大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年4月1日(火) 9:21 ~ 9:44
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 3月30日に沖ノ鳥島で起きました作業事故につきまして、申し上げたいと思います。
沖ノ鳥島の西端に桟橋を設置する作業中に構造物が転倒し、構造物に乗っていた作業員16名の方が海に投げ出さるということが起きました。
この事故により、残念ながら5名の方の死亡が確認されました。
さらに、4名の方が負傷されるとともに、現時点におきましても2名の方が行方不明となっている状況でございます。
お亡くなりになりました5名の方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、負傷された方に御見舞を申し上げます。
現在、残る行方不明者2名の方の捜索に全力を尽くしているところです。
国土交通省としましては、事故直後より被害に遭われた方々の捜索、救助に全力を尽くして参りました。
今後とも被害者やその御家族への対応に全力を尽くすとともに、事故原因の究明や再発防止に取り組んで参りたいと考えております。
とにかく今は残る行方不明者2名の捜索に全ての力を注ぎたいという状況です。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今の沖ノ鳥島の事故に絡んで、改めて最新の捜索状況をどのような体制で今行っているのかについて教えて頂けますか。
(答)海上保安庁におきましては事故の通報を受けまして、直ちに巡視船及び航空機を現場に急行させまして、航空機2機による上空から行方不明者の捜索を行っております。
また、受注者3社のJVでありますけれども、この作業船9隻及びヘリコプターも捜索を実施しております。
これに加えまして昨日(3月31日)には、海上自衛隊の協力を得て、海上保安庁特殊救難隊を現場に搬送しまして、転覆した構造物裏側の潜水捜索を実施致しました。
残念ながら、現時点では、行方不明者2名の発見には至っておりません。
なお、昨日5名の御遺体及び負傷者2名を海上保安庁の航空機等により羽田空港までお運び致しました。
本日(4月1日)は午後に海上保安庁の巡視船1隻が現場に到着する予定でありまして、巡視船と搭載ヘリも捜索に加わる予定です。
引き続き行方不明者2名の捜索に全力を尽くして参りたいと思っております。
現状の捜索状況は以上でございます。

(問)原因究明についてこれからかと思いますが、これが単純な作業ミスなのか、そもそも設計に問題があったのかなどについて、今判っている事について教えてください。
(答)今回建設しました施設は、本体は鋼構造物、下部が杭式構造物となっておりまして、内地の工場で製作をしました構造物を約8日間かけて海上搬送し、海上で据え付けるという工法をとっております。
設計や施工方法につきましては、学識経験者等の御意見、これまでの施工実績等を踏まえて発注者として適切であると判断をして工事が行われたという状況にございます。
この工法自体、施工方法の二つを調査をしなくてはいけないのですが、この工法は昨年度の沖ノ鳥島での荷さばき施設の工事でも採用しておりまして、問題を生ずることなく施工ができたという実績がございます。
また工事に関しましては、作業中止の基準を設定しておりまして、具体的には波高1.5m以上、風速10m以上、視程1.9km以下のいずれかの条件に合致する場合は、作業を中止するということにしております。
これに関連しますが当日の気象条件、午前5時頃の現地の観測によりますと波高は0.8m未満、風速は東南東の風5m、視程は概ね10km以上であり、いずれも中止基準に達していないと報告を受けております。
現段階では事故の原因は不明でありますけれども、今後受注者から、施工方法の詳細、事故当日の施工手順、そして安全管理体制等を聞き取るなどによりまして、早期の原因究明をしていきたいと思っているところです。

(問)本日から消費税が増税になりましたけれども、改めまして大臣の受け止めと今後の取り組みについて教えてください。
(答)本日、消費税が上がります。
国民の皆様に負担をしていただくということになります。
この消費税の引き上げに際しましては、一つは消費税の円滑且つ適正な転嫁を確保するということ。
便乗値上げは許さないということ。
そしてもう一つ、経済全般ということに言いますと、反動減というものにならないように公共事業等の執行を出来るだけ早くすること、この3点ということに力を注いでいきたいというふうに思っています。
様々な取組を既にここまでとって来まして、一つは所管業界に対して通知を発出するとともに、所管業界が開催する会議などあらゆる機会を活用して周知をしていくこと。
そして二番目には事業者のための相談窓口を国土交通省の各課に設置をすること。
そして事業者への立入検査、これは建設業で毎年行っている訳ですが、そこにこの消費税の問題も含めまして転嫁拒否等に関するヒアリングを実施すること。
そして併せて内閣府が設置しました政府共通の電話相談センターとの間に専用回線を設置し、電話相談センターから転送された相談にも対応すること。
こうした取組を行ってきたところでありますが、苦情や色んな点については今日からむしろ多くなってくるという状況かというふうに思いますので、今朝も幹部を集めましてその辺の苦情とかそういうことについては、1件だとか2件だとか言ってないで、一つ一つに対して、数を集めるまで待ってるなんていうようなことが無いように、直ちに対応するということが大事だということについても幹部に徹底をしているところでございます。
国民の皆様に負担を頂くということでありますものですから、今申し上げました転嫁対策であるとか便乗値上げがあってはならないとかいうことを中心にして、しっかり現場の意見を聞いて直ちに注意すべきことは注意するというような体制をとらさせて頂きたいというふうに思っているところです。

(問)沖ノ鳥島の事故についてですが、先程、大臣は事故原因の究明と再発防止というお話をされましたが、例えば有識者による第三者委員会ですとか、そういった事故調査に当たる組織を作るお考えはありますでしょうか。
それから現地でのこの工事というのが、国益という上で非常に重要な施設だと思いますが、この事故の影響で今後中止または延期などのお考えはありますでしょうか。
(答)まず事故原因については、報道等でも重心が高かったのではないかとか、幾つかの点が言われておりますが、現場の状況ということをきちっと調べませんと、まだそこの有識者としても判断というものが出来ないというふうに思います。
まず現場の状況でどういう形で、どういうふうに傾いて裏返しになったのかということの状況を詳細に調べるという作業が、何よりも一番大事なことだというふうに思いますので、そこに全力を挙げたいと思っておりまして、そこには工事に関係したところ、そして担当したところ、そして現場でやった人達、ここの意見聴取というものが一番大事なことだと思います。
それらを受けて第三者の方々の意見が必要ならば、必要かというふうにそこはまたその時点で判断をしたいと思いますが、まずは有識者で議論をして、それで具体的に実験等も行われて、そしてそれが施工されて実績もあって、そして環境状況も整っている中で起きたことでありますから、そこに携わった人達が徹底的に究明作業をして原因究明をするということが大事であります。
なお、国土交通省としてはこの案件については運輸安全委員会がその調査に当たるということになっておりまして、まだ遠いものですからなかなか現場に着いていないという状況でございます。
有識者のそうした意見ということについても、関係の人達と十分調査をし意見を考慮しなくてはならないというふうに思います。
併せて、非常に大事な工事でありますから、まずは行方不明者の捜索に全力を尽くすということをしたいと思っておりますが、今後の工事への影響というのは少なからずあると考えていますが、工事全体にどの程度具体的な影響が及ぶかどうかということにつきましては、事故原因の究明及び再発防止策の検討結果等を踏まえて判断をしていきたいというふうに思っているところです。

(問)今日からJR北海道が新体制になるということで節目ということもありまして、大臣からの御所感を頂きたいのですが。
(答)昨年の9月19日の事故、そしてその後の改ざん、そしてまた従来からのそうした安全ということについての十分では無いこと、そうしたことについてはこの半年間にわたりまして特別監査を実施し、それに常設の監査体制をとるということ。
また社内においての処分ということや、あるいは刑事告発をする、様々なことをやらせて頂いた上に、1月24日に改善命令と監督命令ということを発出し、そして対策をとっているという状況にございます。
雪が今のところまだ融けるというところまでいっておりませんが、これから極めて重要な融雪期にかかっているということもありまして、新しい体制が今日スタートを切る訳でありますが、社内一丸となって安全ということを最大限に遵守する会社として蘇生をしてもらいたいということを強く思っているところです。
そういう意味では一番大事なのは、こうしたらいい、ああしたらいい、ということについて様々な改善措置が取られて動いているという状況ではありますが、何よりも全社挙げての安全体制への仕組みだけでなく実行ということが一番大事だというふうに思っておりますので、この4月1日新体制がスタートするという時にもう一度その安全第一であると、そして現場と経営陣一体となっての安全への注力ということに再度新たな気持ちで取り組み、実行して貰うようにということを私から再度、直接、JR北海道に申し上げたいと思っているところです。

(問)その中でまず最も重要なのは安全対策ということで、一方他の課題もありまして、万年赤字体質の経営改善だとかあるいは2年後に迫る新幹線開業なども同時並行的にやっていかなければならないと思いますが、そういったあたりを国として今後どういうふうに見ていかれるのかという点についてお願いします。
(答)私が一番思っているのは、とにかく安全ということに全力を挙げる。
この安全というために必要な対策、措置というものについて、経営というようなことが様々言われるわけですが、そこにむしろ力を注いで予算という点でもそういう面に最大限に使っていくということが一番大事なことだというふうに思います。
あれもこれもというのは当然でありますけれども、しかし何よりも安全ということでスタートを切るようにということを強く求めたいというふうに思っています。

(問)先日、マッカーサー道路、新虎通りの開通式典に出席されましたが、舛添要一都知事が東京都からある一定の条件が整えれば周辺にメトロの新駅をということが特区構想の中に盛り込まれていますけれども、それについては都知事と大臣の間で何か話し合われたことがあったのでしょうか。
(答)この間、ある意味では長い間ずっと実現できなかった道路が68年ぶりに計画が遂行されるという朗報であったというふうに思います。駅については直接お話しをしておりません。
むしろ東京五輪ということにつきましてそれまでに会場と施設との間を早く結びたいということや都市再生ということについてはこれは一つの大きな起源になるということです。
それで特区がちょうど決定するという議論が行われた翌日でありますので、特区の中で東京都が更にそれを指定された上で練り上げてという議論があったということについては私はむしろお話しをさせて頂きました。
具体的なことよりも、短時間ではございましたがもう少し全体的なことについてのお話しはさせて頂いたということでございます。

(問)短時間の会談の中で東京上空の飛行禁止については何かお二方で話し合われたのでしょうか。
(答)これはまだしておりません。

(問)沖ノ鳥島の関係で、先ほど大臣は設計や施工方法は学識経験者の意見を聞いて、発注者としては適切であると仰いましたが、そうなると現場の施工が問題だったという認識なんでしょうか。
(答)私はそういうことを申し上げているのではなくて、先ほど私が申し上げたのは「この工法は昨年度の沖ノ鳥島での荷さばき施設での工事でも採用しており、問題を生ずることなく施工できております。」ということを私は申し上げて、去年のそうしたことについては問題なく施工されているけれども工法とか施工の方法とか施工の手順とかそういうことについて全体的に安全ということについて調べるということが原因究明であると言うことを私は申し上げているところです。

(問)学識経験者の方に話をしてもらって、実際ゴーサインが出たというようなことについてもこれに問題があったということになるかもしれないということでしょうか。
(答)順番に申し上げますと、この設計と施工方法については、学識経験者の意見等を聞いて発注者として適切であると判断をし、そして今申し上げたこの工法は昨年度もということを申し上げて、質問があったものですからまずそうした関係者でしっかり原因究明をしていくということが大事だと。
必要であればまた他の学識経験者の意見を聞く場合もあるが、それは今後の判断であるということでございます。

(問)スカイマークの斬新な制服が今日実際に着用されたようですが、その後スカイマークに対して監査等を行ったことはございますでしょうか。
(答)私の方から直接したことはございません。
ここで質問を受けた時に安全ということについては留意しなくてはいけませんよねと言うことだけを申し上げましたが、私の方からは直接したことはございません。

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