大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年12月22日(火) 11:06 ~ 11:19
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私から1点御報告がございます。
本年の訪日外国人旅行者数について、12月19日に1,900万人を超えたことが判明いたしました。
訪日外国人旅行者数は、2013年2月以降34ヶ月、約3年間にわたり各月の最高記録を更新しており、その結果、2012年の836万人から1,000万人以上の増加となっております。
これは、ビザ緩和や消費税免税制度の拡充など、これまでの政府一丸となった取組みが功を奏したものと考えております。
好調なインバウンドを受けて、本年は、1970年以来45年ぶりに、訪日外国人旅行者数が出国日本人数を上回ることがほぼ確実となりました。
他方、受入環境の整備など地域毎に様々な課題が生じており、更なる対応が必要な状況であると承知しております。
現在、総理を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において、次の時代に向けた課題や、必要な対応方策を検討しているところであり、私も副議長として、年度内を目途にとりまとめるべく、検討を深めてまいりたいと思います。
詳細は事務方にお問合せいただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)18日に本年度補正予算案が閣議決定されましたが、これについての御所感をお伺いいたします。
(答)12月18日に、平成27年度補正予算案が閣議決定されました。
今回の補正予算案の国土交通省関係では、11月27日の総理指示を踏まえ、一億総活躍社会の実現、総合的なTPP関連政策、災害復旧その他緊急に必要な対応の3つの分野に、国費総額4,736億円を計上いたしました。
具体的には、一億総活躍関連として、三世代同居・近居がしやすい環境づくりなど、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」に向けた緊急対応に350億円、急増する訪日外国人観光客対応に86億円など436億円を計上しております。
また、災害復旧その他緊急に必要な対応として、大規模災害からの復旧に870億円、自然災害リスクを踏まえた緊急防災対策に2,742億円、高速道路料金割引の臨時措置に256億円などを計上しております。
このうち、公共事業予算は、主に災害復旧・防災減災事業への対応として、合計3,886億円となっております。
今回の補正予算案におきましては、国土交通省として必要な施策のための経費を盛り込むことができたと考えております。
今後は、施策の効果を最大限に発揮させる観点から、早期成立をお願いしていくとともに、成立後に早期執行ができるよう、万全の対応をしてまいりたいと思います。以上です。

(問)冒頭の御紹介でもあった訪日客の拡大に関連する話ですが、民泊について、昨日、政府の規制改革会議が提言を出しまして、旅館業法の適用除外も含めたような形で、緩いと言いますか、一定の規制はもちろんかけることは必要なんだけれども、そこまで厳しくないようなもので、経済の効果を発揮するような形で、民泊を事実的な解禁といったような方向性を提言されました。
厚生労働省と一緒に政府の有識者会議を開催されている役所のトップとして、御所見をお願いします。
(答)規制改革会議で意見書を決定されたことは承知しております。
意見書では、旅館業法等関係法令の対応に留まらず、一定の民泊サービスについては、旅館業法の適用除外とした上で、必要な規制を新たに行うことも含め、抜本的な対応を検討すべきこと等が盛り込まれております。
一方、民泊サービスに係るルール整備等については、観光庁が厚生労働省とともに、有識者会議を先月設置し、検討を行っているところであります。
今後、有識者会議の議論を踏まえつつ、規制改革会議の意見も参考にしながら、関係省庁と調整の上、年度内に一定の方向性を得られるよう、検討を進めてまいりたいと思っております。

(問)JR北海道のレールの検査数値改ざん事件をめぐって、北海道警が同社と幹部らを今日にも書類送検するということで各社報道しているのですが、これの受け止めと、それから国土交通省の調査に対して、知らないと言っていた部分が、実は警察の捜査では知っているといったようなことが出てきた場合、それに対してどのように対応されるかということを含めてお願いします。
(答)昨年2月、JR北海道の検査データの改ざんによる虚偽報告及び検査妨害について、鉄道局長から鉄道事業法違反で刑事告発を行っております。
また同時に、運輸安全委員会も検査データの改ざんによる虚偽報告について、運輸安全委員会設置法違反で刑事告発を行っております。
今、御指摘があったような報道があることは承知しておりますけれども、捜査の進捗状況については、承知しておりません。
国土交通省としては、捜査機関による捜査の進展を待ちたいと思っております。
一方、JR北海道においては、昨年4月に発足した新経営陣のもとで、昨年1月の事業改善命令・監督命令を実行するための計画を策定し、安全意識の確立や各種対策の実行等に取り組んでいるものと認識しておりますので、国土交通省としては、引き続き、輸送の安全の確保に向けて、監査等を通じて徹底した指導、監督を行ってまいりたいと思います。

(問)先ほど、1900万人突破したということですけれども、ずばり来年の目標をお聞かせください。
(答)来年の目標と言いますか、元々2020年2000万人という目標があったわけですが、その目標達成が視野に入ってきたことを受けまして、今、総理を議長とする「観光ビジョン構想会議」において、次の段階の目標の設定を考えているところでございますので、それに基づいて今後は目標設定等を考えていきたいと思っています。

(問)つい先ほど、新国立競技場の建設計画について、A案、大成建設などでつくるJVの案に決まりました。
大臣の受け止めと省としての今後の御対応をお願いします。
(答)先ほど、関係閣僚会議におきまして、A案ということで発表がございました。
今回選定された案は、新整備計画で決定した基本理念、工期やコスト等の要求を満たす適切な案であると考えております。
今後とも、閣僚会議の一員として、JSCの整備プロセスをしっかり点検して、新国立競技場の着実な整備が図られるよう注視していきたいと思っております。

(問)国家戦略特区での民泊事業と標準管理規約との関係と、民泊を行う際の留意点について国交省として業界団体向けに事務連絡をする準備を進めていらっしゃったかと思うのですが、こちらが見送りになった理由と今後の御対応をお願いします。
(答)「特区民泊とマンション管理規約との関係等」については、見送ったわけではございません。
12月18日金曜日に開催された国家戦略特区ワーキンググループにおいて、民間有識者委員から異論が表明されたため、当面、事務連絡の発出をやめるということでありまして、これは当面の措置でございます。
いずれにしましても、特区民泊事業については、先駆的なモデルとして展開されていくことが期待されているため、必要な調整については、しっかりと行ってまいりたいと考えております。

(問)インバウンド、アウトバウンド、それぞれ今年は結局、何万人くらいで着地しそうだと具体的に考えておられるでしょうか。
(答)インバウンドについては、1,900万人台の後半に達するだろうという見込みでございます。
アウトバウンドについては、今年の11月までで1,487万人ということですので、この1,487万人を11で割った数をプラスさせていただくと、だいたい分かるじゃないかと思いますが、手元に想定の数がございませんけど、いずれにしましても、インバウンドがアウトバウンドを上回ることは確実な情勢になっているところでございます。

(問)1つ前の質問の確認ですが、マンションの管理規約と民泊の関係については、あくまでも考え方としては、特区であろうが法整備がなされようが、マンションを使った民泊については、管理規約の改正が必要だというお考えでよろしいでしょうか。 
(答)国土交通省としては、マンション標準管理規約では、「専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」とされておりますけども、こういった規約のあるマンションで、特区民泊を実施する場合には、管理規約の改正が必要になると考えております。
一方、先ほど申し上げた国家戦略特区ワーキンググループの有識者の委員からは、「むしろ、特区民泊は標準管理規約上の住宅に含まれるという見解を積極的に打ち出すような通知を発出すべき」という異論が表明されたため、更に説明が必要であると判断して、当面、事務連絡を出すことをやめるということにしたものであり、今後、私どもの考え方を御理解していただけるよう、引き続き説明に努めてまいりたいと思っています。

(問)アウトバウンドの取り組み、課題と仰っておりましたが、具体的にこれからどうされていくお考えがあるのかお願いします。
(答)観光立国実現のためには、各国と双方向の人的な交流を拡大・深化させることが重要であり、インバウンドのみならず、アウトバウンドの振興も必要と考えています。
このため、国土交通省としては、アウトバウンドの振興に向け、官民一体となって様々な取り組みを実施しております。例えば、今年の4月には、日中韓の観光大臣会合を開催しまして、日中韓三国間の人的の交流の規模を2014年の約2,000万人から2020年には3,000万人に引き上げる。
そういう目標を掲げた共同声明を発表いたしました。
この目標の実現のため、この日中韓三国において、航空路線を充実させたり、あるいはクルーズ船の就航促進等に努めることとしています。
また、先月パリで発生した同時多発テロによって、ヨーロッパ方面のツアーの予約が落ち込んでいる状況でございます。
このため、フランスを含むヨーロッパ方面へのアウトバウンドの促進のため、政府と業界が一体となったミッションを来年1月にも派遣することとしております。

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