大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年1月22日(金) 10:35 ~ 10:50
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から3点御報告がございます。
1点目は、軽井沢スキーバス事故についてです。
事故から1週間が経ちました。
改めて亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の1日も早い回復をお祈りいたします。
ただ今、資料をお配りしていると思いますけれども、先日の軽井沢スキーバス事故を踏まえ、二度とこのような悲惨な事故を起こさないよう、徹底的な再発防止策について検討するため、有識者からなる「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」を本日設置し、第1回の委員会を1月29日に開催することといたします。
この検討委員会では、規制緩和後の貸切バス事業者の大幅な増加と監査要員体制、人口減少・高齢化に伴うバス運転手の不足等の構造的な問題を踏まえつつ、「事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化」、「監査の実効性の向上、すなわち事業参入後の安全確保についてのチェックの強化」、「運転者の運転技術のチェックの強化」、「運賃制度の遵守等、旅行業者を含めた安全確保のための対策の強化」、「衝突被害軽減ブレーキ等、ハード面での安全対策の強化」等の再発防止策について、貸切バス全体を対象に幅広く検討する予定です。
このうち、速やかに実施可能な施策については、今年度中に御審議いただき、順次実施に移していきたいと考えております。
更に、夏までに総合的な対策をとりまとめるべく、検討委員会で御議論していただきたいと考えております。
詳細については、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
2点目は、公共事業の円滑な施工確保についてです。
1月20日に補正予算が成立したところですが、本補正予算で措置された公共事業予算については、早期執行を図るとともに、円滑な施工を確保することが重要です。
そのためには、先般改訂した最新の労務単価を2月1日より適用するなど、関係省庁や地方自治体と連携して取り組む必要があります。
本日の閣僚懇談会において、私から関係閣僚に対して、公共事業の円滑な施工確保への協力をお願いしたところです。
3点目は、基礎ぐい工事問題への対応についてです。
今般の基礎ぐい工事問題については、昨年末に有識者で構成する「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」において、再発防止策の中間とりまとめが行われました。
これを受けまして、建設業の構造的な課題への対応を議論するため、中央建設業審議会・社会資本整備審議会に設置されている基本問題小委員会の初会合を、来週27日、水曜日に開催することといたしました。
今後、重層下請構造の改善や技能労働者の処遇改善等について専門的見地から御審議いただく予定です。
詳細については、事務方にお問い合わせください。
私からは、以上です。

質疑応答

(問)軽井沢のスキーバス事故についてですが、大臣が仰ったとおり検討委員会が開かれまして、そのテーマにも挙がっていますが、監査の実効性やこれからの監査のあり方について、まず大臣がどうお考えかという点と、もう1つ、昨日の街頭調査について、6台のバスを調査しまして、いくつか違反が見つかりましたが、率直に言って私は多いかと思うのですが、この結果について、大臣はどう受け止めていらっしゃるかお聞かせください。
(答)まず有識者の検討委員会におきましては、規制緩和後の貸切バス事業者が大幅に増加していること。
それから監査要員体制、人口減少・高齢化に伴うバス運転者の不足等の構造的な問題を踏まえつつ、先ほど申し上げた点について、対策の強化を検討すべきと考えております。
特に監査につきましては、監査における指摘事項を迅速かつ確実に実施するためにはどうしたら良いかといった点、あるいは、悪質な場合や重大な事故を起こした場合にどのように市場から退出させるかなどの課題があると考えております。
これらについて検討委員会において速やかに御議論していただきたいと考えております。
また昨夜の街頭監査でございますが、軽井沢のスキーバス事故を受けて、貸切バスの輸送の安全確保を徹底するための緊急対策の一環といたしまして、昨日21時30分から、都庁の大型バス専用駐車場入口付近の路上において、抜き打ちの街頭監査を実施いたしました。
山本副大臣及び宮内大臣政務官が、現地において監査官に対し訓示を行うとともに、街頭監査の現場を視察しております。
昨日の街頭監査においては、運行開始前の貸切バス計6台に立ち入り、交替運転者、運行指示書、飲酒の有無等の法令遵守状況の実態を確認いたしました。
その結果、5台のバスについて運行指示書の記載が不備であったり、車内表示が違反していた等の軽微な法令違反が判明し、その場で改善指導を行ったと聞いております。
貸切バスの輸送の安全確保を図るためには、バス事業者及び運転者の方が緊張感を持って、法令遵守、安全運行を行っていくことが不可欠でございますので、こういった点を徹底するため、今後も、全国各地において積極的に街頭監査を実施していきたいと考えております。
(問)一番最初の部分の趣旨としては、大臣としては、これまでの監査が十分であったかどうかということは、どのようにお考えでしょうか。
(答)これまでの監査は、今、貸切バスが約4500社あって、年間に監査を実施した実績が約1800社くらいですから、年間4割程度です。
その数がどうかということもありますし、またその中身、結果として今回のバス事故を考えると、平成27年2月に一般監査に入って、今年の1月13日に行政指導したにも関わらず、その直後に重大な事故を起こし、特別監査に入ったところ法令違反が多数発見された。
こういった状況を考えると、これまでの監査にやはり課題があるという認識がございます。
そういった課題を、どう克服していくかについて、検討委員会で御議論いただきたいと思っております。

(問)2つ伺います。
1つは、空き家なのですが、今後、人口減少に伴って、ますます社会問題化することが予想されているわけですが、戸数の増加を抑制するために実効性のある施策としてどのようなものが考えられるかを伺います。
(答)空き家については、急増しておりますので、増加を抑制するということは重要であると考えております。
そのための施策としては、良質な住宅を流通することによって空き家が増えることを抑える、あるいは、空き家を活用して地方移住や二地域居住等を推進する。
空き家を活用していく、減らしていくということです。
それから、同じ方向性ですが、介護・福祉・子育て支援施設等の他の用途への転換を促していくと、こういったことを進めるとともに、生活環境に悪影響を及ぼすような空き家を計画的に除却していくと。
こういうことに取り組んでいきたいと思っております。
こういったことも含めて、今、住生活基本計画の改定案を審議しており、こういった施策の方向性や将来の空き家の増加を抑制する目標について、実は本日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会において、住生活基本計画の改定案を御審議いただき、御議論いただくことにしておりますので、今後、こうした議論を踏まえて、空き家対策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。

(問)週刊誌の記事についてですが、甘利大臣の疑惑についての週刊誌記事の中で、口利きを目的に国交省の局長や役人に商品券や現金を渡したという記述がありますが、これは事実なのかどうか。
また、所管のURについて、甘利大臣側からどのような要請があって、国交省とどのようなやり取りがあったのか、現段階で調査して分かっていることを教えてください。
(答)局長による商品券の受領の有無など、国交省に直接関連する事実関係について、早急に調査するよう、昨日、事務方に指示したところです。
調査の結果がまとまり次第、速やかに公表していきたいと考えております。
また、URについても、事実関係を調査するよう指示しておりまして、その公表のあり方については、URと今後調整していきたいと思っております。
(問)甘利大臣の金銭授受疑惑自体についてどう受け止めていらっしゃるかということと、これが国会運営に与える影響というのは、どのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
(答)昨日の参議院の決算委員会におきまして、甘利大臣自ら説明責任を果たしていきたいとお答えになっておりますので、事実関係を調査した上で、説明責任を果たされるものと考えております。

(問)基礎ぐいの関係で、来週委員会が始まるということですけれども、スケジュール感として、いつ頃までにとりまとめを行いたいといったものはありますでしょうか。
(答)基本問題小委員会におきましては、基礎ぐいの中間とりまとめで御提言いただいた建設業に係る構造的な問題、例えば、重層下請構造の改善ですとか、技能労働者の処遇改善等、こういった課題への対応を中心に、建設業の将来像も見据えた検討を行っていただく予定です。
本年の6月頃には中間とりまとめを行っていただきたいと考えております。

(問)昨日の街頭監査の件ですが、幹事社の質問でございましたが、6台中5台で違反が見つかったということで、多いと思われるか少ないと思われるか。
多いと思われるのでしたら、なぜこれだけ大きな事故が報道され、立ち入り検査も行うと言われているのに、これだけの割合が出てしまったとお考えになりますでしょうか。
(答)5台のバスについて、運行指示書の記載不備等があったと聞いておりますが、いずれも軽微な案件であって、その場で改善指導したと聞いております。
ただ、軽微なものであったとしても、そういったことが積み重なれば、それは大きな事態に繋がることもありますので、今後、更にしっかりと監督強化をしていきたいと思っております。

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