大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年4月24日(金) 9:56 ~ 10:27
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私からご報告するものはございません。
2点ご報告をさせていただきます。
1点目は、広島空港におけるアシアナ航空事故機の撤去についてです。
広島空港のアシアナ航空事故機の撤去について、先日21日(火)の会見で27日(月)早朝に完了する見込みとお知らせしましたが、現地の努力により一日前倒しして26日(日)の早朝までに完了できる見込みとの報告を受けました。
事故機の撤去により運航のための気象条件が緩和され、就航状況の改善が期待されます。
具体的には、これまで、視程が5000m以上でなければ運航が許可されなかったものが、1600m以上に緩和されます。
また、雲の高さが地表から300m以上なければ運航が許可されませんでしたが、その条件はなくなります。
2点目は、常磐道の追加インターチェンジの設置についてです。
先ほど、総理に、かねてより福島県及び関係自治体から強い要望のある常磐道の追加インターチェンジの方針について説明しました。
具体的には、「大熊町、双葉町に常磐道の追加インターチェンジを設置することとしたい。事業着手に向け、関係省庁と協力して、具体的な手続きを進めたい。」と、説明いたしました。
3月1日に常磐道が全通しましたが、最後3月1日に開通しました常磐富岡~浪江まで開通したわけですが、その間に2箇所、南から行きますと大熊インターと双葉インターの2箇所のインターを造るということです。
総理からは、その方針について了解をいただき、更に、この追加インターチェンジを活用し関係省庁と協力して、福島の復興を加速してほしいと、このような指示を頂きました。
国交省としても、今後、具体的な手続きを進めてまいります。
私からは、以上です。

質疑応答

(問)首相官邸の屋上でドローンが見つかった件ですが、現在、目的等捜査中ということですが、現時点の国交省としての対応及び大臣の所見をお願いします。
(答)22日、首相官邸の屋上に、ドローンと呼ばれる小型無人機が落下してることが確認された状況です。
小型無人機については、現行の航空法では模型航空機と扱われており、航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある場合を除き、その飛行に係る規制はありません。
しかしながら、小型無人機の普及に伴い、安全性の懸念が指摘されており、また一昨日のような事案も発生しているということ、その一方で、産業界からは今後の活用の可能性への期待も高まっている状況にあろうと思います。
これまで国交省においては、部内に検討チームを立ち上げ、関係法令も含め小型無人機の運用ルール策定の検討を進めてきたところです。
具体的には、諸外国で進められている検討状況等も踏まえ、小型無人機の飛行ルール、操縦者の技量確保、機体の安全性確保といった点について検討を進めて来たところです。
これに加え、更に、一昨日のような事案の再発防止に関しては、警備の強化・犯罪の防止の観点からも検討すべき課題があると考えられます。
今般、内閣官房に関係省庁連絡会議が設置され、小型無人機に関し様々な観点から検討されることとなりましたので、国交省も積極的に参加し、検討を迅速に進めたいと思います。

(問)先日、発表がありましたスカイマークの問題についてお伺いします。
ANAホールディングスと投資ファンドが共同で出資を伴う支援を行うという発表が先日ありましたけども、この件について大臣の所感をお願いします。
併せて、スカイマークに対する公正な競争環境を維持するためにANAの出資に一定の期限を設けるべきかどうなのか大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)一昨日(4月22日)、民事再生手続き中のスカイマークについて、国内ファンドのインテグラルとANAホールディングスが共同で支援を行うことについて基本合意に達したと発表されました。
これにより、スカイマークの事業再生による安全運航や利用者利便の確保に向けて、一歩前進したものと考えています。
国土交通省としては、安全運航や利用者利便の確保に加え、我が国の航空市場全体における競争環境の確保が重要であると考えています。
こうした観点から、今後スカイマークの再生の方向性については、その内容をよく聞いた上で、必要に応じて今後の対応について検討して参りたいと考えています。
いずれにしても、今後5月末の再生計画の提出期限に向けて、再生計画の策定に係る協議が進められるものと思いますので、引き続いてその状況を注視して参りたいと思います。
(問)(スカイマークの件について)国交省としての規制は、現時点においてはまだ何も言及していないという、公式なスタンスは示していないということでよろしいでしょうか。
一部報道では、期限限定で「5年」とか期限まで出ていますが、現時点においてはまだ先方に伝えているわけではないというスタンスでよろしいでしょうか。
(答)これは再生計画の提出期限が5月末なので、その策定に係る協議が進められます。
その状況を注視していきたいということです。

(問)ドローンの関係ですが、航空法の改正が検討されていると思うのですが、具体的にはどのようなところを検討されるのでしょうか。
(答)そこまで行っておりません。
今日、本格的に内閣官房の関係省庁連絡会議というものが設置され、会議が行われると。
そこでは法改正を行うのか、ガイドラインとするのか、あるいは運用ルールはどのようなことを決めるのかとか色々な課題があります。
それらについて、(機体の)登録制はどうするのかとか色んなことがにわかに言われているところですが、それらについて地上の人やモノの安全の確保、更には小型無人機を活用したテロや犯罪の防止等の色々な観点から具体的な方策を正にこの関係省連絡会議において検討するということで、現在はこれだということについて、航空法の改正も含めて今決めているところではありません。

(問)スカイマークについてお伺いします。
スカイマークは第三極としてANAにもJALにも属さないということで安い運賃を実現してきましたが、ANAに入るということで運賃が値上がりするのではないかとか地方路線が削られるのではないかという懸念が出ています。
それについて、大臣はどのようなことを期待されているか教えて下さい。
(答)現時点では、あくまでも第三極か否かに関わらず、大事なことは今ご指摘のように我が国の航空市場全体における競争環境の観点が重要であると思っています。
こうした観点から、スカイマークの再生の方向性については関係者間の合意が整った段階において、その状況、内容をよく聞いた上で必要に応じての対応をしたいとこのように思っております。

(問)常磐道の追加インターチェンジの件ですが、今後の具体的なスケジュールというのは決まっているのでしょうか。
それと、スマートインターチェンジではなく通常のインターチェンジを設置するという考え方でよろしいでしょうか。
(答)常磐道の追加インターチェンジにつきましては、今後、事業の着手に向け、高速自動車国道法の整備計画の変更、連結許可の手続きが必要となります。
連結許可につきましては、この接続する道路管理者であります地方公共団体から申請書を提出して頂いて、審査をするためにこれらの手続きの期間は概ね1ヶ月程度と想定しています。
この事業は通常3年から5年程度というのが通例でありますが、特に非常に時間のかかる要因であります用地買収について、是非とも地元のご協力も頂きながら、是非ともというのは地元の意向でもありますので、そこがどれだけ短縮できるかということだと思っております。
それからスマートインターではなくて通常のインターです。

(問)明日でJR福知山線の脱線事故から10年を迎えますが、ご所感をお聞かせください。
(答)事故から明日で10年になりますが、お亡くなりになられた乗客106名の方々のご冥福とご遺族の皆様への哀悼の意を改めて表したいと思います。
また、お怪我をされた方々に対しましても心からお見舞いを申し上げたいと思います。
何と言っても、公共交通機関で大事なのは、安全の確保が第一だということをより一層噛み締めるということが大事だと思います。
この事故を教訓として、鉄道について、ヒューマンエラーに対するバックアップとして、運転速度が100㎞/h超の線区等におきまして曲線用のATS(自動列車停止装置)の設置を義務付けました。
また、運輸事業全般について、安全を優先するという企業風土を作るというために、この事故が起きた後、運輸安全マネジメント制度を実施すると、安全統括管理者を置くとか、あるいは安全管理規程という各社においてのルールをきちんと定めるとかというような運輸安全マネジメント制度を実施するということをいたしました。
この事故で運輸の安全の一層の確保に努めてきたところでありますけども、更に、この点をしっかりと踏まえて、最近もいくつか鉄道についての事故がありましたものですから、二度とこのようなことが繰り返されないように全力を挙げなくてはならないとこう思っております。
(問)大臣もご指摘されましたけれども、最近も山手線の強度計算を怠って支柱が倒れた事故ですとか、先日、運輸安全委員会が発表した京浜東北線の回送電車の脱線も初歩的な安全確認が足りなかったと、そういった事案が立て続いてますけれども、安全を確保する上でどのように取り組んでいかれるか教えて下さい。
(答)ここは今、JR福知山線の脱線事故という中から出来上がったことが、そこをしっかりとやらなくてはいけないと思っておりますし、この安全ということについては、この間のJR山手線のことについては、気付いていたにも関わらず、直ちに手が打てなかったということや、あるいはその状況が直ちに決定権のあるところにいかなかったとか、あるいはまた、どうしても下請け会社任せの現場が増えてきているというようなことがあろうと思います。
それらについて、一つ一つ今回JR東日本にも指摘をしてきたところではありますが、より一層鉄道全体の問題として安全ということに留意するようしっかり指導していきたいとこのように思います。

(問)ジャーマンウィングスのフランスでの事故から一ヶ月になりまして、当初、常時コクピット2名体制というのを検討するという話がありまして、その具体的な要請の時期とか内容的なものが固まっていれば教えてください。
あと、もう一点、日本マーケティング大賞というものがありまして、「道の駅」が今回受賞されたということでこの件に関するご所感を教えてください。
(答)一つめは、2名配置の問題については各国の関係がありますから、欧州航空安全庁が勧告を発出した背景やそれを踏まえた各国当局、航空会社等の動向について情報収集を進めています。
日本の航空会社と連携して、操縦室の常時2名配置についての有効性やこれによる安全及び保安上のリスク、その他の方策との比較衡量等について検討を進めている状況です。
引き続いて検討の状況ですが、できるだけ急いで結論を出したいと思います。
また、「道の駅」が日本マーケティング大賞の大賞を受賞することになりました。
全国「道の駅」連絡会が取り組んでいる「道の駅」が栄えある、本当に栄えあるだと思います、マーケティング大賞を受賞したことは、全国各地の努力、関係者の取組みが評価されたのだと思いますので、大変嬉しく思います。
選定理由としまして、インバウンドを含めた観光、地元の物産販売、あるいは防災拠点、そして過疎地の「小さな拠点」、様々な意味で新しい価値創造に成功したことが高く評価されたと聞いています。
この大賞は、「ヒートテック」など民間の優れたプロジェクトが中心に選出されてきましたが、「道の駅」が公的な取り組みとして評価された初めてのケースとなりました。
私は、「道の駅」が地方創生のツールとして極めて重要であると、また意義があるし、地方創生ということでそれぞれの市町村長さん達がこれを活用していくという、色々なアイディアをもって今動き始めているところなので、これが評価されたことで一層励みとなって、この展開を国交省としても力を注いでいきたいと思っています。

(問)アシアナ航空の件でお尋ねします。
前回の大臣会見で、できるだけ早く原因究明が必要だということを仰ったと思いますが、この間の火曜日(4月21日)の運輸安全員会の委員長の定例会見の中では、フライトレコーダーやボイスレコーダーの内容について一切公表がありませんでした。
5月にもアシアナ航空が運航再開するというようなお話もありますが、原因が全く分からない中で運航再開して良いのかという声もありますが、改めてこの公開について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)事故機に搭載されていたフライトレコーダー及びボイスレコーダーにつきましては、15日に現地で取り下ろし後、正常に動作し、記録が行われていたことが確認されています。
現在、運輸安全委員会において解析作業が慎重に進められていると承知しています。
調査において判明した事実情報のうち、裏付けが取れ、安全上重要と考えられるものについては、関係国とも調整の上で、今後しかるべき時期に運輸安全委員会から公表されるものと承知しています。
(問)今後しかるべき時期とは具体的にはどれくらいだとお考えでしょうか。
(答)ここは何月どうとは言いませんが、関係国との調整ができましたら、直ちに公表したいという意向を聞いています。

(問)先日(4月22日)、スズキが自動車のリコールで187万台という大量のリコールを届出ました。
リコールに消極的だということで国交省の方で改善措置をしたと思いますが、タカタ(エアバック)の問題もありましたし、早めの対応が必要だと思いますが、ご所感をお願いします。
(答)一昨日(22日)にスズキ株式会社から、ワゴンRなどのイグニッションスイッチに係るリコールが届出されました。
今回は対象台数が187万台というリコール制度の創設以降、最大の対象台数となりました。
安全やユーザー保護の観点から重大な問題であると思っておりまして、スズキに対しまして、リコール対象車両の早急な改修及びユーザーへの積極的な注意喚起が大事であって、ここをしっかり指導しています。
経緯を申し上げますと、3月末のソリオなどのリコール届出の際に、スズキのリコール対応に疑義があったために、国土交通省として同社に監査を実施しました。
その結果、ソリオ以外の車種でもリコールの原因となった部品と同一の部品が使用されていることが明らかになり、早急に必要な対応を取るように指導して、今回の一昨日(22日)のリコール届出となったという経緯でございます。
今ご質問、ご指摘のように、その間こういう指摘をして、それが他の車種もリコールとなったこと、不具合情報の収集体制などにおいても、不備があることも監査の中で判明したものですから、合わせてリコール関係業務の改善についても指導しているところです。
今後、スズキの改善状況を確認して参りたいと思います。
(問)東洋ゴム工業の免震ゴムの問題ですが、問題のある製品が納入されていた建物が会社側の発表で増えたという発表がありました。90棟が増えたということですけれども、これについての受け止めと、今後の指導の方向性などについて何かありましたらお願いします。
(答)4月21日に東洋ゴム工業から国交省に対して報告があったところですが、当初の55棟のほかに、90棟に基準に適合しない製品を納入した。
更に9棟にデータ欠損のため基準適合が判断できない製品を納入していたこと。
そして、これら99棟の建物について、震度6強から7程度の地震に耐えられるという構造安全性の検証を行いますということ。
そして基準に適合しない製品については交換するということ。こうした報告があったところです。
当初の55棟以外にもこうした不正が明らかになったということは、極めて遺憾なことだと思っています。
国交省としましては、東洋ゴム工業に対しまして、調査の結果について、まず所有者に早急に説明をするようにということ、そして新たな99棟の建物について4月中を目途にして構造安全性の検証を行うこと、そして必要なものについては免震材料の交換・改修、その他必要な対策を速やかに実施すること、すぐ対応を機敏にするようにということについて指示をしました。
それから4月27日に第三者委員会の開催が予定されています。この中で、新たな99棟の建物の構造安全性の検証の進め方、そして他社の調査結果(26社)、報告が20日だったと思いますが、この結果の検証、そして徹底した原因究明、更に再発防止策、こうしたことについて第三者委員会で検討をして頂くということにしております。
国交省としましても、二度とこのようなことが起きないように、一つ一つ申し上げて、とにかく不安に思っているところとか、深刻に悩んでいる当事者が大勢いらっしゃるということで、一刻も早く状況を説明したり、対応ということを具体的に接触してやるようにということを強く申し上げているところです。

(問)日中関係は一両日前、安倍総理が、アジア・アフリカ会議に出られて、「侵略戦争」だとか、「植民地」の言葉を使えだとか、ぎくしゃくした関係にありますが、平和的なお話し合いが行われて、ほっとしておりますが、依然として日中間にまだ大きな尖閣問題が横たわっております。
これに対しては、どのように平和的に解決というのを、安倍政権では考えておられるのでしょうか。
(答)私はこの件については、どちらかと言いますと海上保安庁を担当いたしておりまして、領海の警備に万全を期すということに努めてきたところです。
政府全体あるいは外務省に関わるという総合的な問題でありますので、従来の方針というものの通りに、これから進めていきたいと思っているところです。
今回のジャカルタにおける会議におきまして、非常にある意味では忌憚なく、そして和やかにと言いますか、そうした会談が行われたということを聞いておりますから、全体的な方向性は日中関係の改善に向かっていると、私は強く思い、また期待をしておりますし、現場で私自身も日中韓の観光大臣会合をやったり、あるいは韓国において水フォーラムを13日にやったりする中での三大臣会合をやったりということで、現場でかなり接触して関係を再び回復するという作業が行われているということは、大変良いことだと思っています。

(問)常磐道についてお伺いしたいのですが、大熊、双葉というのは、まだ厳しい状況にある場所なんですけれども、ここにインターを造ることによって、どういった方の利用を想定されているのか、また、開通の目途もしくは目標というものがあれば教えてください。
(答)開通の目途については、さきほど私が申し上げた通りで、土地の買収とかそういうことが1番時間がかかることなんですが、さきほど通常3年から5年程度ということですが、是非とも地元の協力を頂きたいということを申し上げました。
この件は、地元から強い意向があるわけで、そうしたことは日常的に使う方たちにとっての私は利便性が大変拡大することだと思っているところであり、福島県から直接、私も知事からも言われておりまして、避難地域の住民帰還、復興再生を加速するために、この通常型のインターチェンジの整備に早期に着手して頂きたいという要望を受けての今回の対応でございます。

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