大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年9月11日(金) 9:40 ~ 9:53
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

まず初めに閣議案件でありますが、これから資料配布いたしますが、本日の閣議で、本日付で観光庁長官に田村明比古 航空局長を任命するなど、幹部職員の人事異動について御承認をいただきました。
以上、御報告でございます。

質疑応答

(問)大雨による茨城県内の鬼怒川の決壊の影響等により被害が出ていますが、現在の被害状況と国交省の対応、今後の対策についてお聞かせください。
(答)日本海にある台風から変わった低気圧に向かって、南から湿った空気が次々と流れ込んだ影響で、広域かつ長期にわたり線状降水帯が形成され、記録的な大雨となっています。
この大雨により、昨日12時50分、国土交通省が管理する鬼怒川左岸、茨城県常総市新石下におきまして、約140mにわたり堤防が決壊いたしました。
この決壊で、家屋の流出を始めとする大規模な浸水被害が発生しており、浸水面積は、最大で37k㎡に達するおそれがあるという状況でございます。
国土交通省では、9日から防災センターで情報収集に当たっており、決壊の一報を受けて、直ちに非常災害対策本部を設置し、対応に当たってまいりました。
何よりも人命の救助・救出が大事だと考えまして、海上保安庁のヘリコプター5機により、昨日から本日にかけて42名を救助いたしました。
本日の7時30分時点でございます。
また、リエゾン23名を市と町に派遣、TEC-FORCE延べ157名を派遣、ポンプ車74台、照明車52台を全国から集結させ、24時間体制で浸水箇所の排水作業に着手いたしました。
また、決壊した堤防につきましては、決壊箇所からの水の流出がほとんどないということを確認しております。
これを受けて、資材の搬入に向けて昨晩から準備工事に着手し、本日から根固めブロックを投入して堤防を締める作業にかかります。
当面は、浸水区域からの排水作業、そして今、申し上げました堤防の締め切り作業、これが大事でありますので、そこに全力を挙げていきたいと考えています。
また、一方、現時点で、私が大変懸念しておりますのはもう一つ、東北地方のことでございます。
東北地方で大雨が続いて、直轄の鳴瀬川の支川、吉田川、竹林川で越水が発生しています。
また、渋井川におきまして、20mに渡り堤防が決壊をし、現在、詳細の状況を確認し、そして手を打っているところでございます。
リエゾン8名を沿線の大崎市、大和町、富谷町、涌谷町に派遣しています。
また、排水ポンプ車の配備にも着手しているところです。
このように現在も緊迫した状況が続いており、国交省を挙げて対策を更に進めていきたいと、このように思っているところです。

(問)これからも台風が来るかもしれませんし、一日も早い決壊箇所の締め切り作業、これはどのくらい程度で完成するんでしょうか。
(答)だいたい一週間程度だと考えています。
根固めブロックなどを、この海にあるようなテトラポットのようなものをずっと並べて積み上げていく、そこにシートを敷くということでやりたいと思ってますが、根固めブロックの投入をする。
そして護岸の設置、矢板をそこに打つという二重の形を急いで一週間程度で何とか決壊口を締め切っていきたいと。
そして、補強工事を行うという工程を目標にしています。
また、流入した水を排水するということで、昨日22時から八間堀川の出口において、もう少しあそこ(決壊箇所)から下流になりますが、そこで排水ポンプ車5台を設置して、また、昨日22時20分から八間堀川排水機場により鬼怒川に向けて排水を開始いたしました。
排水に要する期間は現時点で未定でありますが、速やかに排水を進めていきたいと思っています。
上流から、決壊箇所から入った水を下流のところで排水をして抜いて、それを鬼怒川へ流すという、こういう作業でございます。

(問)今回、特別警報の発出時期ですとか、住民の避難指示・勧告を出すタイミングについては、適切に行われたどうか、それに関してのお考えを伺いたいのですが。
(答)これは適切に行われたと思っています。
従来からもう少し早くということがありますが、あくまでこれは科学的な見地から出すものでありますが、そこは、特別警報を出すという作業自体については、気象庁としては、できるだけ早くということと、科学的な見地ということを両方併せて基準に沿って出させていただいたというふうに思っています。
また、私も現場の防災センターに詰めておりまして、事前に特別警報を受けてどうこうというよりも、水位の上昇がどのくらいかとか、越水をしたり堤防が崩れた場合にどういうふうに展開するかということについては、リエゾンを既に送っておりますので、早いうちにその辺についての考えも伝えて、避難勧告から避難指示ということができるだけ早く行われるようにという措置をとらせていただいたということでございます。
いろいろ後になれば検討しなくてはならないことが出てくると思いますが、まだ今は対策ということ自体に全力を挙げているところです。

(問)鬼怒川の決壊で、なぜあそこの場所が決壊したと現状見てらっしゃるのでしょうか。
(答)ここのところについては、いろいろ報道がありますし、国交省自体が破堤をする場合の想定箇所であったことは事実で、増強が必要であるということで準備が進められていたと承知しておりますが、現時点でなぜということについて正確な報告をできる段階ではありません。
(問)排水の期間に関しては、まだ未定とのことですが、少なくともどれくらいかかるとか見通しがあれば教えてください。
(答)ここは現時点で水量がどのくらいで、現在、水がほとんど破堤したところから、「ほとんど」と先ほど表現いたしましたが、少しずつ出ているという状況もございますものですから、どれくらいの量がこのポンプで出るかについては、もう少し発表できる段階であればできるだけ早く発表して皆様にその目途を知らせることは大事だと思っておりますが、今の時点で、発表できる状況ではございません。

(問)本日、扇千景元大臣と並び国交大臣として歴代最長の在任日数を迎えましたが、その所感を教えて下さい。
(答)在任日数についてはあまり気がついておりませんで、特段の感慨はございません。
国交省は今も、昨日、今日もそうなのですが、大変、事故があったり災害があったりということで幅広い分野を担当しておりましたから、緊張する毎日ということであったと思います。

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