大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年9月25日(火) 11:03 ~ 11:25
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、国土交通省関係は特にございません。

質疑応答

(問)八ッ場ダムの関係ですけれども、本日、利根川・江戸川有識者会議が開催されますけれども、八ッ場ダムの着工条件である河川整備計画の策定の見通しについて教えてください。
(答)八ッ場ダムの関係ですけれども、利根川・江戸川河川整備計画については、策定主体である関東地方整備局において、検討を進めているところであり、その一環として昨日(利根川・江戸川河川整備計画)関係都県会議が開催され、本日第5回利根川・江戸川有識者会議が10時から開催されているところであると承知しております。
今後の具体的なスケジュールでありますけれども、現段階では未定であります。
今後とも早急に河川整備計画の策定を進めるべく関東地方整備局において取り組みがなされるものと考えております。

(問)現在未定ということですが、早急ということで例えば年内、年度内とか目途的なものはありますでしょうか。
(答)特に今は目途を持っておりません。

(問)昨日も中国の監視船が尖閣諸島付近の領海を侵犯するという事態がありました。
中国側の攻勢が続いているような気がするのですが、現状と今後の領海警備の見通し等について、大臣の所見をお伺いします。
(答)この件については長期化すると認識を持っておりますので、しっかりと対応していきたいと考えております。
18日以降海上保安庁では、尖閣諸島周辺において漁政10隻、海監10隻及び台湾海岸巡防署所属船1隻を確認しておりますが、本日午前8時現在、漁政6隻及び海監4隻が接続水域を出入りしながら航行し、また、新たな台湾海岸巡防署所属船を加えた同所属船10隻程度が、漁業の権利等を主張する台湾漁船に随伴して接続水域及び領海を航行しております。
なお、その他の公船は同諸島周辺海域を離れているのが現状です。
また、昨日24日、海監2隻及び漁政2隻が領海に侵入しましたけれども、巡視船からの退去要求によって領海外へ退去したところであります。
海上保安庁では、現場海域における警戒監視態勢を強化し、これら外国公船、漁船も含めてですけれども、巡視船により警告や退去要求等を実施しております。
今後も引き続き、関係省庁とも緊密に連携しながら、その時々の情勢に応じて哨戒体制を強化するなど、警戒警備に万全を期していきたいと考えているところであります。

(問)尖閣諸島の問題では、台湾の漁船団が大量に来ました。8月15日の香港の活動家が上陸しました。今回は上陸の情報はまだありませんが、前回の反省に至ってどういう警備体制で今回臨んだのか、今回どのような体制だったのかを教えていただければと思います。
(答)台湾漁船は約50隻ですが、本日午前6時頃、漁業の権利等を主張する形で来ておりまして、それに随伴する形で台湾海岸巡防署所属の船が10隻程度、魚釣島周辺の接続水域に入域して、巡視船からの警告にもかかわらず、午前7時42分から午前8時にかけて、巡防署所属の公船が6隻、そして漁船が2隻領海に順次侵入しているところですが、海上保安庁ではこれらの船舶に対して、巡視船による警告や退去要求等を実施しております。
現在、島とは反対の方向へ向いているというのが最新の情報であります。
そういう意味ではしっかりと警備体制を敷きながら、対応しているところです。
内容については、御勘弁頂きたいと思います。

(問)尖閣諸島沖の日本の領海への侵入が、昨日は中国、今日は台湾と相次いでいますが、大臣はどのように思われてますか。
(答)あちらはあちらでの主張があります。我々としては主張は変えてないわけですけれども、そういう中でこれは長期化してくるなという覚悟を持って、しっかりと海上保安庁に対応していただいておりますし、関係の省庁と緊密に連携を取りながら、対応させて頂いているところです。そういう意味ではしっかり法令に則りながら、対応していきたいと思っております。

(問)長期化するというのは何か大臣のお考えになる理由といいますか、根拠はどの辺にあるのでしょうか。
(答)あちらのメディア等も、また、主要な人物もそういう発言をされているという認識をしており、それをすべてそのとおりだとは思っておりません。
外交努力を通じて、しっかりと解決していかなければならない。
また、このようなことが続かないように努力をさせて頂いておりますけれども、長期化することも視野に入れながら、対応していくということです。

(問)まだ今後も色々な形で領海に入ってくるという、有力な情報があるというわけではありませんが、当然対応されていくということでしょうか。
(答)そうですね。そういうことも含めてしっかりと対応出来るように、どんなことがあってもしっかりと対応出来るように、こちらとしては準備をさせて頂きますが、領海に入ってくることがないように願ってますし、今の状況が続かないように、外交努力も続けているところです。
関係省庁・政府一体となって、しっかりと対応する中で、早くこのような緊張感が解けるような状況にしていかなければならないと考えてます。

(問)八ツ場の有識者会議についてですが、4年4ヶ月ぶりに会議が再開されますが、動き出したことについての大臣の受け止めをお願いします。
(答)大変長く時間が経過しております。
そのような意味では、しっかりと官房長官の裁定も踏まえた上で有識者会議等の意見をまとめて頂けるような状況を作っていくことが必要であると思っておりまして、そういう意味で今日スタートしたところであります。
しっかりと議論していく中で、まとめて頂ければと思います。

(問)昨晩、京急電鉄で事故がありました。
土砂崩れの上に乗り上げてしまったという事故ですが、当時雨が非常に強かったという中で、一方では電車は走っていたということを考えますと、このような状況で走ったということ自体がそもそも適正だったのかどうかという判断はあろうかと思いますが、そのあたりについて現段階ではどのようにお考えでしょうか。
(答)昨日の夜、23時58分頃、京急電鉄の本線、走行中の列車が追浜駅と京急田浦駅間において、線路内に崩落した土砂に乗り上げ3両が脱線し、乗客10人、運転士1人の合計11人が負傷する事故が発生しております。
その時に大雨等が降っていたのに走らせていたというお話ですが、詳細な事故原因については運輸安全委員会の調査結果を待つ必要がありますが、京急電鉄からの話では、田浦駅の南方において平成9年に発生した土砂崩れを伴う脱線事故がありました。
それを受けて、全路線に渡って斜面の診断を行い、その後も定期的に全線の斜面を点検し、必要な箇所については土留めを行うなど、対策を講じてきていたところであります。
今回の斜面については、直近は平成23年4月に点検の実施をしていたところでありまして、当該区間は危険度が高いと判定されていなかった区間でありまして、運転規制区間の対象となっていなかった、と聞いております。
今回の事故発生現場付近は、半径400メートルの左カーブで、速度規制は80キロ走行でありますが、その時は速度が75キロで走行中に運転士が土砂崩れを発見し、非常ブレーキの操作を行ったけれども間に合わずに土砂に乗り上げて脱線した、という報告を受けております。
事故現場には、運輸安全委員会とは別に関東運輸局の職員も派遣しており、まずは今回の土砂崩れがどのような状況により発生したのかということについて、鉄道事業者と共に把握することに努めたいと考えております。

(問)お話の確認ですが、平成9年の事故を受けて全面的にチェックをしたと、今回作った当該箇所については、平成23年4月に危険度調査をしたところ、危険度が高いという箇所には判定されなかったと、ということになると、いわゆる雨量規制というものが設けられる区間としては対象外であったということでしょうか。
(答)今回の雨量の測定は、気象庁以外にも京急電鉄から出ているものがありまして、突然相当多くの雨が降ったと聞いております。
そのような意味では、運転規制区間の対象とはなっておりませんでしたが、今回のゲリラ豪雨のような形で大量の雨が降った中で土砂崩れが起こったのではないかということも考えられます。
事故現場付近では、急激な雨が観測され、土砂崩れ崩壊後の斜面からは今までにない鉄砲水が出ている状況も確認されたと京急電鉄からは聞いております。
このことも含めて、しっかりと詳細な事故原因については、運輸安全委員会の調査結果を待つ必要があると考えておりますので、しっかりと調査をして頂きたいと思います。

(問)今のお話で言うと、数値で即、速度を下げるという箇所ではなかったという扱いだと思うのですが、さはさりながら雨が降っていたというのは事実で、そのような中で速度規制なしで走っていたことについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)速度規制なしというか、運転士の判断で少し速度は落としていたようではありますが、緊急ブレーキを作動させたけれども間に合わなかったというのが、実際のところであると考えております。
この雨についても、金沢文庫駅にある雨量計では、22時までは雨が降っておりませんでしたが、突然20ミリ以上の雨が降り出して24時くらいまでには30ミリに達するような雨が降っております。
合計するともっと多くなりますが、一時間で22時から23時までが20ミリを超える雨、そして24時から25時までの間で30ミリ、そして逸見駅にも雨量計があるようですが、そこでは22時、23時ともに降っておりませんでしたが、24時から25時の間に40ミリを超えて、ほぼ45ミリ、そしてその後も20ミリを超える雨が1時間程度降っております。
こういう中で本当に短時間の間に雨が降ったというのが現状であります。
今お答えできる現状はここまでで、後はしっかりと運輸安全委員会の方で事故原因、土砂崩れの原因を検証していかなければならないと考えております。

(問)今のお話はおそらく京急電鉄からの情報もあると思うが、我々記者が会見や説明を求めてもほぼ対応していないような状態で推移しています。
会社の説明責任は当然あると思いますが、その辺りはきちんと説明された方が良いかと思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。
(答)夜中に起こった事故でしっかりと対応しなければならないと思います。
現場対応に追われているのが今の現状だと思いますが、しっかりと情報公開とまた被害が出ており重軽傷者が出ているという状況ですので、そちらの対応にも追われているのだと思います。
今後しっかりと対応されると考えております。

(問)そういう状況とは言いながら、そこはきちんと(京急電鉄が)取材に応じるなり情報公開はして欲しいということでしょうか。
(答)適切な時期にするべきだと思いますが、今は現場対応と重軽傷者の方が出ておりますので、そちらの対応に追われているのだと思います。
そちらの対応が一段落付いた中でしっかりと対応されると思います。

(問)尖閣諸島を巡る問題で、中国人観光客のキャンセルが相次いでいるということですが、訪日外国人旅行者の中で中国人は国別割合2位でしかも増加の傾向でありましたが、先ほど解決が長期化しそうだとのことでしたが、年間900万人を目指すという中で観光面への影響はどのように受け止められていますでしょうか。
(答)今の状況が続くと大変厳しいという認識を持っております。
一日も早くこういう緊張感のあるような状況は改善していかなければならないと思っております。
中国側でも日中国交正常化四十周年のイベント等が中止になるとか色々なことがあるようですが、こういう状況を早く何とか打開して頂きたいと思いますし、今までお互いに経済や観光の面で良い関係が作られてきております。
国交正常化四十周年記念の年にこういう形での緊張感を持たなければならない状況は、お互いに何とかまとめていかなければならないという思いを持っておりますので、外交ルートを通じてしっかりと対応させて頂きたいと思いますし、我々は海上保安庁を所管しておりますのでしっかりと対応させていたくということで。
観光と海上保安庁の二つの顔がありますけれど、やはりお互い理解し合えるところは理解しながら進めて行かなければならないと思いますので、今後とも努力をしていきたいと思います。

(問)現時点での有効な手立てみたいなものは観光面で考えられるものはございますか。
(答)観光面で中国に行っている邦人の方、滞在されている方は現時点で把握しているのは約3,300名と聞いております。
被害がある等の報告は受けておりませんので、段々中国国内も落ち着いてきているのか、そして日本側の方としてはいつでも受け入れる体制は取っておりますので、中国の方にも観光して頂けるように今後とも努力をしていきたいと考えております。

(問)尖閣の問題ですが、大臣は今回代表選挙に出ている他の方々と同じように海上保安庁でできるというお話ですが、現在の竹島と同様にいずれ軍部が暴発して、秀吉の一夜城のように一夜のうちにヘリポートなんかが作られ上陸されて先手必勝という形で乗っ取られる日も近いのではないかと私は危惧しております。
そういうような万一の時に備えたことは考えておられるのでしょうか。
(答)あらゆることを想定しながら、海上保安庁また関係省庁と緊密に連絡を取りながら対応させて頂いておりますが、そのようなことのないように外交努力を続けている状況です。
中身についてはこちらからお答えられるものではございませんので御容赦頂きたいと思います。

(問)本当に今の中国は一歩も引かないという姿勢ですので、しかもアメリカのパネッタ国防長官は間に入らないと引いたような感じで日米安保も起動しないのではないかと揶揄しますので是非慎重に構えて頂きたいと思います。
(答)しっかりと踏まえさせて頂きたいと思います。

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