大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年8月4日(火) 9:22 ~ 9:37
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議での報告はございません。

質疑応答

(問)北海道の苫小牧港の沖合で起きたフェリー火災についてお伺いします。
これまでの国土交通省の対応と再発防止に向けた取組みについて教えてください。
(答)今回の事故で亡くなられた1名の方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、事故に遭われた方々とその関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
7月31日、午後5時38分頃に、海上保安庁に対しまして、苫小牧に向けて航行中のフェリーで火災が発生した旨の通報がありました。
この船には、乗客71人、乗組員23人が乗船しておりまして、乗組員1名を除く全員が救助されて、昨日3日、特殊救難隊により、残る1名の御遺体が船内で発見されたところです。
事故を受けまして、直ちに、国土交通省から旅客船事業者に対しまして、改めて、消防・救命設備の使用方法、非常時の脱出手順などを再度確認して、安全確保を徹底するよう指示しました。
現在、運輸安全委員会が船舶事故調査官5名を現地に派遣し、事故原因の調査中でございます。
また、地方運輸局が監査に入り、安全法令の遵守状況の確認を行っています。
今後、事故原因の究明を急ぎ、明らかになった事実を踏まえて、積載車両の取扱い、火災の早期探知、消火活動などの適否について検証を行って、所要の再発防止策を講じてまいります。
まず、究明ということに力を入れて、まだ非常に甲板等が熱いということもありまして、運輸安全委員会の方では、中にまだ入っておりません。
ここから本格的な調査が始まりますので、この調査というものの推移の中で常に対応ということについて、また今後の防止策について対応を急ぎ進めていきたいと思っているところです。

(問)新国立競技場の整備計画の見直しについて、関係閣僚会議が発足し、内閣官房に計画の再検討推進室が新設され、国交省からも職員を派遣して、新たな計画を策定することになりましたが、改めて新国立競技場のあり方と国交省の協力の状況についてお聞かせください。
(答)新国立競技場につきましては、これまでの整備計画をまず白紙に戻し、できる限りコストを抑制し、現実的にベストな計画を策定することとされました。
現実的にベストということは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合って、その行事がこの競技場において支障なく行われるということ、そこが目的ですから、そういうところに一直線で行くということになります。
整備計画再検討のための関係閣僚会議が先月21日に開催され、私もその構成員として出席しました。
この整備計画の再検討に当たりまして、国土交通省に対しては、コストや工期等の課題の検討において、特に技術的な知見などの分野での協力が期待されていると理解しています。
この内閣官房の新国立競技場の整備計画再検討推進室に、官庁営繕担当審議官を始めとして6名の職員を派遣したことについては先日申し上げたところですが、そこで特にコストや工期、そして技術的な知見ということにかなり力を注いで協力をしていきたいと思っています。
国交省としましては、この推進室を中心とした作業に派遣した職員を通じて協力してまいりたいと思っているところです。

(問)今日午後、2020年の東京オリンピックに向けた東京都との連絡協議会が立ち上がりますけれども、協議会の趣旨と大臣として都との間で主にどのような課題がオリンピックに向けてあるのかをお聞かせ願えればと思います。
(答)この件につきましては、舛添知事と今年何回か会って、全体的な打合せを緊密にしていきましょうという話し合いをしていました。
具体的なスケジュール等についてなかなか決まらなかったという状況もありまして、今日、その連絡協議会が開催されるということになりました。
既に、昨年、国交省の幹部と東京都との間で同じ問題意識に基づきまして連携を取っていて進んでいる部分もありますが、今日は幹部同士、私と舛添知事ともに出席をして問題点を整理して、これから具体的にそれぞれのレベルでがっちり呼吸のあった形で推進していこうということです。
目前のものとしては、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催準備、及び2020年をマイルストーンとしてその後、東京都というのは極めて重要で、東京都自身が東京を世界一の都市にするということを言っているところでありますが、ここにどういう形で国土交通省関係のことが協力できるのかと。
1つは2020年を目指す、そして世界一の都市東京ということについて、高齢化も進んでいるし、交通網の整備ということもあるし、鉄道・空港をどうするかということもオリンピックを越えても、色々な形で連携を取っていくことが大事であるということで、今日、連絡協議会を行うことにしたものです。
したがって、そこでの議題等はよく整理した形で、鉄道はどうする、道路はどうする、あるいはバリアフリーについてはどう考える、外国人の旅行客の対応についてはどういうことが必要かというような、色々な項目、課題を今日は整理したいと私は思っているところです。

(問)昨日、自民党の議連が、成田空港の滑走路についての決議を大臣のところへ持ってきたと思いますが、成田の3本目の滑走路についての必要性等についてのお考えと、この協議会についてどういう姿勢で臨みたいかを教えてください。
(答)国としては、外国人旅行客が急速に増加している。
そして、東京オリンピック・パラリンピックというものがある。
2020年に2000万人ということへの体制を受け入れる形をどうするかということが、昨年ぐらいまでの課題であったと思います。
それで、発着枠の拡大などをさせていただいていたのですが、当時から、その後は、この2000万人を遙かに超えるということになった場合には、成田空港の3本目の滑走路の整備、あるいは夜間飛行制限の緩和というような更なる機能強化が必要だという認識をしていたところです。
これが、外国人旅行客がまた遙かに増えるということであれば対応の打合せを急ぐ必要があるなということで、その辺は自由民主党の議連のメンバーと一致していることです。
一方、本件については、環境問題のほかに、周辺地域のまちづくり等にも密接な関係を有する問題であり、千葉県を始め、地元にとっても必要不可欠だという認識の上で、全面的な御協力を頂いて、あくまで国と地元との二人三脚という形で取り組んでいかなければ実現できないものだと考えています。
今後、四者協議会での地元自治体との協議等を通じまして、更なる機能強化策を具体化していきたいと考えておりますが、「頭からこうです。」ということではなくて、あくまで大事なことは、それぞれの立場で四者が、「これは必要ですね。」という合意を形成したいという、そうしたまちづくりや、環境も含めた合意形成という作業がまず大事だろうということでは一致したということでございます。
(問)重ねて、四者協議ですが、一部報道に月内にもという話もあります。
二階会長も8月中に強い意向を昨日示しましたけれども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)できるだけ早くと思っておりますが、具体的な時期については決まっておりません。

(問)北陸新幹線の敦賀以西ルートについてお伺いしたいのですが、6日に与党の検討委員会が初会合を設けるということで、その中で、若狭、湖西、米原という3ルートがありますが、これの工事の期間とか、総工費がいくらかかるのかとか、そういったデータを国交省に提示してほしいという声が挙がっていますが、国としてはこれをどういうふうに対応するのかということと、あとは最終的にはルートはどういうふうに決定していくのかということをお願いします。
(答)まずは、与党の協議会で話をしていただくということが、全てのスタートだろうと思っています。
データ等についても詳細なものがあるわけではないのですが、できる限り提出できるものは提出してということで、議論が深まるということになって、必要なものはできるだけ出すという形になると思います。
国交省また私がこの論議が始まる前に、何らかのことを話したりするということは適切ではないと思いまして、その内容とか方向性ということはあえて慎んでいきたいと思います。

(問)大使館の方から、大臣は決まったということですが、空港の問題で、オリンピックも近づいてきて、24時間体制の羽田空港を各国が使えれば良いと、深夜早朝便もがらがらまだ空いていまして、そこを開放してもらえれば、24時間空港ですので、各海外からのオリンピックの選手や関係者の往来が自由に容易になると。
乗り継ぎも多いしと、道路も4倍、5倍あり、鉄道も24時間、それで各国乗り継ぎがあることから羽田の深夜早朝便の利用をこの機会にやってもらえないだろうか。
実際、海外から来るお客の大半は、一番大切なのは、外国の大使館の訪問者です。
その次にビジネス客、観光客はどこでもいいと。
だからそういった大使館の声というのをもう一回考えるゆとりはないのかという声が強いのですが、いかがでしょうか。
(答)羽田への要望が強いということは、各国とも1便でもという要望が多いところですが、何分、羽田の便数は限られているということで、釈明しながら運航しているところです。
容量の拡大についてはこれまで徐々に徐々にではありますが、一歩ずつ拡大して、耐え得るようにとやってきたところですが、更にこの辺については色んな角度から検討したり協議をしていかなくてはいけないと思っています。
問題意識は持っています。

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