査の実効性をどのように高めていくか、効果を集めていくことが重要な課題であると認識しています。
(問)現状、そのところがうまく回っていないということでしょうか。
(答)課題があるという認識でございます。
(問)株式会社イーエスピーの親会社は、株式会社イーグルという中古車業者さんで、評判はあまり良くなかったと。
登録の届出を受け取るときに、いわゆるバス会社としてのキャリアとかスキルがちゃんとあるのかどうか。
異業種参入も当然たくさんあるわけで、異業種参入でバス事業のために会社を起こしたりということも実際あるものですから、届出のあるときにやはり、どういう数字でどういうバス事業ができるのかというスキルがあるのかどうかということをチェック機能にもっと加えるべきだと思いますがどうでしょうか。
(答)異業種参入が一概に悪いとは言えないと思いますが、いずれにいたしましても参入時の安全確認を強化をしていくということは、重要なテーマの1つだと思っています。

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