大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年10月16日(金) 10:51 ~ 11:11
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。

質疑応答

(問)横浜の都筑区のマンションが傾いていると発覚して、下請け企業が基礎工事の偽装をしていたというずさんな管理が明らかになりました。
消費者の不安も高まっております。
施工管理のあり方も厳しく見直すべきだという声も高まっております。
横浜では以前、他のデベロッパーでも同じ事案が発覚しまして、それも踏まえて国としてデベロッパーまたはゼネコンに何らかの指導をできるものなのか、その辺の所感をお聞かせください。
(答)横浜市内の分譲マンションにおきまして、一部の基礎ぐいの先端が良好な地盤、支持層に達しておらず、また、杭の施工記録データの一部に不適切な転用・加筆があったことは、誠に遺憾であると思います。
本件については、まず事業者が住民の不安に対し、誠実に対応することが何よりも重要であります。
そのため、早急に発生原因の究明、構造安全性の検証及び必要な是正工事等による安全の確保を適切に行うことが必要であります。
国土交通省としましては、売主である三井不動産レジデンシャル及び施工者である三井住友建設に対して、住民の不安の解消や要望に誠実に対応するよう指示するとともに、構造安全性の検証などを行う横浜市からの要請に、事業者として適切に対応するよう指示したところです。
また、国土交通省としましては、発生原因の究明や構造安全性の検証等がしっかり行われるよう、横浜市に対する技術的な支援を行ってまいりたいと思っております。

(問)米軍の普天間飛行場の移設に関して、公有水面埋立ての承認取消しを求める審査請求が出されています。
国交省としての今後の対応と、そもそも今回の事案、若しくは法律において防衛省側に審査請求権が認められているのかどうか大臣の御見解をお願いします。
(答)10月13日に沖縄県知事が行いました埋立承認の取消しを不服といたしまして、10月14日に沖縄防衛局長から、行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止の申立てがありました。
これを受けて、行政不服審査法に基づいて、10月14日に処分庁である沖縄県知事に対しまして、審査請求に対する弁明書を11月16日までに提出すること、執行停止の申立てに対する意見書を10月22日までに提出することを求める文書を発送したところです。
今後、まずは執行停止するかどうかについて判断することになりますが、沖縄防衛局長及び沖縄県知事の双方から提出された書面の内容を十分検討し、法令の規定に基づき、適切に対応してまいりたいと存じます。
なお、沖縄防衛局長が不服申立ての資格があるのかという御質問ですが、その点については、その点も含めて審査をするということですので、コメントは控えさせていただきたいと存じます。
(問)その点を含めて審査するというのは、現段階では見解は固まっていないという理解でいいのでしょうか。
(答)今後、その点も含めて審査を行うということです。
(問)官房長官会見では、これは、請求権はあるというような政府の見方でしたが、所管大臣としては、まだ示されないということでよろしいでしょうか。
(答)審査庁である国土交通省としては、沖縄防衛局からの申立てを受けて、その点も含めて、今御指摘の点も含めて審査してまいりたいと思います。

(問)横浜の件ですが、今回のケースはそれなりの大手というか、名の知れたところが販売したマンションで起きた事案だと思います。
そうした見解も含めて、マンションを購入した方々の不安が一層強まっていますが、所管の大臣として、こうしたことが起きたことについての率直な御意見をいただきたいです。
(答)先ほどから申し上げたとおり、一部の基礎ぐいの先端が支持層に達していなかった。
それが、施工記録データの不適切な転用が、あったということについては、大変遺憾であると思います。
住民の方の不安というのは、私は、大手業者であるかどうかに関わらず、住民の方の不安をきちんと解消するのは、やはり売主の責任でございますので、今回の三井不動産レジデンシャルにおきましても、住民の不安の解消にきちんと努めていただきたいと思います。
(問)杭の部分を担当した旭化成ですが、これまでに関わった工事について、徹底的な調査が必要だと思いますが、それについてはいかがでしょうか。
(答)施工を行った旭化成建材についても調査を行うように指示をしています。
なるべく速やかに報告するように指示をしたところですので、今、その報告を待っている状況です。
(問)だいたい、規模としてはどのくらいの規模になりそうでしょうか。
棟数というか数なんですけども、一部報道では、1,000とか3,000とかまちまちな数字が出ていますが。
(答)恐縮です。詳細な数字は、私は今、把握しておりません。

(問)今週土曜日から、靖国神社で秋の例大祭が行われますが、例大祭に合わせて行かれる御予定はありますでしょうか。
(答)行く予定はございません。
 
(問)免震ゴムの不正が発覚した東洋ゴムという会社で、今度は防振ゴムという鉄道や船舶などに使われるゴムに関する検査成績書の改ざん疑惑が明らかになりましたが、御所感と対応をお願いします。
(答)東洋ゴム工業が製造・販売している防振ゴム等において、検査成績書に技術的根拠のない数値等を記載する不正が判明したということでございますが、皆様も御承知のとおり、東洋ゴム工業につきましては、今年3月に発覚をした免震ゴムの不正事案を受けて、緊急品質監査を実施し、今年の8月だったでしょうか、正規品が出荷されていることを確認をしたと公表していたにも関わらず、今回改めて不正が発生したということは、大変問題があるというふうに考えております。
こうした問題を二度と起こさないように、自浄作用が働く組織になるように、経営者、社員を含む会社組織全体の問題と受け止めて、猛省を促したい、こういうふうに思っております。
国交省としましては、不正があった製品の具体的な使用状況を踏まえまして、関係事業者等に対して、情報の提供を行うとともに、日常の点検において異常有無の確認を行うよう指示するなど、適切に対応してまいりたいと存じます。
なお、船舶、鉄道、その他公共施設に使用されている製品については、今の時点で特段、異常の発生の報告もございません。
船舶や鉄道の運行の安全性、公共施設の機能への影響は現時点では生じていないというふうに考えますけれども、引き続き状況を注視していきたいと考えています。

(問)先ほどの横浜のマンションの関連ですけれども、大臣は大変遺憾だと仰いました。
具体的にどういった点を一番遺憾に感じていらっしゃるかという点、それから、報告を待っている状況という御発言がありましたけれども、どうしても調査の数が、戸数が多いので、やはりどれが対象になっているか、皆さん関心があると思いますが、具体的に早くというのはどのくらいまでという目途等については、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)まず、遺憾だという点については、基礎ぐいの施工で、支持層に達していたという確認をするデータを、他の杭のデータを流用していたということについては、これは誰が考えても適正なやり方ではございませんので、そういった不適切なことがあったということについては大変遺憾だと思っております。
調査結果については、なるべく速やかにというふうに申し上げておりますけれども、まだ具体的にいつになるかは今の時点では判明をしてございません。
いずれにいたしましても、その調査対象が私有財産に係る情報も含まれておりますので、公表のあり方等については、旭化成建材等と調整を行っていきたいというふうに考えています。

(問)先ほどの東洋ゴムの件なんですけれども、今回三度目、猛省を促したいとは仰ったものの、やっぱり、もう自浄作用には限界があるんじゃないかと思ってるんですけど、今回三回目ですよね。
今回もたまたま内部告発があって聞き取り調査後に判明したということなんですけれども、こういうスタンスで良いのか。
また判明すれば、四回目、五回目と、唯々、もぐら叩きのように対処していくのか、やっぱりここはきちんとせっかく今、訪日外国人も増えたり、我々マスコミもいろいろな品質というものを海外へインフラ輸出等で訴えていく中で、もう少しきちんと国土交通省として何か施策、若しくは方針を打ち出すというようなお考えがあるのかどうか。
例えば一つだけ例を挙げますと、ブリーフィングの中でもゴムの納入先をマスコミの方で問い合せたときには、国土交通省に対して、東洋ゴムは今のところは言えないと、知っているにもかかわらず言えないと、相手先の了承がないからみたいなと、そういう情報の開示が基本、遅れている側面もあるんですけれども、そういうことも含めて、大臣としてのお考えをお聞かせください。
(答)現在、東洋ゴムに対しましては、不正の範囲、それから内容の全貌を早急に明らかにするように求めているところでございます。
今回の事案の全容を解明するためには、東洋ゴム工業が製造した不正製品が使用されている施設等を早急に特定をして、必要な対応をすることが重要だというふうに考えております。
国土交通省としましては、東洋ゴム工業に対し、その特定を早急に行うよう強く求めているところでございまして、引き続き厳正に対処してやっていきたいと、このように考えております。

(問)三つ伺いたいんですが、広島の三次市と島根県の江津市を結ぶ三江線の廃止方針をJR西日本が固めたんですが、重要な生活路線であり、もし廃止されれば100kmを越える本州のローカル線の廃止というのが初めてとなるわけですが、やむなしという受け止めでしょうか。
それから、対応方針をお願いします。
それから二つ目は、JR西日本から何か説明はありましたでしょうか。
三つ目なんですが、今度は話は変わりまして、広島の雑居ビル火災なんですが、当該のビルが建築基準法に違反している疑いがあるんですが、既に通知されている指導徹底の通知、これに加えて、更なる対策の強化をお考えでしょうか。
(答)まず、三江線について一問目、二問目まとめてお答えしたいと思います。
JR西日本は、三江線については厳しい輸送状況にあることから、三江線活性化協議会をなるべく活かしていこうということです。
協議会を通じて、沿線の自治体と連携して様々な取組みを行っていると承知しています。
今後ともJR西日本は、地域の公共交通のあり方について、沿線の自治体と意見交換をしていく方針と聞いておりまして、自治体とよく議論していただくことが重要だと考えております。
なお、三江線の廃止を決定したという報告は受けておりません。
また、広島の雑居ビル火災ですけれども、今回の火災で三名の方々が亡くなられたことは大変遺憾なことだと思っております。
建築基準法におきましては、建築物の用途や規模に応じまして、廊下の幅や内装の仕上げ、また排煙設備等の設置に関する基準を定めて安全な避難の確保を図ることとしております。
国土交通省におきましては、広島市に対して火災のあった建築物に、これらの基準に関する違反の有無に関し調査を行うよう、火災翌日の10月9日に指示しております。
更に、中国地方整備局の職員三名及び国土技術政策総合研究所の研究員二名によります現地調査の実施をさせていただきました。
これらの調査の結果、違反建築物である疑いがあることから、類似の災害の発生を防止するために、総務省の消防庁及び警察庁と連携し飲食店に対して査察を行い、違反が発見された場合には、速やかに是正を行う等、指導の徹底を求める通知を10月13日付で各都道府県宛に発出したところであります。
今後とも、同様の災害の防止に向け適切な違反対策を講じて、違反がされているかどうか検査を行う査察を行う。
その上で、違反が見つかればきちんと是正を行う。そういう指導を徹底していきたいと思っています。

(問)一昨日の14日に、内閣府で行われた国家戦略特区の会議で、自宅の空き部屋を人に貸し出す民泊の事業化が認められました。
併せて、自家用車の相乗り事業についても提案があって、こちらも追って認められる方向のようです。
自家用車の相乗りについては、タクシー業界が反発を示していますが、業界を所管する国交省として、こうしたいわゆるシェアリングエコノミーを進めることについての考え方を御教示下さい。
(答)民泊とは、大田区の件ですね。
大田区からは、国家戦略特区制度を活用して、空き部屋等を宿泊施設として提供する旨の条例案を年内に議会に提出し、可決されれば来年1月から開始すると伺っております。
この特区制度におきましては、地方公共団体が、特区の対象となる訪日外国人の長期滞在の最低日数、7日ないし10日以上滞在すると。
これを条例で制定し、空き部屋等を提供する場合には、旅館業法の適用除外とする、こういうことが、国家戦略特区法上認められています。
訪日外国人旅行者の増加によって、東京や大阪を始め大都市でホテルの稼働率が高まっておりまして、予約が取りにくくなっているような状況でもありますから、この特区の導入は、この問題の一定の改善には役立つものだと思っております。
一方、宿泊施設不足対策としては、東京や大阪の周辺の宿泊施設の利用ですとか、あるいは旅館の利用の促進にも取り組んでおります。
更に、特区以外における一般的な民泊については、日本人も含めた旅行者全般への空き部屋等の宿泊施設としての提供が課題となっておりまして、これについては、治安とか防火等の安全面や近隣住民とのトラブル等の問題点を整理して、適正なルールについて、厚生労働省を始め関係省庁と検討していきたいと思っております。
それから、自動車のシェアリングについては、国家戦略特区ワーキンググループによる選定の後、関係省庁との調整を経て、対応方針が決定されるものと承知しております。
バスやタクシー等の旅客の運送事業の実施にあたっては、安全の確保、利用者の保護等を図る観点から、道路運送法上の許認可を得ることが求められています。
マイカーを用いて旅客運送を事業として行う、友人だとか知人だとかそういった方を乗せるのとは異なって、事業として行うことについては、現状ではいわゆる「白タク」に当たって、今申し上げた、安全の確保とか利用者保護等の観点から適切ではないと考えています。
こういった点を踏まえつつ、今後、御提案の内容を精査し、必要な調整を行ってまいりたいと考えています。

(問)辺野古の承認取消しに対する審査請求についてですが、請求する資格があるかを含めて、これから判断するということではあるのですが、政府は、承認を受ける時は国の立場として承認を受けて、不服審査請求の時は私人同様の立場というふうに取り得ると解釈しておりますけれども、国の立場と私人の立場を、法によって使い分けるというのは恣意的だというような指摘もありますが、率直に大臣の御所見をお願いします。
(答)今、そういう御指摘があることは承知しておりますが、先ほど申し上げたとおり、不服申立ての資格があるかどうかということも含めて、今後、審査をさせていただくということでございます。

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