大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年1月18日(金) 11:08 ~ 11:35
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 私から2点御報告をさせて頂きます。
 1点目は、公共事業の迅速かつ円滑な施行確保についてです。
補正予算については、15日に閣議決定されたところですが、経済への効果が一日も早く発揮されるように、公共事業について迅速かつ円滑な発注とその執行が重要と考えます。
そのためには不足が懸念される人、資材等の確保への対応ということ、そして迅速かつ円滑な発注に向けた入札契約の手続き等の取り組み、これらを推進する必要があります。
本日の閣僚懇談会において、関係閣僚に対し、取り組みへの協力をお願いしました。
国土交通省としても、関係機関と密接に連携を図りながら、しっかりと対策を進めて参ります。
 2点目は、ボーイング787型機関連のトラブルについてでございます。
最近発生したボーイング787型機のバッテリー関連のトラブルに関しては、昨日梶山副大臣から発表したとおり、米国連邦航空局(FAA)の耐空性改善命令の発行を受けまして、国土交通省としましても、同内容の耐空性改善通報を発行し、バッテリーシステムの改修その他の是正措置が取られるまで運航を停止するよう指示いたしました。
このような事態に至ったことは大変残念ではありますけれども、航空の安全確保を第一に考えて取った措置であり、現在、調査チームが必要な対策を検討しているところであります。
今後とも、FAAやボーイング社とも緊密に連携をしつつ、安全かつ出来る限り速やかに運航再開できるよう、国土交通省としても、最大限の努力をして参ります。
また、新しい展開があれば、随時、皆様方に報告させて頂きます。

質疑応答

(問)787型機のお話がありましたが、今の段階で調査関係でわかった新たな情報等があれば教えてください。
(答)昨日の梶山副大臣会見の後、この一日で様々な動きを随時状況掌握をして参りましたが、高松空港の全日空機について昨日バッテリーの供給会社の協力を受けて、メインバッテリーを調査したところ、内部に大きな損傷が確認されました。
今後、損傷の状況をより詳細に調査する予定であります。
また、成田空港での燃料漏れについては、燃料を機外に放出するための弁の駆動装置に不具合があることを確認しました。
今後、当該部品の詳細検査が英国にある部品メーカーにおいて実施されると聞いておりますので、より詳細な情報を直接得るため、国土交通省の調査チームのメンバーを英国に派遣し、検査に立ち会わせることと致しております。新たに判明した事実は以上であります。
(問)弁の装置の不具合の確認とありますが、耐空性改善命令はバッテリーの改善だったと思いますが、燃料漏れの弁の装置の改善は運航再開に向けて必ず処置しないといけない要件になってくるものなのでしょうか。
(答)燃料漏れについては、航空局の調査チームが調査を行っているところであります。
その結果を踏まえて必要な対策を実施していきたいと思っております。
耐空性改善命令は、バッテリーということになります。

(問)乗客の方も欠航等も出ているため不便も広がっていると思いますが、そのことについて、国交省として航空会社に求めたいこと等があればお聞かせください。
(答)なによりもまず安全性ということに重点を置きたいと思っていますが、航空事業等におきましては、安全の確保が大前提であるとともに、利用者利便の確保も大事だと考えております。
したがって、現在各航空会社において、機材変更による極力欠航を回避する取り組みを行っていると承知しておりますが、このような取り組みによって利用者への影響の最小化に努めていきたいと思っています。
十分航空会社と連携を取って、必要な対応を行っていきたいと考えています。

(問)運航再開に向けた目途は、どれくらいかかりそうでしょうか。
(答)安全かつ速やかにということが、今一番大事なことだと思っておりますし、何より安全ということを考えているところですが、製造国政府であるFAAは製造者や運航社とともに、ボーイング787型機の運航再開を安全かつ速やかに行うための是正措置を策定することとしています。
今は、停止し調査をしており、国土交通省としても、FAAやボーイング社とも緊密に連携して、今後策定されるこの是正措置を踏まえ、適切に判断して行きたいと思っております。

(問)首都高速の老朽化対策の関係で、15日の有識者会議で対策には1兆円かかるという試算が示されました。現行の償還計画には老朽化の財源が含まれていません。
他の高速道路会社も似たような状況ですが、国土交通省としての対応をどのように考えられてますか。
(答)首都高速道路会社の有識者会議において涌井先生を中心として真剣な議論をして頂き、15日に発表して頂きました。
速やかに修理しなければならない箇所も含め、7,900億円から9,100億円かかるという、かなり大きな額が提示されました。
首都高の全300キロの中で約20キロほどは更新となりますが、危ないというよりも長期にわたって修繕をしなければいけないということを、緊要性のあるもの様々な提言を頂いたところでございます。
そういう意味では、長期にわたって使用するために必要な大規模更新などの老朽化対策について、実施区間、及び必要な概算費用の試算が示されたと私たちは受け止めており、そういう意味では、今年度末の取り纏めを目途に、適切な維持更新を図る為の枠組みについて、全体的な国土幹線道路部会で検討しているところでございます。
それらをしっかり議論を踏まえて、財源確保のために必要な制度等について検討を進めたいと思っておりますので、その国土幹線道路部会での、寺島実郎先生を中心とした部会でありますけれども、これをしっかりと議論をしていただいた上で、その財源等について、また優先順位をどうするか、長期に渡るわけでありますので、検討を加えていきたいと思っています。

(問)冒頭の発言の関係ですが、今後補正予算、あるいは本予算が執行されれば、ますます人手であるとか、資材不足であるとか、円滑な発注がなかなか難しくなると思うのですが、具体的にまず国交省としてやる取り組みがあれば教えてください。
(答)予算はつきましたが、しかし現実的に職人さんがいない。
私も新年早々東北の被災地へ行って参りましたが、生コンが中々入らない、広域な状況でお願いしたいという状況があったりしました。
従って、一つは、人材不足という人の不足ということと、それから資材の不足への対応、もう一つは発注のあり方ということで、そこに色々な条件が付されておりますから、例えば人材不足への対応と発注との関連で申し上げれば、地元企業の活用に配慮した、例えば発注ロットを大型化する、そして技術者の配置はこうした基準というのがありますから、それが全体を見ていけるようなものにして兼務可能ということにするとか、あるいは資材不足ということでいえば、遠隔地から資材を入れた場合に、設計変更で運搬費等の追加コストについての精算払いというようなこと、あるいは入札契約手続き期間の短縮、総合評価ということもあり届出だけでかなり時間がかかるというようなこともありまして、それを極力短縮化する。
それらを中心として、今国交省として鋭意詰めているということであります。地方の中央発注ということもありますから、よく総務省とも連携をとり、また、あるところでは地方整備局、そしてまた各地方自治体との連携ということもあって、地方自治体にも通知をするということも含めて、これは鋭意詰めて準備をして補正予算が成立しましたら直ちに動きが出来るよう体制をとりたいと思っております。

(問)今日午前に自民党でも、今回の787型機の問題に関して協議会を開いて、自民党・与党との連携という形で、国交省の調査はどう絡んでいくのか教えてください。
(答)国交省としては、緊急に省内連絡会議を持ちまして、幹部を挙げてこれに取り組むという体制を作って、今朝も会議を行ったところであります。
自由民主党の御意見は非常に現場の意見として大事でありますので、今日は梶山副大臣自らが事務方とともに行かせていただいて、色んな声を聞かせて頂いています。
公明党もそうですが、自民党の方々、あるいは国会の方々の意見が随時我々の所にしっかり入ってくるようにと、それらを十分踏まえながら対応していきたいと思っております。
今日の時点での聞いているところによりますと、安全ということと原因究明ということと同時に、利便性の確保ということで、中々エアラインが削減されたりというようなことで、不都合になるのではないかという事も意見が出されたということを聞いておりますので、全部まとまって自民党という形ではないと思いますけど、色んな方の発言を十分踏まえて、対応していきたいと思っております。連携はしっかりとっていきたいと思っております。

(問)787型機の燃料漏れの方ですが、弁の駆動装置の不具合を確認ということですが、もう少し詳しくどういう不具合か教えてください。
(答)この辺は、事務方の方から発表できるものがありますか。
(事務方)弁の駆動装置の不具合というのは、具体的にまだ中を開けてないのでどういうメカニズムかというのはまだ御説明出来ないのですが、弁の実際の開いているか閉まっているかいうことと、コックピットで開いているか閉まっているかの表示が出るのですが、これが食い違っていた。実際には翼端の弁が開いていたのに、コックピットでは閉まっている表示になっていることが説明されてまして、こうした状況のまま弁が取り降ろされておりますので、それを分解・調査、これから工場へ持って行って分解・調査するということになります。

(問)関連して伺いますが、燃料漏れの不具合はボストンでも聞いているのですが、このバルブは同じイギリスのメーカーのものなのかということと、成田空港で(燃料漏れが)あったのは、燃料を空中で放出する方のバルブの事でいいのでしょうか。
(答)正確に事務方からお願いします。
(事務方)ボストンの方は正確に申し上げますと、どのバルブがどう不具合があったのかはまだ確認出来ておりません。
成田の方は、翼端の燃料を排出するための弁に不具合が残っていたということです。
基本的には、燃料回りのバルブは同じメーカーが作っております。

(問)復興の問題と予算の問題で、今回予算が動き始めましたが、震災復興の観点から見た場合に、自公政権によって新しく作られた予算がどのような効果を発揮するか、民主党政権時代とどう違ってくるのか、どのような点をポイントに大臣としては見ていらっしゃるのでしょうか。
(答)民主党政権の時代に起きた3.11の震災からまもなく2年が経ちます。
私も20回前後現地に入らせて頂いて、非常に現場の中の悩みということに対して手の打ち方が遅い、そして住民の方々の悩みということについての感受性というものが弱い、冬になったら仮設住宅の人が寒いだろうなというようなことで、私も関わりましたが追い焚き機能を付けていくようなことを含めて、夏は暑いということでゴーヤのカーテンというのはどうだろうかとか、いろいろなそのようなことに関わったり、あるいは気仙沼に行きましたら、立派な復興プランということばかり東京の方で一緒になって考えて下さっていることはありがたいけれど、何よりもカツオさえ揚がれば元気になるのだと、何とかして欲しいというような声をたくさん聞きながら対応してきたつもりです。
感じたことは、遅いし鈍いし心がないということを私も発言をしてきました。
今年1月冒頭に私も現地へ行きまして、進捗状況については、全体的にはなかなか決まらないで遅いということがあったり、そして工事をする側の村井宮城県知事ともお話をさせて頂くと、何よりも事故繰越ということを懸念されていたり、あるいは人の面、職人さんの面、あるいは生コンという面、まちづくりをするという場合に土地収用というものの仕組みの問題、いろいろなことについて、なかなか一つ一つに隘路がある、ボトルネックになっている所がある、そこを打開出来なかったということを言っていらっしゃいました。私は全体的というよりも、一つ一つまちを作り直し、そして住宅を確保するということが、まちづくりと住宅というものが遅れているという実感をして、基幹線はそれなりに動いてきているという実感を持ちましたが、何が一番遅れていて、何がネックとなっているかというものをしっかり見て、それを打開する、そういう意味では補正予算を付けてこうしたことの対応をする中で、先程申し上げましたように今度は予算の執行というものの迅速化ということの中に、何がネックになっているかということの、かなり具体的なネックになったものを打開すると、それを一気にやる、また政府を上げてそのようなことを行うということで、今日は閣僚懇の中でも私はそのことについて発言をさせて頂いたところです。何が遅れの原因なのかということの隘路を打開するということの措置、そして現実に補正予算が提出されたという時期に当たって、今日私が述べたことは、まさに一番隘路になるということを打開するということで、一つ一つ具体的なことだと思います。
また海岸方面では、漁港を始めとして再開するということをずっと願ってきているわけですが、福島県、宮城県、岩手県では状況は異なりますが、最初は例えば気仙沼のことを先程申し上げましたが、カツオを揚げるということの後に、本格的な操業の時には、地盤のかさ上げというのが大きな課題であります。
このかさ上げをどうするかという時に、ここは国土交通省、ここは水産庁、ここは工場を建てていく場合にかさ上げした上で工場を建てるという場合には中小企業庁、そして復興庁の絡み、現場の各市町村の対応、こうしたものが合同会議を開いて、そしてどこに一番のネックがあるのかということを打開するということを、よく現場を見ながら判断していくという作業が必要だと、私はこのように思っております。
そのような意味では、何で遅れを見せているのかということに俊敏に対応出来る内閣一致した体制が今出来ていると、私はこのように思っております。

(問)先程公共事業の迅速な執行の中で、入札手続きの短縮というお話をされましたが、手続きの短縮も必要だと思いますが、受発注者の両方のサイドからすると、一度に大量な入札手続きが集中してしまうと、それの対応が非常に大変だということがあると思います。入札手続きの前倒しについて、大臣御自身どのようなお考えをお持ちなのかをお聞かせ下さい。
(答)手続き自体、発注ロットの大型化ということについて申し上げましたが、これは中小企業も取れるような形に例えばしていく、これまで発注前には膨大な資料が例えば必要であるということで、そうした負担をかけないようにしていくというようなことも含めて、単にこの期間に同じような書類を出して同じものでさあ出しなさいということではなくて、そうした発注が出来るような、そしてその審査も短く出来るようなことを総合的に判断していかなくてはならないと思っております。
現場のそうしたそれぞれの関係の、中小企業も含め、あるいは現地も含め、全体的な業界の状況というものについて、私はこれまでもかなり知ってきている一人だと思っておりますので、更によく現実に即して迅速に、またしっかりと執行が行われていくように努力をしたいと思っております。
更に詰めさせて頂きます。

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