大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年7月24日(金) 10:38 ~ 10:55
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件における報告事項はございません。

質疑応答

(問)本日の閣議で平成28年度予算編成に向けて概算要求基準が閣議了解されました。
国土交通省としての予算要求に向けたお考えをお聞かせ下さい。
(答)本日、平成28年度の概算要求基準が閣議了解されました。
今後、概算要求に向けた作業を本格化させて参ります。
平成25年度以降、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうした安全分野への重点的な整備を図るということをしてきており、引き続きこれを重点的に取り組む必要があると、まずはこういう認識です。
そして、社会資本の整備ということで、アベノミクスで言いますと、第二の矢、財政政策ということで位置付けられておりますが、それを超えて、第三の矢というところ、つまり私は見落とされていた日本経済のエンジンという、この社会資本整備のストック効果を最大限に発揮させて、アベノミクスの第三の矢の実効性を高めて、経済成長を支えるということが、また、もう1つ大事なことだと思っています。
これらを踏まえて、概算要求に当たっては、主に次のような課題があるとこのように考えています。
まず第一に、東日本大震災からの復興の加速です。
そして、今申し上げました防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化というこの安全ということ、そして、海上保安体制の強化、こうした国民の安全と安心の確保ということ、これは1つの大事な柱であり、同時に「コンパクト+ネットワーク」の具体化等により、便利で豊かな地域社会の実現ということに寄与できるようにということも1つの柱であり、そして、先ほど申し上げましたストック効果を重視した社会資本整備の選択と集中、そして、観光立国の実現等による日本経済の再生。
こうしたことが柱になると考えています。
これらの課題に対応する予算を安定的・持続的に確保することが必要不可欠であると考えており、28年度予算につきましてもこれらへの対応を中心にしっかりと要求・要望をしていきたいとこのように考えています。
(問)国内で外国人に対してガイドするためには通訳案内士の資格が必要だと思いますが、それを持たない闇ガイドが横行していることについて国交省としての対策をお願いします。
(答)先般、1月から6月末まで、914万人のインバウンドが発表されて、国交省としては、CIQ体制の確立であるとか、様々な受入体制、ホテルが足りないとか色々なことがありますので、また多言語対応のWi-Fiの整備、色んな課題への対策ということを加速したいと思います。
その中で今ご指摘のありましたように外国人旅行者に対して、外国語で有償での旅行案内をするためには通訳案内士の資格を取得する必要があると。
しかしながら、主に中国からの団体ツアーにおいて、この無資格ガイドによって我が国の歴史や文化について不正確な説明をしたり、あるいはキックバックを前提にして、特定の店で、効果が不明な健康食品の購入を勧誘されると。
こうした問題が発生していると承知しています。
このようなことは我が国滞在中の旅行者の満足度を低下させるだけでなくて、我が国に対する信頼や印象形成にも悪い影響を及ぼしかねないという弊害があるという認識をしています。
CIQとかホテルとか先程色んなことを言いましたが、やはりこれからの観光ということから言いますと、リピートをしてくれる人が増えると、一度行って良い印象があってもう一遍行こうと、また違う土地に行こうということが観光の非常に重要な課題だと私は思っておりまして、こうしたことについて、国交省としましては、この悪質ガイドについて、中国において昨年も現地の旅行業者等を集めた説明会を開催したり、あるいは無資格ガイドは違法である旨の周知徹底を図っているところです。
今後更に、中国の関係当局との連携を強化して、実態を把握した上で、関係省庁にも適切な対応を依頼するなどの対策を講じていきたいと考えています。
引き続き、無資格ガイドの実態の把握に努めるとともに、関係省庁とも連携して、訪日外国人旅行者が安心して我が国を観光し、満足して頂けるように力を注ぎたいと思っています。

(問)同じくインバウンドですが、上半期の914万人という数字の受け止め、また通年の見通しは諸説ございますけれども、大臣はどのように分析しておられますでしょうか。
(答)(今週22日(水)に)発表いたしましたように(本年)1月から6月までに914万人、46%増ということになりまして、1970年以来45年ぶりに上半期の出国日本人数を上回るという結果が生まれました。
年の前半と後半を比べますと、今までの例ですとほぼ同数、あるいは若干後半の方が多いというようなデータが出ておりまして、今後、特段の外的な要因が無い場合には、2倍しますと1800万人を超える訳でありますが、通年しますと1800万人前後が見込まれる好調さであると認識しています。
円安が継続されるとかあるいはビザの緩和とか消費税免税店の拡充など訪日プロモーションが奏功したというようなこと、様々な要因・努力が重なってこの結果になっていると思います。
ホテルにおきましては、宿泊施設は東京都と大阪府のホテルにおいて、昨年の客室稼働率がほぼ年間を通じて80%を超えている状況ですが、受入体制にまだ若干余裕のある「旅館」や「地方部」への誘客を一層強化することにしています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの年には2000万人ということを、昨年以来、特に目標に掲げてきたところでございますが、それが早まる可能性があるということで、一層、CIQやホテルやWi-Fiの設備やあるいは各地方における港湾ということでクルーズ船等が来るということについて、様々な対応していかなくてはならないと思っておりますし、先程ご指摘のありました悪質なガイドという話もあったり、あるいは列を乱して入るというようなことが指摘されたりしていますので、これは4月に、日中韓の観光大臣会合もやって、守らなくてはならないルールというものを守り、そして色々な障害を排除していこうということについては合意を形成しておりますので、きめ細かく各国と連携を取りながら、更に気持ちの良い形でリピーターも増えるような、そうした観光立国に向けて進めていきたいと思っています。

(問)新国立競技場なんですけれども、閣僚会議に大臣も加わられて、国交省としては、どういう指示があってどういうことをやっていくということなんですか。
それと、文科省・JSCでは難しかったわけですけれども、国交省が加わることによる強みというか、どういうことができるようになるかというのを教えて下さい。
(答)新国立競技場につきましては、これまでの計画を白紙に戻して、ゼロベースで新しい計画を作り直すということになりました。
できる限りコストを抑制して、現実的にベストな計画を策定するため、整備計画再検討のための関係閣僚会議が21日に開催されて、私も構成員として出席しました。
その上で、この度設置されました新国立競技場の「整備計画再検討推進室」に官庁営繕担当審議官を始めとして6名の職員を派遣をして既にスタートを切っている状況にございます。
整備計画の再検討にあたって、国土交通省に対しては、コストや工期等の課題の検討において、技術的な知見などの分野での協力が期待されていると理解しています。
とにかく時間が非常に限られていて1日1日が貴重であると私は感じておりまして、1番大事なことは新国立競技場を2020年のオリンピック・パラリンピック開催までに間違いなく完成させて大会を成功させるように、できる限りの対応をしていきたいと考えております。
そういう意味では、整備計画の再検討推進室の中で具体的にこれから中身を詰めていくという作業に入ると思いますので、その中に今私があれだこれだということではなくて中身をまずしっかり詰めていくという作業に全力を挙げて協力をしていきたいと思っています。

(問)ITSの推進について、二輪車の将来的な展開をどのように考えているかお聞下さい。
(官民ITS構想)ロードマップが公表されましたけれども、これには二輪車の文字すら出ておりませんので、国交省としてはどうお考えかお願いいたします。
(答)自動車分野において、ITSを活用した先進技術の活用が急速に進んでいます。
例えば、四輪車の場合、自動ブレーキとか車間距離の維持とか交差点における速度制御などの技術の導入や開発が進められています。
二輪車の場合、構造や求められる運転技術が四輪車とは大きく異なって、スピードの急減速などは、より危険になるということもございます。
このため、四輪車と同様の技術をそのまま使うのではなくて、二輪車の構造の特性などを踏まえた先進技術の開発・実用化が進められています。
具体的に申し上げますと、例えば、滑りやすい路面でも確実に停止できるブレーキ、そしてハンドルの向きに合わせて進行方向を照らすヘッドライトなどが実用化しているところです。
国交省においては、二輪車メーカーも含めた産学連携のプロジェクトを推進しています。
先進技術を実用化するための開発ガイドラインや安全基準の策定、関係者を集めたデモ走行、公道での試乗会の実施などの技術のPR、こうした開発・普及に向けた支援を行っています。
今後とも、二輪車及び四輪車の両面から、先進技術を活用した安全確保などを推進して参りたいと思っています。
それ(二輪車のITS推進)は何に書いてないってことですか。
(記者)内閣府の公表した官民ITS(構想)ロードマップについてです。
(答)そうしたことで何か力が入っていないような感を受けるとしたら、国交省としては今申し上げたようなことも含めて、二輪車にしっかり目配りをして推進していくという姿勢を出していきたいと思います。

ページの先頭に戻る