大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年10月1日(火) 17:26 ~ 17:49
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から特に御報告するものはございません。

質疑応答

(問)今日、消費税の引き上げと共に5兆円規模の経済対策の実施が決まりました。
増税に伴う景気の腰折れを回避するための経済対策ということですが、今後国土交通省としてその点についてどう対応していくのかについて伺います。
(答)先程の閣議におきまして、「消費税率及び地方消費税率の引き上げとそれに伴う対応について」を閣議決定をしまして、消費税率の引き上げとそれに伴いデフレ脱却と経済再生に向けた取り組みを更に強化するということで、「経済政策パッケージ」を取りまとめたところです。
この経済政策パッケージには、「成長戦略の当面の実行方針」に基づいて成長戦略の実行の加速化と強化を図ること、そして民間投資を活性化するための政策税制を講ずること、「政・労・使」の連携により経済の好循環の実現を図ること、新たな経済対策を策定すること、そして住宅取得等に係る給付措置などが盛り込まれているところであります。
国土交通省関連についてはかなりの部分があります。
まず、成長戦略の当面の実行方針ということにおきましては、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスをし易いという環境を創出するというために、国家戦略特区の具体化ということがうたわれておりますが、これについては国土交通省関連としましては、容積率・用途等土地利用規制の見直しということが挙げられているところです。
また、税制ということにおいては、投資減税ということがかなり前面に出ておりますが、国土交通省関連としましては、既存建築物の耐震改修や省エネ改修の投資を促進するための特例措置、そして浸水防止用設備に係る固定資産税の特例措置、地下街等への対応ということになります。
これらの創設が認められているということになります。
いずれも非製造業部門における投資拡大を促すと共に、国民生活の安全・安心の確保につながるものだと考えております。
また、新たな経済対策の策定という中には、5兆円規模の新たな経済対策を策定することとしておりますが、その中では競争力の強化策、この中には東京オリンピックへの対応などの交通・物流ネットワークということがうたわれております。
また、高齢者・女性・若者向きの施策、あるいは復興、防災・安全対策の加速、これらを措置すべく今後来年度予算とあわせて具体化をして、12月上旬に新たな経済対策の策定が行われるということになっております。
尚、住宅取得等に係る給付措置ということにつきましては、かなりの消費税の負担増があるということがあるので、これを緩和するために既にメッセージを出している訳ですが、住宅取得等に係る給付措置を講ずることということが明記をされているということになります。
国土交通省としまして、これら成長戦略の実行の加速化ということについて、十分これを吟味し、具体化し、12月上旬の新たな経済対策の策定に向けて努力をしていく予定です。

(問)JR北海道の関係ですが、先日の特別保安監査の中で、野島社長がJR北海道が自ら定めた安全基本計画について、これが安全意識が定着していなかったというふうに述べたことが明らかになっています。
このような安全意識の定着が図れないというふうにトップ自ら言われるような経営陣に、今後JR北海道の経営をそのまま任せていって良いのかどうか、その点について大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)JR北海道の野島社長が安全意識が定着しなかったというのが、どういう意味合いで、どういう趣旨でお話になったかというものについては、十分承知はしていないところでありますが、私の基本的な考えは、JR北海道の経営陣は、まず一連のトラブルなどの問題を真正面から見据えて、しっかり対応する必要があると考えています。
それをどういう形でトラブルが発生し、そしてこれにどう対応するかということについては、かなり総合的な、全体的な、また構造的というふうに言うかもしれません。
そうしたことが必要だということで、一対一の対応というだけでない全体像の中から浮かび上がって、そしてしかるべき措置を複数とるということが大事ではないかと思っているところです。
利用者に、とにかく安心して利用して頂くということまで努力をするということが一番大事なところでありますので、今回の特別保安監査では安全基本計画の推進に当たっての問題点を含めて、一切の予断無く、全ての項目について検証することとしておりまして、その上で必要な対策を講ずるということで、今全体像を掌握し、そして次どうするかということを抽出するという総合的な検討作業が行われているという段階にございますので、直接的な経営陣に任せて良いかどうかということについては、これから全体的な大いなる分析をした上で、どうすれば安心して利用していただける鉄道というものを構築するかという一点に尽きるんだと思っています。

(問)会計検査院が指摘した跨道橋の問題なんですが、それについて国土交通省としてはどのように取り組まれるおつもりなのかお聞かせ願えますでしょうか。
(答)御指摘頂いたことについては、一つは老朽化という角度で述べられている点と、そして耐震補強ということで述べられている点と二つが合体しているというのが、発表また報道していることだと思います。
分けてお話をさせて頂きたいと思いますが、耐震補強を実施していく中で、高速道路を跨ぐ橋梁につきましては、不測の事態が生じた場合に、高速道路にも影響が及ぶことから、実は平成17年6月に各道路管理者に対して、高速道路を跨ぐ橋梁について特に優先的に対策するように指示し、対策が行われてきたという経緯がございます。
そして、この高速道路を跨ぐ国道の国管理という点におきましては101及び高速道路会社の管理の897の橋がありますが、これは全て耐震補強を終了したというのが実情でございます。
老朽化につきましても同じ事でありまして、国そして高速道路会社の管理ということについては対応をしてきたということがあります。
問題は、地方公共団体についての点検あるいは補修ということが問題として指摘を両面に渡ってされているということだと思います。
現実には地方公共団体については、技術面・財政面ともに厳しい状況にあるということと、それから道路が走って、ネクスコがそこで用地を買収したりして、そこが渡れなくなるというような、普通の橋とは違っていてかなり新しい橋があるというようなこと、そしてあまり人が現実には通らないというような状況にあることという、今回のそこはかなり特殊な面がありますが、地方公共団体でこれが遅れているということは事実だと思います。
そこで国土交通省としましては、この跨道橋を管理する自治体と高速道路会社の連携を強化するように、そして適切な維持管理方策について共に協力して検討するようにということを指示をさせて頂いたところであります。
今後、今年度改正した道路法に基づいて、修繕工事の代行を行う、あるいは高速道路各社との連携などを適切に進めていきたいと思っています。
地方公共団体においては現実には遅れていてあるいは大丈夫だという安心感も若干あったかもしれませんが、そうしたことの点検が十分ではないという指摘をそのまま受けて、それを早急に対策に乗り出すようにということと、高速道路会社と自治体の連携を取るということを更に出来るようにという指示をさせて頂いているところであります。

(問)消費増税に伴って鉄道会社の一部にはスイカ・パスモの利用者に対して1円刻みでの料金値上げをするという方針を示しているところもあります。
一方でスイカやパスモの利用者以外にも10円を超える料金値上げとなって2重運賃となって混乱を招くのではないかという声もあるのですが、今後の鉄道会社の運賃値上げ申請に対してどのような姿勢を取られるのか、現時点のお考えをお聞かせください。
(答)一番大事なのは、消費税というものが適切にそのまま転嫁されて反映するということが基本だと思います。
ただ1円刻みということが果たして実際買うことでどうなのかという論議がありまして、現時点ではまだ検討中ということでありますが、消費税がそのまま転嫁されるということ、スイカやパスモの利用者はかなり多数になっておりますから、直接買うという方達がある程度納得できるということが大事だと思いますので、更にこの時点で本格的に検討作業に入りたいと思っております。

(問)今日の消費税引き上げの政府の判断について教えてください。
予定通り8パーセントに上げるという決断を今日政府がしました。
もう少し小刻みに上げたらいいのではないかとか見送るべきではないのかとか様々な議論があったと思いますが、最終的に予定通り上げる判断を経済対策とセットで打ち出した政府の決定について、あるいは安倍総理大臣の決断について閣僚の一人としてどのようにお考えでしょうか。
(答)私は兼ねてから、ものの考え方の基本は法律で制定をされたということで、来年の4月1日から基本は法律通り上げるということだと思います。
ただこの法律の第18条のところに、もともと決めた後にリーマンショックというような急激な変化が生じた場合に強引にそれを進めてはならないということの趣旨を法文に附則という形で出来ているという構成だと思います。
そこで全体的な経済状況というものを総合的に判断する、そしてまた状況を聴取するという作業も行い、そして今日の日銀短観ということまで全ての指標というものを総合的に判断して上げるということを決断したのは私は適切であると思っています。
そこで同時に特に来年の4月から6月ということで急速度に反動減というものがあるということをどう抑えていくかということで、そこでの措置が取られる点については、かなり具体的に詰めて行かなくてはならないことではないかと思っておりますが、その大筋が今日あわせて示されたということは、これは大事な決定だと思っています。
国土交通省関係では、特に影響の大きい住宅ということについては、これはちょうど9月30日ということが、認められるかどうかの期限になるということもありますので、(消費税が)上がった場合もある程度想定しながら、8月からそうしたことが買うというような決断あるいは買わないという決断ということが出来やすいように、そこで8月から具体的な提示をさせて頂いたということもありまして、そうした国土交通省の出してきたこれまでの住宅関係の動きというものは私は適切な措置であったと思っているところです。

(問)車に関して12月の対策の中に、住宅の方は耐久消費財ということで3パーセント分を何とかしようということでしょうが、車に関しては現状8パーセント段階では特に増税分の補填の議論は無いようで、現状国土交通省は年末の対策に車に関しての何かしかの補助・補填等々を盛り込むというお考えはありますか。
(答)この点に関しては、10パーセントになった段階と今御指摘がありましたように、そうしたことで進んでおり、8パーセントということではございません。
しかし、8パーセントの引き上げということが具体的に提起をされて決定をしたということは、次の10パーセントという段階、これはまた全体的に判断をしなければいけないのですが、そこで具体的にどういうふうに持って行くかということについて、様々な自動車取得税の段階的廃止やあるいは自動車重量税のグリーン化等について、そして具体的にどのように措置をするかこれから本格論議をこれからしていかなくてはならないと思っているところです。

(問)可能性はまだ残されているという理解でよろしいですか。
(答)10パーセント段階ということで。

(問)8パーセント段階では。
(答)いや、10パーセント段階ということで、今(税制)大綱の所はそういうことになります。

(問)会計検査院の先程大臣が仰っていたところをもう少し具体的にもう一度教えて頂きたいのですが、会計検査院の指摘はあったものの、直ちに危なくないということですか。
会計検査院の報道を見てドライバーは不安視することになってしまいますが、先程の答弁では技術面や財政面で厳しい状況である地方公共団体が管理しているか跨道橋に関してはこれから何らかの対策をやらなければいけないものの、国や高速道路会社が管理しているものについては大丈夫だということでしょうか。
(答)国と高速道路会社が直接管理をしているものについてはこれは大丈夫だということです。
そうではない地方自治体が管轄をする分については、確かに指摘をされたようにまだ何もしていない所があるということで、それは急ぎ検査が出来るように国も指示をしますが、併せて道路会社との連携ということもして、少しでも早く検査をして、補修ということの前にまず検査が大事なので、そこを急ぐように指示をしたところです。

(問)静岡空港への東海道新幹線新駅構想についてお聞かせ下さい。
先日(9月23日)、静岡県に大臣がいらっしゃったときに、静岡県知事と対談された際に、知事の方に本格的な検討を約束するというお話をされたと知事が記者に語っているのですが、実際の所どの程度事業化に向けて検討されるお考えがあるかお聞かせください。
(答)私は川勝(静岡県)知事からの要請を頂いて、静岡空港は富士山の噴火に備える防災拠点、そして世界遺産に登録された富士山の玄関口としての、これは観光という点でも日本に降りたら目の前に富士山が迎えてくれる、眼下に茶畑が広がっているということの観光という点での意義というのは静岡空港にはあると思います。
その空港の下の所に、直接新幹線の駅があるということは色々な意味で、意味があるということについて私は認識をしたところです。
そしてこれまで最初からそういうような意見があったり、そしてこれが出来ていないという状況の中には、様々な沿革、経緯というのがあると思います。
そうしたことを全体的に含めて考えていくということだと思っており、総合的な視点でこれを捉えていくという必要があると、今後関係者の御意見をよく伺っていきたいと考えているというのが現状です。

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