大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年8月28日(金) 9:35 ~ 9:50
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議でのご報告はございません。

質疑応答

(問)昨日、国土交通省は平成28年度予算の概算要求と税制改正要望を公表しました。
重点分野など大臣の御所見をお願いいたします。
(答)平成28年度の国土交通省の予算概算要求につきましては、来週、31日に財務大臣に対して提出する予定です。
平成25年度以降、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうした「安全・安心」分野で重点化を図ってきています。
平成28年度要求でもこの分野が全体の約56%になっておりまして重点的に要求しています。
また、もう一つ、社会資本のストック効果を重視して、アベノミクスによる「民間投資を喚起する成長戦略」の実効性を高め、経済成長を支えることが重要です。
これも一つの柱で要求をしていくことになります。
これらを踏まえ、今回の概算要求では、様々な課題に取り組むための予算を盛り込みました。
なんといっても、東日本大震災からの復興の加速ということです。
また、防災・減災、老朽化対策ということです。
そして、戦略的海上保安体制の構築、こうしたことを含めて国民の安全・安心の確保に努める予算にしております。
また、豊かで利便性の高い地域社会の実現、地方創生ということにもなりますが、コンパクトプラスネットワークの実現についても精力的に概算要求を求めているということです。
そして、先ほど申し上げましたストック効果を重視した社会資本整備になるようにということで、選択と集中ということについてはよく目を凝らしていきたいと思っているところで、その辺も重点的な要求ということになります。
更に、訪日外国人2000万人時代を見据えた観光立国の推進については、様々な案件がございます。
外国人旅行者の地方誘客や消費拡大のためのプロモーションの強化を始めとして、いくつかこうしたことで観光立国への推進への対応をしているところです。
厳しい財政状況の中ですが、必要な予算が確保できるように、予算編成過程において、しっかりと対応したいと思っております。
また、火山の噴火時の緊急対策用資材の準備とか、水害被害を最小化するための本格的なタイムラインの策定とか、離島・遠方海域における対応能力強化の整備のためのヘリ搭載型巡視船の代替整備とか、羽田の発着枠拡大のための航空保安施設等の調査・設計とか、汚水処理施設等の統合による汚水処理区域の統合・合理化とか様々なことについて要求をするということでございます。
(問)税制改正要望については何かございますか。
(答)税制改正につきましては、固定資産税の延長とか、また、自動車関連とか様々なものがありますが改めて正確に御報告をさせていただければと思います。

(問)先ほどの関係閣僚会議で新国立競技場の整備計画が決まったということで、総工費1,550億円と当初より1,000億円圧縮したということですが、その計画に対する大臣の御所見と今後の国交省の果たすべき役割についてお伺いします。
(答)新国立競技場につきましては、これまでの計画を白紙に戻して、できる限りコストを抑制する。
そして現実的にベストな計画を策定することとしてきました。
そのために、関係閣僚会議が先月21日に立ち上がりまして、今日は4回目の会議となります。
スタジアムの性能、工期、コスト、今後のスケジュールなどを示す整備計画が決定されました。
あくまでここはいろんな方の意見を聞いて、またこれまでの経過も踏まえまして、国立競技場がある意味ではシンプルで、そしてきちんとオリンピックの陸上競技とそして開会式等々が行われるということにかなり絞ってやるというものの考え方で来たと思います。
今日、そうした整備計画が決定されました。
そこで新たな整備計画案では、これは専門家を交えて、様々な角度から比較検討の上に提案されたものであると理解しています。
今後は、全ての一つ一つのことについては、所管大臣が今日発表するということになると思いますが、我々としては、これが円滑に手続きが進んでいくように、内閣官房に職員を派遣しております。
そこでしっかりと国立競技場のいわゆる建設というところの我々が担うべき職務について、工期が非常に短いものですから、しっかりと協力していきたいと思っています。
(問)客席部分に冷房をつけるかどうかということで、結局コスト縮減のためにつけないということになったようですが、観客あるいはスタッフ等の暑さ対策はどのようにすればよいとお考えでしょうか。
(答)この辺は所管大臣、遠藤担当大臣のところでいろいろ検討するということだと思います。

(問)昨日JR山手線の線路脇でケーブル火災がありました。
JR東日本では、18日、22日、昨日とケーブル火災等で輸送障害が相次いでいますが、かつ、昨日の火災については放火の可能性を指摘する声もあがっているようですが、大臣はどのように受け止めてらっしゃるかと、国交省としての今後の御対応についてお聞かせください。
(答)御質問でかなり尽きているような気もするのですが、連続的にケーブル火災が続いて発生しました。
大変残念なことだと思っておりますし、JR東日本の社長さんにも直接一つ一つの案件というものの原因をしっかり究明して、対応するようにということについて、私から強くこの辺については申し上げました。
どういう原因かということについては、私の立場では軽々に言えないわけですが、今、JR東日本は、鉄道総研に原因究明のための調査を委託していると承知しています。
どうも18日のものと22日と昨日の現象はちょっと違うという感じを思っていますが、いずれにしても、ここはJR東日本に対しまして、警察や消防と協力して原因究明をしっかり行うようにという指示をしたところです。
JR東日本としては、原因究明に全力をあげますということと同時に、22日の事象を受けまして、24日の始発電車までに防護管を使用している首都圏1,365箇所の緊急点検を実施して、異常がないことの確認作業をし、昨日の事象を受けまして、当面の対策として昨晩から山手線内の防護管を耐火シートで巻く対策を実施するとともに、巡回警備を強化するという報告を受けているところです。
国交省としては、鉄道の安全・安定な輸送が確保されるようにJR東日本をしっかりと指導してまいりたいと思います。

(問)予算の関係で、先日発表された予算ですが、北陸新幹線の福井先行開業が入ってなかったのですが、与党といいますか特に自民党の中では必要だという声も消えていないようです。
概算要求の中で福井先行開業の予算は今後も入れないという考えで変わりないかお聞かせください。 
(答)御質問の趣旨は正確性を欠いているように私は思いますが、いずれにしても福井先行開業ということについて、議論が与党PTのもとに設置された委員会で議論されてきた経緯がございます。
その点は、また部会においても発言が様々あったと聞いております。
与党における議論が現在も継続していると私は認識しており、国交省としては与党における議論などを踏まえて、適切に対処したいと考えています。
その概算要求自体については、昨日了承をいただいたということを聞いております。

(問)(JR山手線のケーブル火災について、)最後に(JR東日本に)指示をされたと御説明がありましたが、いつされたのでしょうか。
また、(JR東日本の)社長に会われたということでしたが、この話は今まで出ていなかったと思うのですが、いつ会われたのでしょうか。
(答)会っておりません。
その都度、電話で連絡をいただいてます。
直ちに連絡があります。
私の方から昨日17時位だと思いますが、そういうことを申し上げているということで、非常に我々としては多くの乗客に対して迷惑をかけることになりますから、この案件についてはきちんと対応していかなくてはいけないという思いで、そうさせていただいているということです。

(問)国立競技場の関係ですが、元々当事者に施工に詳しい人がいなかったことが今回の問題を招いたという指摘があります。
また、他方で総工費は削減されることになりましたが、大臣もおっしゃったとおり、一連のスケジュールが遅れたことで設計・施工業者に負荷が係るということも予想されます。
この辺りについて大臣の御見解、御所見があればお願いします。
(答)ここは、官邸に設置しております国立競技場の杉田副長官を中心にして、チームが出来て、その中に国交省からも職員を派遣しているということですから、これまではどうだったかとか、そして、これからこの額でどうなのかというようなことは非常にデリケートな問題になるので、私がここで一つ一つ評価、判断をするということは極めて適切でないと思っています。

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