大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年9月17日(火) 11:16 ~ 11:40
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 次に、私から、一点御報告がございます。
 9月11日から9月14日にかけて、タイ・ベトナムに出張し、両国の要人と会談して参りました。
タイでは、プロートプラソップ副首相、ソムサック観光スポーツ大臣、チャチャート運輸大臣と会談を致しました。
ベトナムでは、ハイ副首相、ファット農業農村開発大臣(防災担当)、タン交通運輸大臣、ズン建設大臣と会談を致しました。
また、帰国後の14日には、訪日中だったベトナムのアイン文化スポーツ観光大臣とも会談を致しました。
 タイでは、防災分野における協力進展について協議を行い、「防災協働対話」の実施に関する覚書を締結しました。
また、バンコクと地方都市とを結ぶ高速鉄道、バンコクの都市鉄道等についてトップセールスを行いました。
さらに、両国の観光交流の促進について協議を行いました。
ベトナムでも、防災分野における協力推進について協議を行い、「防災協働対話」の実施に関する覚書を締結しました。
また、ハノイ市郊外の高速道路、ロンタイン新空港、南北高速鉄道、ハノイ・ホーチミンの都市鉄道、エコシティ等について、トップセールスを行うとともに、事業の円滑な実施のための協議を行いました。
 今回の出張を通じて、防災、インフラ整備、観光交流に関するタイ、ベトナム両国との相互理解が深まったものと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今回のタイ・ベトナム訪問の成果をどのように評価しているのかということと、今回の成果を踏まえて、今後具体的な対応をどのようにとっていくのか、教えてください。
(答)訪問の主なテーマは三点でございました。
第一に防災に関する協力の構築についてです。
タイは洪水で大変悩んでいるということもありますし、ベトナムでは台風による洪水が多いということです。
この両国の防災対応力向上のためには、日本の洪水予測技術やダムの効果的運用など、優れているというこうした技術について、産官学一体で支援をして、継続的に協力していく体制を構築することが重要だと考えて、覚書について両国と交わさせて頂いたということです。
この覚書は初めてのことですので、両国とも防災協働対話がこれで進んでいくことになると思います。
特に洪水の予測とか、そうした体制ということの内容面での幅広い打ち合わせがこれから行われることが一つ。
今まで政府間で対話をしようというような動きでありましたが、産官学併せて色々な技術的なことも含めて協力関係をしようということになったことが、非常に大きいことだと私は思っている所です。
二番目はインフラの整備であります。
インフラ整備や都市開発のトップセールスを行ったわけですが、タイのチャチャート運輸大臣との会談では、バンコクと地方都市を結ぶ高速鉄道、そしてバンコク都市内の地下鉄整備について、安全で信頼性の高い日本の技術が導入されるようアピールを行いました。タイ、ベトナム両国ともそうですが、タイのチャチャート運輸大臣からは、「日本の高い技術、安全ということについて、はっきりいってよく判っている。」ということでしたが、タイにおいては「高速鉄道の経済効果というものが、一体どのようなものかという具体例というようなことが欲しい。」という話があり、私の方からこれに対して、「街づくりも含めたことで、大変効果がある」と話をさせて頂いて、具体的にこれから更に新幹線というものが経済のみならず、都市を造っていくということや、幅広い観光という側面でも大きな効果があるということについての情報を提供するということを約束を致しました。
そして、技術面については非常に評価は日本は高いわけでありますが、タイのニーズにフレキシブルに対応しながら協力していくということを私は申し上げました。
そうした意味からいきまして、日本の技術というものを導入する場合に、タイの国情に合わせてどのようにしていくかということが行われてきたと思いますし、これから様々な情報提供を通していこうということになったわけです。
ベトナムでは、副首相、運輸大臣、建設大臣と会談をしましたが、高速道路、ハノイとホーチミンを結ぶ南北の鉄道、港湾空港、そして街づくりという点でエコシティ、幅広い協力ということをしたいと、またインフラ整備ということについて協力の要請もあり、我々としては大いにここは協力をしようということでお話をさせて頂きました。
高速道路やあるいはエコシティと、いわゆる鉄道というようなことについては、それぞれ状況が違うということは、その地域に一番適したものは一体どういうレベルということの要請なのかということも、よくしっかりと練り上げて意見交換を行っていきたいと思ったところです。
それぞれの大臣からは、自ら先頭に立って対応に当たるとの回答を得たというのが現状です。
観光交流につきましては、(今年)1月から7月(まで)の訪日旅行者数が対前年度比50パーセントを超えています。
タイは56.2パーセント増、ベトナムは53.1パーセント増ということになっています。
大変日本への旅行者が伸びているという状況にあります。
私はこれからASEANからの旅行が拡大をされるということで非常に大事だという観点を申し上げ、タイの中において日本がどういう点でこれから努力するということが、より多くの方に来てもらえるかということについてのお話をさせて頂いて、ベトナムは(日本へ)帰ってきてから懇談をしましたが、双方向の観光交流ということについて有意義な意見交換が出来たと思っています。
7月のビザ緩和ということについては、大変喜んでいるという状況にもありまして、一層両国の旅行者増加ということについてこれが進展するということを期待もし、またそのように出来るという確信をしたところです。

(問)先週の金曜日(9月13日)に北海道の高橋知事が道議会で北海道エアシステムという地方航空会社について、JALの子会社にしてもらうべく、国・JALと三者で協議を始めたと表明をされました。これは昨年8月に国土交通省がJALに対して、地方の航空会社の支援を要請するとした文書に沿った動きだと思いますが、ちょうど今週JALが上場から1週年を迎えるというタイミングでもありますので、現在のこの動きについて大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)JALが上場するということになりました昨年8月10日のペーパーというのがございまして、これは(国土交通省)航空局が再上場にあたりまして述べているということです。
社会に対する貢献方策の検討を要請という項目がありまして、こうしたことにどのようにJALが対応するかということについて、私としては注目をしているということです。
北海道エアシステムにつきましては、経営再建が課題となっており、筆頭株主でもある北海道庁において経営改善に向けた様々な方策が検討されていると承知しています。
また、従来北海道エアシステムをグループ会社としていて、現在も主要株主である日本航空におきましても、この経営改善に向けた具体的な方策について、鋭意検討を進めていると聞いております。
国土交通省としましては、基本的に関係者において北海道エアシステムの経営再建に向けた検討が進められることは、地域航空ネットワークの維持という観点からも好ましいと考えておりまして、今後、このような検討が円滑に進められるよう期待をしているということでございます。
この点については、昨年の8月10日のペーパーということの社会に対する貢献方策について検討を行っているという、この一環ではないかと理解をしているところです。

(問)東京オリンピックの開催を控えまして、中央リニア新幹線の開業を早期に、前倒しして欲しいなどという声が経済界からあがっているのですけども、この点に関して大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これは、偏に技術的、あるいは実際の工事というものがどういう進展なのかということにかかっていると思います。
少しでも早くという声があることは、その主体でありますJR東海におきましても十分分かっていることだと思います。
問題は、技術的なそうしたことだと思います。
現在、JR東海が東京都・名古屋市間で環境影響評価を進めているところでありますし、2014年度の着工、2027年の開業を目指しているということは御承知のとおりです。
これ(開業)を東京オリンピックに何とか前倒して間に合わせられないかという要望があることも、よく承知をしていることですし、また(JR東海は)承知をしていらっしゃると私は思います。
この区間については、一番は、品川駅付近、そして名古屋市付近の地下への設置が予定されているターミナル駅、あるいは南アルプスの長大山岳トンネルの整備、ここに10年以上の工期を要するようでありまして、部分開業や開業時期の大幅な前倒しについては難しい問題もあると認識をしています。
いずれにしましても、早期開業ということについては、JR東海の考え方をよく踏まえる必要があると思っておりますが、様々な努力をしていただけるのではないかと思いますが、現実問題はなかなか難しい問題があるというような現状ではないかと思います。

(問)事業主体はJR東海だと思うのですけども、例えば少しでも早い開業に向けて、何か国として支援したり、サポートしたりとかということは出来ないものでしょうか。
(答)国としては、これについては技術的な援助、支援ということについて基本的に考えているところです。
ところが今、私が申し上げましたように、品川駅付近とか名古屋市付近、南アルプスの山岳トンネル、これはかなり物理的時間というものが必要だということで、技術面での支援ということで克服できる面も含めて、これからどうするかということについての判断だというふうに思います。

(問)東京オリンピックでですね、老朽化したインフラの整備を早めた方がいいのではないかという声が経済界・産業界から上がっています。
ただ一方で自治体の方では、そういった調査であったり、予算の不足のようなところもあって、そういったところの懸念も出てきているんですけども、改めて老朽化したインフラ、特に高速道路だとか橋になると思いますが、その現状についてどうお考えなのか、またそういった産業界・経済界の声を受けてそれを促進しようという動きがあるのか、ないのか、その二点についてお話を伺わせてください。
(答)防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、そして耐震化というのは、東京オリンピックということに関わらず、安全な国土、安全な都市の形成で極めて重要なことであり、私としては、今これがメインストリームにあると思っています。
それ故に補正予算、あるいは本予算、来年度の概算要求ということについても、そこに主眼を置いているということについては、全く変わりはありません。
そしてまた、東京オリンピックということを考えましても、少なくとも日本は安全が確保されているという要素は、大会のスムーズな運営と同時に安全が確保されているということは極めて重要なことだと思っておりまして、ここを老朽化対策、あるいは耐震化ということで進めて行くという強い姿勢を示していくというのがこれまでもそうでありますし、今も全く変わらない姿勢でここには全力を挙げて行きたいと思っているところです。
そういうことからいきまして、この老朽化対策ということについて、6月までに緊急点検を行い、今年度末、来年の3月までには全ての点検を終わるということでそのスケジュールどおりに今全ての構造物についての点検を行っている状況にございます。
しかし、昨今ここでもお話ししたことがあるかと思いますが、緊急点検をしたが点検の仕方の「質」という点に若干問題が有る部分もあるということで、私は更に「質」ということを重視して点検を行うように指示しているところでございます。
国のものはもちろん、地方自治体の管理している所というものにつきましては、そこを担う点検主体である人材、そして技術、そうしたことの蓄積というものが十分ではないということもありますから、研修会を行ったり、あるいはマニュアルを提示したりと努力しているわけですから、私は一層そうした「質」の面も重視して防災・減災、老朽化対策そして耐震化、メンテナンスに力を入れて行かなければならないと思っております。
東京オリンピックということにかかわらず、ここは大事な問題だと思っておりまして、力を注いで行きたいと思っているところです。

(問)国交省には関係ありませんが、閣議でお話が出ているかとお思いますが、オリンピックを念頭に置いた上で、スポーツ庁を設立することが検討されているようですが、この辺り何かございますでしょうか。
(答)政府内でそうしたことがまだ正式に提起されたことではないと思っていますが、実はこの問題は私自身がこの十年来オリンピックという対応で北区西が丘にありますナショナルトレーニングセンターの充実とスポーツ庁の設置という二本柱について、私は主体的に取り組んできたという経過もございます。
スポーツ基本法が出来上がりまして、スポーツ庁というものは、世界で見ますとこれがスポーツということについて「省」とか「庁」ということになっていないという国はほとんど無いという状況にもありまして、スポーツ庁というものの設置ということを強く望んでおりますから色んなところでスポーツ庁を設置しようという動きになって、政府内でもなってきている動きは大変良いことだと認識をしております。
どういう形でまたどういう内容をもってそれがするかというまだ具体策のところまでは行っていないと思いますが、そうした方向であるということは間違いないと思います。

(問)JR北海道で特急北斗星のATSのスイッチを故意に運転士が壊したという事案が明らかになりました。
JR北海道では不祥事がこのところ続いておりまして、安全については大臣の方からもかなり関心を持たれているところかと思いますが、今回の事案について何か対応されるお考えはありますか。
(答)JR北海道の運転士が土曜日(9月7日)だと思いますが、ATSを誤作動させてそのミスの発覚を恐れてスイッチを壊すという事案が発生したということです。
JR北海道におきましては、利用者の信頼回復が強く求められている中で、このような事案が発生したことは極めて遺憾だと私は思っております。
国交省としてはずっとこの7月からJR北海道については安全確保の取り組みということで注視をし、また指導もして参りました。
またJR東日本との技術的な連携ということも要請して、具体的にそうした動きになって前進してきていると思いますが、いずれにしましても今回の事案については誠に遺憾なことでありますから、利用者の信頼回復が図られるよう指導・監督をして参りたいと思いますが、重ねてここはJR北海道に国交省としては指導していきたいと思っているところです。

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