大臣会見

前田大臣会見要旨

2012年5月15日(火) 10:36 ~ 10:48
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件ですが、一つは、人事がございました。
北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社の代表権を有する会長及び社長人事について、御了解を頂きました。
中身は、現在の会長、社長がそのまま再任するということです。
 次に、私から、一点ご報告がございます。
 高速ツアーバスの事故を踏まえた道路構造の安全性確保についてです。
先般も御指摘があってお答えしておりますが、高速道路における防護柵の設置状況の把握を行って参りましたが、平成10年の防護柵設置基準の改定以前の基準により設置された、誘導面に不連続がある防護柵は、NEXCO3社の合計で約5,100箇所となっています。
 今回の事故の重大性に鑑みて、安全性をより一層高めるために必要な対策を早急に実施して参ります。以上です。

質疑応答

(問)広島県福山市のホテルで宿泊客7名が死亡した火災について大臣の所見をお願いします。
また、福山市はこれまでの査察でホテルに対し再三不備を指摘してきましたが、改善されなかったことで今回の火災となりました。
これについて国交省として何らかの対策を考えていますでしょうか。
(答)7名の方が亡くなり、3名の方が負傷されたということで、痛ましい事故であり、犠牲になった方々の御冥福、また御家族に対して御見舞いを申し上げます。
特定行政庁である福山市が中国地方整備局と共に調査に入っております。
そういったことも踏まえた上で、昨日、全国の特定行政庁に対して定期報告が未提出である旅館、ホテル等への重点的な防災査察を要請したところであります。
今回火災のあったホテルについて事実関係を十分把握した上で、今後の対応を検討して参ります。

(問)整備新幹線について御伺いします。国交省内の政務三役の決定は4月の初めに行われたと思うのですが、最後残っている実際の認可ですが、その時期について大臣どのようなお考えを持たれているのか。
あと、3路線が今回対象になっていますが、条件が整い次第、それぞれ順々に認可をしていくのか、それとも一斉に同じ時期にするのか、お考えを教えてください。
(答)後者の方からいうと、基本的にはこの段階に入って地元との協議が、一歩一歩進んでいるところです。
ですが線区によっては非常に関係自治体が多いところもあれば、九州新幹線のように、自治体との協議はないというところもありますから、そこは多少の差は出てくると思いますので、基本的には協議が整った線区から認可することは可能であります。
それから北海道、北陸と分離が必要なところについては、地元との協議が今、一歩一歩進んでいると聞いております。

(問)昨日、日本航空が決算を発表しまして、過去最高益を計上しましたが、大臣は中間決算の時に、日航が経営再建したかはもう少し見極めに時間が掛かるという認識を示されいらっしゃったかと思いますが、今回の決算を受けて、どのようにお考えでしょうか。
(答)実は正直言って昨日の決算の中身について、まだ詳しく存じているわけではないのですが、これを見てもそうですけど、事前ではかなりいい決算になると聞いておりました。
日本航空が着実に経営が改善されてきているということで、評価を致します。
そしてなんといっても、最近交通の安全ということについて、色々な問題、こういう事故があるわけでございますから、特に航空、一番シビアになりますので、とにかく安全というものを第一にして、そのためにはきちっと分析して、具体的なシステムみたいなものを、勿論持っているわけですから、評価していって頂きたいとこう思ってます。

(問)今日沖縄返還40周年ですけれども、ちょうど先週、都庁の石原都知事の記者会見で質問したのですが、いわゆる尖閣諸島を東京都が買うという問題で、万一、中国の軍部の一部が暴発したらどうされるのですかと。
海上保安庁で例の中国船の件があり、国土交通省としては一番尖閣諸島に関係のある話だと思うのですが、石原都知事の案に関して何か所見がございますか。
(答)今の御質問ですが、国土交通省は、あくまでも海上保安庁を所管しているという関係で、尖閣諸島の付近を含めて、領海の安全というものをきちんと守る、確保するということに尽きます。尖閣所有の云々については、私が答える立場ではございません。

(問)今日、「関越自動車道における高速ツアーバスの事故を踏まえた公共交通の安全対策に係る検討チーム」が立ち上がると思うのですが、この位置づけと、最終的に国交省が見直しも含めた対策をいつ出すのかということを改めてお伺いしたいのですが。
(答)一つは、5月5日に私を本部長とする、省をあげての本部を設置しました。
これはもちろん政務三役が全て入っております。
政務は、私以外は本部長代理ということで、事務次官が副本部長ということで、事務局を掌握していただくと。
更に今回、政務二役を中心とするスピーディに政務的にも対応してもらえるチームを作って、吉田副大臣に座長になっていただきました。
これは政務三役会議の下に置いているわけでありまして、当然、本部と具体的なことについては連携しながらやっていくわけでございまして、このチームにも事務局員として、官房長、総合政策局長、自動車局長、観光庁長官、運輸安全委員会事務局長、危機管理・運輸安全政策審議官、こういった方々に入っていただいて、連携をしております。
御承知のように、随分と対応を今やっているわけです。特に、高速路線バスの方に統合していくということは、もう決めたわけでございまして、これは7月から発足させるわけです。
発足させるということは、いろいろ省令なども出すのだろうと思うのですが、普通、こういうものが定着するには随分時間がかかりますが、発足して1年くらいで、前倒しして、今、いわゆる高速ツアーバス会社と言いますか、貸切バス利用者、あるいは旅行業者も含めて、そういったところが新しい制度に乗っていくように、随時、短い時間で指導していかなくてはなりません。
それでも、さらに夏の観光シーズン、あるいは非常に大量に動く繁忙期までに、行えることをどんどん行っていこうという意味で、この吉田チームに期待しているところでございまして、スピーディーにどんどん手を打っていっていただきたいと思います。
ここは、当然党とも連携して議論を行っていると承知しております。

(問)国交省として夏休みに入る前に、何かしらの結論を出すということでしょうか。
(答)結論というよりも、打てる手をどんどん打っていくということです。
要するに、夏に入った時に、今の状況よりも少しでも安全度が上がるような手を打ちたいということです。

(問)冒頭でおっしゃられた、高速道路の旧構造の対応について、約5千箇所あるということですが、一方で警察の捜査でも、まだ事故の被害の拡大との関係が見えてきていない中で、取れる対策というものは、具体的にどういった事を検討されるのでしょうか。
(答)因果関係であるとか、そういったことについては、まだはっきりとは判明しておりません。
しかし、あれだけの事故があったわけですから、これもまた専門家がたくさんいるわけですから、行える手を検討してもらっておりまして、2、3、こういうようにすればどうかというような事も聞いております。
たとえば、ガタガタガタと、眠気運転を行っていてもハンドルに振動を感じるような舗装があります。
路線を逸脱したことを感じるそういう舗装はわりと簡単に工事を行うことで可能なようです。
ガードレールの先端部を少し伸ばして、防護壁の所に接続させるだとか、行えることは、とにかく行おうと、全部行うということよりも、これは予想ですが、危険と思われるカーブの所だとか、そういった所を考えるのではないでしょうか。

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